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Church'sの茶・その2(ブックバインダーカーフ)
オールドチャーチ最末期の一足で、アッパーの革も同じ英・ピポディ社のブックバインダーカーフ。ただし色はSandalwood=白檀の木の樹皮のような黄土色で、この革特有のグロッシーな質感もあり足元でのインパクトは最強だ。構造もダブルソールの外羽根式の重戦車状態なので、英国靴でありながら専ら無骨なアメリカントラッド系、しかも色合わせ的に金ボタンのネイビーブレザーとついつい一緒に使ってしまいがち。この靴の隠れた魅力は、鳩目の下にある「舌革」がアッパーと袋状に縫合されている「ガセットタン」の意匠。雨や埃が靴の中に入るのを確実に防ぐのだが、チャーチでは昔も今もこのShannon以外には殆ど採用されていない。
ピポディ社 ブックバインダーカーフ Church's飯野高広
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Church'sの茶・その1(アニリンカーフ)
英語名でBrackenなるオレンジ掛かったミディアムブラウン。本来はシダとか蕨の意味だが、これらの葉で草木染めすると類似の色調になるのでそう呼ばれるのだとか。素朴さと気品を兼ね備え、トーンも濃過ぎず薄過ぎず、合わせる服や他の持ち物を選ばない。因みにこの革は、今は亡きイギリスのタンナー・ピポディ社で鞣されたアニリンカーフ。
Church's イギリス ブラウン飯野高広