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Stenopareia oviformis
スウェーデンのオルドビス紀三葉虫の、ステノパレイア・オヴィフォルミス (Stenopareia oviformis) です。ボダ石灰岩累層 (Boda limestone fm) 産です。 同地域では90種ほどの三葉虫が見つかるようですが、特にEobronteus、Holotrachelus、Bumastus、Isocolusなどが、まれに市場で確認出来ます。これらが局所的な場所に、大量かつ佃煮状に産出すると言う、特徴的な産状があります。上に挙げた中ならば、Isocolus以外は完全体は皆無なのですが、サイズが割合大きく (※ Isocolusは極小) 、質感や色合いも素晴らしい為、部分化石ながらとても見栄えがします。 本標本も頭部と尾板のみで、しかも分離しておりますが、特に頭部が質感良く残っています。ぷっくりと膨れた頭部とちょこんと飛び出た小さな眼は中々の見もので、イラエヌス系特有のとぼけた表情が実にコミカルでもあります。
Upper Ordovician Boda Limestone North Ingels, Dalarna, Sweden Stenopareia oviformistrilobite.person (orm)
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Meadowtownella crosotus (Trilobita) & Ectenocrinus geniculatus (Crinoidea) : sea bottom plate
海底のワンシーンを切り取ったような面白いプレートです。7-8mmの小さな三葉虫がウミユリの散らばる海の中を泳ぐように配置されています。 三葉虫は、メアドウトウネラ・クロソトゥス (Meadowtownella crosotus) という珍しい種で、オハイオ州以外にもケンタッキー州でも産出するようです。ほぼ全て部分化石や裏掘り化石ですが、母岩中に8体程度が載っており豪華です。複数体で産出することも多く、集団で生活をしていた種である可能性があります。小さくて可愛らしく、美しい種だと思います。 一方、3番目の写真のウミユリはエクテノクリヌス・ジェニクラトゥス (Ectenocrinus geniculatus) という種であります。提供者の方によると、シンシナティ地区で、ここ数十年で数体見つかった程度という、一応メインの三葉虫以上に珍しい種のようです。詳しくないので、私はこれ以上語れませんが‥。 種類は同定不可ですが、他にもウミユリ茎やコケムシの破片が散らばっています。ウミユリが犇めき合う海底をメアドウトウネラのような小さな三葉虫が、隠れ家のように利用して生活していたのかもしれないなと想像 (妄想) させてくれる、ワクワクする標本です。 ※ Primaspis crosotusで一度登録しましたが、Meadowtownella crosotus (Locke, 1843) が正式とのご指摘を受けて修正しました。
Upper Ordovician Kope Hamilton Country, Ohio, USA Meadowtownella crosotus (Trilobita) & Ectenocrinus geniculatus (Crinoidea)trilobite.person (orm)