Genevievella granulatus
ウィークス (Weeks) 累層産、ゲネヴィエヴェラ・グラニュラトゥス (Genevievella granulatus) です。細部まで保存状態が非常によく、アップの高画質画像でも耐えるレベルの質感が素晴らしいです。側葉の細かなぶつぶつまで確認できます。
産出度としては、ウィークスの中では、物凄く珍しいというわけではないものの、一般種というわけでもないという、中間的な感覚かと思います。
普通、軸葉の後部 (胸部第8節目) から大きな棘が一本出ている事が、ゲネヴィエヴェラに特徴的です。しかし、3番目の写真で確認できるように、この標本の興味深い点でありますが、本種では認められません。化石化した後に欠損したというよりは、元から棘があった形跡がまるでないようにみえます。
巷の標本をいくつかみると、本種は棘の長さにかなり個体差があるようなのですが、この標本のように形跡ゼロというのは、珍しいかと思います。ご意見でも頂いたように、新種、雌雄差、あるいは先天性欠損などの可能性もあるのかなと思います。
あと蛇足ですが、ウィークスの母岩は四つの角のうちの一つがカットしてあることが多く (本標本の場合は、標本に対して左下) 、これには一体何の意味があるのだろうと、前々から疑問に思っています。
Middle Cambrian (Series3, Guzhangian)
Weeks
Millard County, Utah, US
Genevievella granulatus
trilobite.person (orm)