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オーロラin田上山トパーズ/黄玉
滋賀県田上地方は石好きにとって聖地のひとつ。 水晶や長石をはじめとした鉱物を胚胎する当地は日本三大ペグマタイトとして知られ,古くから多くのマニアたちの羨望を集めてきました。 中でも琵琶湖の南部にそびえる湖南アルプスの「田上山」は伝説級の産地。 明治期から高品質のトパーズを産出し,その宝石級のクオリティから多くの結晶が海外に輸出されたという(勿体ない)エピソードは有名です。 田上山には私も一度だけ登った経験があり,かの有名な中沢晶洞の中を観察した思い出があります。 こちらのトパーズはなんとその田上山で採取されたという酒黄色の巨晶。 大きい,美しい,そして何より結晶形が整っている! 私が田上山に登ったときは目当てのトパーズが採れなかったのでこれはまさに念願の一石であります。 実はこのトパーズ,ただ美しいだけでなく面白いギミックが隠されていました。 それはなんと蛍光性。 短波の紫外線を照射すると,結晶内部に黄緑色の靄が浮かび上がるのです。 結晶の全体像はあくまでも透明であるためその正体を肉眼視することはできませんでしたが,これは何らかの蛍光物質を包有しているということなのでしょう。 まさか田上山産で,しかもインクルージョン蛍光を有する標本に出会えるとは思いませんでした。 ミネラルショーでニチカさんからの購入品です。
宝石 鉱物標本 8 Al₂SiO₄(OH,F)₂テッツァライト
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シャンパントパーズ/黄玉
《当館の2018年投稿アイテムいいね!No.1》 酒黄色なものが広く知られていることから和名で『黄玉』とも称される11月の誕生石です。 現存する所持品の中では最古参の石ですが、現在においても一線級の存在感を放ち続けている私のエース。 石っ子になり初めて手にした宝石質標本がこの石で、現在の方向性を決めたと言っても過言ではない唯一無二の存在であります。 柱面にはアウターファントム的な発達痕が刻まれており、彼の成長過程が一筋縄では行かぬものであったことを伺わせます。 また結晶の形も個性的で、上から見るとハート形にも見えるという他のトパーズには見られない要素も備わっています。 ひとくちにトパーズと言ってもこの鉱物には2つのタイプがあり、副次的に含まれている成分の比率によって次のように区別されます。 ひとつは水酸基が優勢な「OHタイプ」。 もうひとつはフッ素が支配的な「Fタイプ」。 この両者のうち希少とされるのは前者の方で、所謂『インペリアルトパーズ』が属しているのもそのタイプです。 屈折光がより煌びやかで色も濃く、また紫外線による退色にも強いという特徴があります。 こちらは恐らくフッ素タイプの個体ですが輝くシャンパンゴールドがとても美しく、入手して15年以上経過した今でも色褪せは見られません。 これから何十年と先、私がどんなに年を重ねてもこのトパーズには変わらない姿でいて欲しいものです。 #トパーズ
宝石 鉱物標本 8 2004年テッツァライト