Prionocheilus sp.
何とも面白い、この三葉虫とヒトデの組み合わせは、三葉虫プリオノケイルスの一種 (Prionocheilus sp.) と、ヒトデはおそらくペトラステルの一種 (Petoraster sp.) の共演標本です。
同国オルドビス紀産の大半に言えることですが、風化が進んでいることが多く、本種もぼけっとした荒い標本をよく見かけます。この標本も風化が進んでいるものの、頭部の様子など、比較的細かく観察することができ、本種としては良質な方です。この標本では確認できませんが、体全体に細かな顆粒がある事もプリオノケイルスの特徴のようです。
ほか、本標本は黒い色合いが強いですが、産出場所によって、褐色、黄色などの色のバリエーションも多い印象です。
同国オルドビス紀産としては、クモヒトデ (綱)と三葉虫 (特にSelenopeltisなど) という組み合わせは、よく見かけますが、ヒトデ (綱) と三葉虫というタッグは案外珍しい気がします。
三葉虫が暮らした当時の海底環境の一端がわかるだけでなく、飾っても楽しく、私のお気に入りの標本の一つです。
Ordovician
Ktaoua
El Kaid Errami, Morocco
60mm
trilobite.person (orm)