HAMILTON Lloyd H19412733
偉大な建築家フランク・ロイド・ライトへのオマージュとして作られた「ロイド」は、現行のハミルトンのラインアップの中ではかなり異質な部類に入るだろう。
丸みを帯びたカレのケースに八角形のダイアル。同じく八角形のインダイアルが整然と並ぶさまはどこかしらユーモラスで生物的でもある。そしてこの印象こそ、ロイド・ライトの建築に感じるインプレッションそのものなのだ。
私はもともと建築出身なので「ロイド」の名前だけで「買わなくては!」と思ってしまった。まだそれほど自分に時計コレクターの自覚が備わっていなかった頃のことだ。
因みにこの時計には夜光が全く塗布されていない。なので夜の視認性はゼロに近い。ただ、なぜ夜光を塗っていないかについては完全に理解できる。つまり夜光を塗るとデザインが著しく壊れてしまうのだ。とはいえケースはもちろん、ハンドやインダイアルの縁取り、アワーマーカーに至るまでもがメタルポリッシュでピカピカなので昼間の視認性は十分に担保されている。
ダイアルのギョーシェは細かく上品な光沢変化が楽しめる。リューズも雰囲気を壊さないシックなデザインだ。
レザーストラップは立体的で厚みがあり高級感を感じるが何せ…硬い!未だに手首のアールに沿ってくれないほどに。ここまで硬い理由はなんだろう?
手持ちのマックス・ビルと並べて見ると、デザイナーとして背筋が伸びる心境になる。見ず知らずの私にまで伝わる偉大なクリエイターの知の遺産。やっぱりデザインって素晴らしい!
残念ながらすでにディスコンになってしまったらしい。10年後くらいに復刻しないかなぁ。
ミネラル・ガラス
37ミリ
HAMILTON
レザー(Dバックル)
砂布巾