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SEIKO SEIKO5SPORTS SRPB39K1
新しい「5」が出る都度欲しくなっていた頃に購入。安いけど安物と呼ぶには気の毒なくらい良い時計である。 サテン仕上げの幅広なベゼルがソリッド感を全面に押し出して、それはそれはやり過ぎなくらいに男らしい一本。同型異色のメタルブレス版も持っているが、こちらはラバーストラップである分これでも多少はマイルドにまとまっている。 搭載するキャリバーは「4R36」やはり手巻きがあるのは有り難い。手巻きができるだけで旧来の「5」の弱点は消え失せてしまった気さえする。しかし、そうなると淋しかったりもするのだ。「7S26」の世話が焼ける感じも好きだったりして。 ダイアル自体に全然高級感は無いし、アワーマーカーもぶっちゃけ安っぽい。しかし何というか…まとめが上手。ゴツいベゼルと迫力のあるハンド、印象的なオレンジのダイアルカラーで、じ~っと見ていても飽きない魅力があるのだ。ちなみに視認性もメチャクチャ高い。 私は関西人なので「安くて良いもの」が大好きだ。「あんたコレ幾らに見える?」という質問は関西のマダムが特に好むフレーズだが、「5」の…特に「SPORTS」の時計なら、質問をした相手に「それ安っ!」と言わせることができるだろう。それこそ関西人の至福の瞬間である。
ハードレックス 幅46ミリ SEIKO ラバー砂布巾
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BELL&ROSS BR03-92 Diver BR0392-D-BL-ST/SRB
2017年のバーゼル発表のレポートを読んで文字通りノドから手が出てしまった魔性の一本。「四角いダイバーズって何やねん!」とツッコみながらも一目惚れ。 磨き分けの美しいカレのケースは、その奇抜なデザインとは裏腹に上質な質感を誇り満足度が高い。ビスの一本、裏蓋のエングレービングにも抜かりはない。そしてその真四角な土台に乗る一般的なダイバーズスタイルのベゼルとダイアル。一見すると凱旋門にエッフェル塔を乗っけた初代通天閣のようにお笑い的違和感を醸しても良さそうなものだと思うが、どっこいこの完成度とセンスの良さ。こんなにも「勇気を出して手に入れてよかった!」と思える時計も珍しい。 何気に良くできたラバーのストラップはデザイン面においても見事な一体感を発揮している。デザイン的には本当に隙きがないのだ、この時計。手首にかまぼこ板を乗せたみたいな時計なのに装着性は意外なほど良いし…全くもって不思議な時計だ。 ムーブメントのBR-CAL.302のベースはセリタの「SW300-1」だが、何ら不都合も問題も感じないレベルだ。少しはモデファイしてるのだろうか。ベル&ロスの時計は「エタポン」や「セリタポン」などと揶揄されることが多いが、フランク・ミューラー同様、そういう部分で勝負するブランドではないと私自身は思っている。 私はこの時計から実に多くのことを学ばせてもらった気がする。時計のどこを評価すべきか否かというそれまで曖昧に過ぎなかった基準に、一本の太い柱を立ててもらった気がするのだ。お蔭で買い物に後悔することは少なくなった。と同時に新しい世界が拓けてしまった分、いらぬ苦悩も増えたのだが…
サファイアクリスタル 幅42ミリ BELL&ROSS ラバー砂布巾
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KENTEX MARINEMAN SEAHORSEⅡ S706M-12
防衛省と契約して作られた自衛隊時計で知られる「ケンテックス」は国産にこだわり抜いたメーカーでもある。私が所有しているのは「マリンマンシーホースⅡ」マイナーチェンジ前のモデルだが基本的な性能に変更はないようだ。 ISO6425をクリアした潜水性能を持つ本格ダイバーズだが、MOP使用のダイアルやセラミックのベゼルが美しく、ラグジュアリー・スポーツといった趣がある。ケースデザインなどはクラシカルなのでシティーユースでも違和感なく使えている。 完全日本製ということで手放しに応援したいのだが、だからこそ苦言を呈したい。 まずはサイズ。次は絶対に40ミリ前後で出して欲しいと思う。必ず化けるから!そして発光の鈍い夜光も何とかすべし。ブレスのバックルも価格からすると何ともお粗末。ここをケチると腕時計は途端に安っぽくなってしまうのだから。 色々文句を書いたがそれは応援すればこその気持ち。記念モデルのシーアングラーもサイズが変わらず購入を断念せざるを得ない。搭載ムーブメントと防水性の都合でサイズをシュリンクするのが難しいのは解るが、40ミリ径になればどれだけカッコ良くなることか…日本の時計の未来のために、戦え!ケンテックス!
サファイアクリスタル 幅44.8ミリ KENTEX ステンレス・スティール砂布巾