-
The Korean War
1950年6月25日、中国及びソ連の支援を受けた朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、国境線である38度線を越えて大韓民国(韓国)に侵攻を開始した。朝鮮戦争の始まりである。 北朝鮮軍はソ連から貸与された最新鋭戦車T-34を繰り出し、対戦車装備を持たない韓国軍はなすすべもなく撤退していった。また、この当時韓国軍は1両の戦車も所有していなかった。そのため、開戦後僅か3日で首都であるソウルが陥落、敗走に次ぐ敗走によって8月には韓国軍は釜山まで撤退し、朝鮮半島全域が北朝鮮軍の手に落ち、韓国が消滅するのも時間の問題であった。 朝鮮半島が共産主義国家になるのを恐れたアメリカは、戦後処理のために日本にいたマッカーサーに命じ軍を出撃させた。マッカーサーは、伸び切った北朝鮮軍の補給線を絶つために、陽動作戦の後、9月15日に後方の仁川への上陸作戦(クロマイト作戦)を敢行、これを成功させ反撃に転じる。上陸作戦成功後、引き続き行われたスレッジハンマー作戦により、アメリカ、イギリス、韓国を中心とした国連軍は大規模な反撃を開始、補給線の伸び切った北朝鮮軍を押し返した。戦況は一変し、9月28日にソウル奪還、続けて38度線を突破して北朝鮮領に攻め入った。そして10月20日には北朝鮮の首都である平壌を占領、今度は北朝鮮という国が消滅する危機に瀕した。 北朝鮮が消滅し、朝鮮半島全体が資本主義国家になるのを恐れたのがソ連である。当時、アメリカとソ連はそれぞれの主義を抱えて世界を二分しており、引くに引けない立場であった。かと言って直接対決は第三次世界大戦の引き金となるため、ソ連は朝鮮戦争では北朝鮮軍に対して武器供与に留めていた。しかし朝鮮半島資本主義化が現実味を帯びてきた状況を見て、ソ連は中国に対して北朝鮮を援護するように求めた。ソ連に近しい中国はこれに応じ、表立った正規軍の人民解放軍ではなく、人民解放軍を人民志願軍と呼称し、義勇兵として参戦させた。義勇兵として参戦した人民志願軍は約100万人、有利な装備の国連軍対物量で押す中国軍の戦いが始まった。これにより国連軍は38度線まで押し戻され、再び平壌は北朝鮮が奪還した。 何度も何度も攻勢劣勢が逆転したこの戦いも遂に小康状態に陥り、これ以上の戦争継続は世界大戦を引き起こすというアメリカおよびソ連の危惧の元、1953年7月27日、両国に休戦協定が結ばれるのである。 あくまで休戦のため、未だに戦争は終結しておらず、停戦状態のままである…。 『コリアンウォー』は、朝鮮戦争が勃発した1950年6月25日から戦線が落ち着く1951年5月までの1年間をシミュレートするゲームです。朝鮮戦争自体が攻防の反転が激しく、また中国が参戦してからは全く戦争の様相が変わったため、朝鮮戦争全体を扱ったゲームは非常に少なく、貴重な作品と言えます。また何度も攻勢が逆転する朝鮮戦争の動向がよく再現されており、ベテランゲーマーからは評判が高いのですが、日本では正当な評価がされず、埋もれた名作となっています。1984年にエポックから発売された『朝鮮戦争』が一部団体からのクレームにより発売中止に追い込まれるという事件が起こっており、その後発売されたこのゲームも同じテーマを扱っていたため、避けられたという一面もあるのかも知れません。発表された時代が悪かった不遇の名作と言えるでしょう。 #朝鮮戦争 #クロマイト作戦 #スレッジハンマー作戦 #代理戦争
6本 無し 作戦級 1Turn=1ヵ月 1へクス=12㎞ 1Unit=師団ちょこ大佐
-
Glory Road
「グローリーロード(栄光への道)」は、アメリカ南北戦争での陸上戦闘では最初の大型会戦である第一次ブルランの戦いをシミュレートするゲームです。この会戦は1861年7月21日にバージニア州マナサス付近で行われました。 南北戦争とは、ご存じだと思いますが当時アメリカ大陸で慣習化していた奴隷制度への存続、反対の対立から北アメリカが北軍と南軍に分かれて雌雄を決した市民戦争です。当時は工業化が進んでいた北部と、巨大農場産業が中心(つまり、労働力としての奴隷が必要)の南部とに分かれて戦われました。特徴としては、兵力は少ないが奴隷制が無くなると自分たちの生活基盤が失われるので必死だった南軍と、兵力は大幅に南部を上回っているがイデオロギーの戦いなので今一つ戦いに真剣になれない北軍といった構図でした。兵力差でいったら北部の勝利で短期決着がつく戦いでしたが、上記の兵士の士気の差と、戦争直前に優秀な指揮官が南部に流れたため(有名なリー将軍など)、長期化した戦いになりました。 #南北戦争 #グローリーロード #ブルランの戦い
1本 3W南北戦争シリーズ1 作戦級南北戦争 1Turn=45分 1へクス=304m 1Unit=50人程度ちょこ大佐
-
ファイアパワー(Fire Power)
「ファイアパワー」は、現代のマンツーマンコンバットを架空戦としてシミュレートしたゲームです。オリジナルがアバロンヒルから1984年に発売され、日本語版がホビージャパンより1986年に発売されました。現代戦と言ってもオリジナルの発売が1984年ですから今から35年も前の話です。兵器の世界は日進月歩、10年もすれば装備はがらっと変わりますので位置づけが難しいですね。特に光学索敵系がとんでもなく進歩していますから目視して銃を構えて…という戦術は現代戦としてどうなんでしょうか。 現代戦を扱ったゲームは都度発売され、現在の兵器、戦術のレベルを知るうえで重要だとは思いますが、そのスタンスを失うのも早いので難しいところです。 #現代戦 #ファイアパワー
6本 ? 戦術級現代戦 1Turn=30秒 1へクス=8㎞ 1Unit=1人ちょこ大佐
-
タイタンストライク!(TITAN STRIKE!)
「タイタンストライク」は、SPIから発売されたミニゲームシリーズ”スペースカプセル”の第三弾として発表されました。人類が宇宙に飛び出して早〇年、ヨーロッパ経済共同体と東アジア同盟は、惑星で採掘される資源を巡って競争を激化していました。両軍の衝突が起きたのはメタンガスの大気とアンモニアの海に支配された土星の衛星タイタンです。両軍はこの時が来るのが判っていたかのように密かに持ち込んでいた装甲部隊、歩兵部隊、攻撃用に改装されたスキマーを持ち出し、クレーターで、山で、海洋で熾烈な戦いを繰り広げるのです。 タクティクス28号に付録として付きました。 #タイタンストライク #スペースカプセル
3本 SPIミニゲームシリーズ「スペースカプセル」No.3 戦術級SF機甲戦 1Turn=? 1へクス=? 1Unit=?ちょこ大佐
-
生物調査船パンドラ号の遭難(The Wreck of the B.S.M. PANDORA)
生物調査船であるパンドラ号は、幾多の惑星を回り、貴重な宇宙生物を採取、保存し、その任務を終了し帰還の途についていた。乗組員がコールドスリープで人口冬眠についている間、探査船は自動航法で超高速航法から離脱するその時、事件は起こった。ワープアウトしたその宙域で恒星爆発が発生し、探査船はそれに巻き込まれて壊滅的被害を受けてしまった。船内の電子機器は強烈な紫外線で焼き切れ、主要システムとバックアップシステムの両方が機能しなくなった最悪の状況で、採取した宇宙生物と乗組員は機能を停止した人口冬眠装置から目覚めたのだ。イレギュラーな冬眠解除により、乗組員の意識は朦朧とし、何が起こったのか把握できずにいたが、事態は更に最悪な状況に進んでいた。乗組員の覚醒と同時に、採取した宇宙生物も覚醒し、船内をうろつき始めていたのだ。中には凶悪な生物もいる中、半壊した宇宙船で乗組員は果たして帰還できるのだろうか…。 「パンドラ号の遭難」は、SPIから刊行されたSFファンタジーゲーム専門誌”Ares”2号の付録として発表された、ソロプレイでも遊べる船内探査ゲームです。船内にうろつく危険な宇宙生物を再捕獲または倒し、船体を修理し、主要システムを再稼働しなければなりません。天才ダニガンが作ったSPI全盛期のこのゲーム、面白さ太鼓判です。 #パンドラ号の遭難 #ダニガン #アレス #SPI #SFゲーム
1本 後に続編「パンドラ号の航海」発売 戦闘級 1Turn=? 1へクス=? 1Unit=1人ちょこ大佐
-
The Last Gamble(ラストギャンブル)
1944年12月16日午前5時、幾千もの弾幕射撃がヒトラー最後の絶望的な攻勢の開始を告げた。 この戦いは西部戦線の静寂な地区を第二次世界大戦で最も著名な戦場のひとつ、”バルジの戦い”の場へとかえたのだった。連合軍にとってこの戦いは勝利のまさに前夜における最後の危機となりえるものであり、そしてヒトラー第三帝国にとっては、これは絶対的にこの戦争での勝利の最後のチャンス、ラストギャンブルであった。 「ザラストギャンブル」は、数あるバルジゲームの中でもユニットが大隊~旅団規模でいわゆるビッグゲームと呼ばれるゲームです。デザイナーのダニー・S・パーカー氏はバルジの男と呼ばれるほどバルジの戦いに執着しており、本人もデザイナーズノートでそのことを言っています。確かに、ゲームについているスタディブックは分厚く、執念の研究、緻密内容調査の成果とも言えます。緻密なリサーチによって構築された、”キングオブバルジ”の名にふさわしいゲームと言えましょう。その初期配置と両軍の戦闘序列のヒストリカル性は素晴らしいものです。一部ドイツ軍が強すぎるという評判もありますが…。 #バルジの戦い #バルジ大作戦 #ラストギャンブル #ラインの守り作戦
2本 無し 作戦級 1Turn=12時間 1へクス=3.2㎞ 1Unit=大隊~旅団ちょこ大佐
-
EASTERN FRONT TANK LEADER
「Eastern Front Tank Reader」は、1944年の東部戦線でのドイツ軍とソ連軍の戦いを独特のカードシステムによって再現するゲームです。デザイナーはスコードリーダーのジョン・ヒル。言わばスコードリーダー戦車版ですが、各小隊の行動順番が通常のプレイヤーごとの順番ではなく、プレイヤーが使用する、各小隊名が書かれたカードを使用して、ランダムな順序でフォーメーションを活性化させていく方式になっています。これにより、どの小隊から活性化させ行動させるかが重要になり、優先度が低い小隊から活性するのですがより高い優先度を持つ小隊はそれよりも先に活性化するかそれとも後にするかを選択することが可能です。通常の移動戦闘に加えて行動順番をカードによってプレイするという要素が加わり、戦闘がよりプレイヤーの意思にゆだねられるという、他のゲームでは体験できないプレイ感を味わえます。例えるなら最近の行動順番をチット引きにゆだねるチットプルシステムに近いかもしれません。タンクリーダーシリーズの第一弾である本作がヒットし、続けて第二弾の西部戦線を扱った「Western Front Tank Leader」が翌年発売され、更に第三弾のアフリカ戦線を扱った「Deseet Steel」(1989)まで発売されました。が、そこでシリーズは終了し、当時は斬新だったカードシステムもスコードリーダーのように定番にならず、消えていきました。 #イースタンフロントタンクリーダー #東部戦線
15本 タンクリーダーシリーズ 戦術級 1シナリオ=? 1へクス=150m 1Unit=小隊ちょこ大佐
-
パープルハート(日本語版)
「パープル・ハート」は第二次世界大戦の戦術級の戦闘を扱う1人用ゲーム「アンブッシュ!」を一層楽しむためのセットである。かってないエキサイティングなシステムを用いたこのゲームの中で、あなたが自ら創造する兵士たちの戦術能力が試される。新たな6種類の任務はいずれも危険に満ち、未熟な兵士たちを死地に追いやるべくデザインされている。しかし君の分隊は無駄に「アンブッシュ!」での過酷な戦いを切り抜けてきたわけではあるまい。生き延びた者には名誉の勲章と懐かしい故郷への帰還が約束されるだろう。 「パープル・ハート」は、「アンブッシュ!」シリーズのモジュール第二弾で、新たに6つのシナリオを提供してくれる。また、新たなマップが追加されており、戦場も心機一転、さらに困難な任務が用意されている。 ちなみに、「パープル・ハート」とは、戦場で死傷した兵士に与えられるアメリカ軍の勲章”名誉負傷章”のことである。 #アンブッシュ #ムーヴ・アウト #パープル・ハート #ソリティア
6本 AMBUSHシリーズ 戦闘級パラグラフ方式 1Turn=? 1へクス=9m 1Unit=1人/1輌ちょこ大佐
-
ムーヴアウト!(日本語版)
あなたの分隊に再び活躍の場が与えられた。大戦は末期を迎え、既に勝敗は明らかに見えるが、それ故に一層激しくドイツ兵達は反撃を試みてくる。新たな危険に満ちた任務をやり遂げられるのは英雄と呼ばれるべき人間だけだ! 「ムーヴ・アウト!」はエキサイティングな1人用ゲームシステムによってあなたの戦術的能力を問うものである。4つの新たな任務は臆病者には向かない。しかし「アンブッシュ!」で技量を磨いた強者ならば、必ずやこれを達成できるだろう。 「ムーヴ・アウト!」は、「アンブッシュ!」シリーズのモジュール第一弾で、新たに4つのシナリオを追加してくれます。マップは追加されていませんが、今度はドイツ軍の車両カードが60枚追加されており、ドイツ軍の戦闘車両を相手に激戦を繰り広げることになります。 #アンブッシュ #ムーヴアウト #モジュール
4本 AMBUSHシリーズ 戦闘級パラグラフ方式 1Turn=? 1へクス=9m 1Unit=1人/1輌ちょこ大佐
-
France 1944
「フランス1944」は、1944年7月から45年3月までのフランス北部でのノルマンディー上陸作戦後の連合軍のコブラ作戦、12月のドイツ軍のバルジ作戦、そして連合軍のフランス解放、ライン川を渡河してドイツ本土への侵攻までをシミュレートするゲームです。 #コブラ作戦 #バルジの戦い
1 無し 作戦級 1Turn=? 1へクス=? 1Unit=?ちょこ大佐
-
Kings&Things(魔法の軍団)
ようこそ、「魔法の軍団」のおかしな世界へ。 ここはさまざまな自然におおわれ、魔法に満ち、神秘的な生き物や勇敢なヒーロー、大公や大泥棒がいる世界です。「魔法の軍団」ではあなたは崩壊した帝国カダブの覇権を争う小貴族の役を演じます。あなたに対するのは3人の同様な小貴族で、みな新しい皇帝になりたいと思っています。この偉業を成し遂げるためにあなたはカダブの地に支配を広げ、収入を増やし、あなたに賛同するあらゆる生き物の軍隊を寄せ集め、それを率いる強力なヒーローを雇い、塔や閣、城、そして権力の基礎を固めるために城塞を築かなければなりません。何か質問は?それでは、はじめましょう! 「魔法の軍団」は、簡単なルール、戦闘でエキサイティングなプレイが楽しめるマルチプレイゲームです。マップはカタン同様、六角形のタイルになっており、プレイごとに組み合わせてカダブの地形を作るためにプレイごとに作戦が変わります。登場するカダブの生き物(Things)は非常に個性的で空を飛ぶもの、魔法を使うもの、突撃するもの、絶対に攻撃があたるものなどバリエーションに富んでいます。ユニコーンや殺人ペンギン、首狩り族を率いて、あなたもカダブの皇帝を目指しませんか? #kings&things #魔法の軍団 #カダブ
1 カタン式マルチ 1Unit=1匹 難しいちょこ大佐
-
バトルオブブリテン
1940年7月10日、フランスを瞬く間に占領したドイツ軍は、あしか作戦(英国本土上陸作戦)の準備段階として上陸の障害となる英空軍の殲滅を計画した。いわゆる「バトルオブブリテン」の始まりである。 このゲームはバトルオブブリテン全体を、航空機の空戦、爆撃のひとつひとつからシミュレートしたビッグゲームである。1ターン20秒というスケールからしてその巨大さが伺える。しかし、しかし、幾多のベテランゲーマーがこの巨大な壁に挑んで敗れ去ったことだろう。私も挫けた。 エポックとレックカンパニーのタッグは、このワールドウォーゲームシリーズに多大なる貢献をしてきたと思う。ハズレ無しで名作ぞろいだった。安心して購入できた。そう、ここまでは…。16作目にしてやっちまったな黒田さん。資料を調べてルールやデータを作っているときは面白かっただろうなぁと思う。個々のテストプレイも面白かっただろうなと思う。でも、商業的なアイテムとしては違うと思う。黒田さんも途中で気づいていただろう。ルールブックにもデザイナーズノートにも”決して難しくはない”、”個々のミニゲームの集まり”とか、”最初は夢にも思わなかった”とか、言い訳じみた節が端々に…。でも、ミニゲームを個々に楽しむのは全然無理ではない。キャンペーンゲームに手を出さない限りは。また、SPIの第二次欧州大戦しかり、アバロンのロンゲストデイしかり、このようなゲームは必要だとは思う。資料的価値として、眺めてにやにやするゲームとして。 #バトルオブブリテン
16本 エポック社のワールドウォーゲームシリーズ16 戦略級航空戦(決闘級、作戦級) 1Turn=20秒 1へクス=500mちょこ大佐