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砂漠の狐
「砂漠の狐」は、1941年11月18日から12月の初めにかけてイギリス第8軍とロンメル将軍指揮下の枢軸軍との間に行われた、砂漠の機動戦のゲームである。ちなみに、砂漠の狐(Desert Fox)は砂漠の機動戦において類まれなる才能を発揮したロンメルの愛称である。砂漠の戦いは海戦同様明確な戦線というのは意味をなさず、機動戦となり、占領した土地の広さで勝敗が決するのではなく撃滅した敵の数や占領した拠点が勝敗を決するもの。北アフリカ戦域はシミュレーションゲーマーにとっては昔から魅力的なシチュエーションであり、そのロンメルのキャラクター的な魅力もあって数多くのゲームが作られている。使用するユニットも多くなく、初心者にも遊びやすいテーマでもある。北アフリカ戦域はロンメルという英雄を生み出したが、果たして本当にドイツは北アフリカに戦力を投入する必要があったのだろうかと常に思う。最初はヒトラーはイタリア援助のために、少しだけ北アフリカで防衛してくれればと考えていたと思うのだが、なまじ天才ロンメルが生まれてしまったために戦闘を継続せざるを得なくなって、貴重な戦力をその後も投入することになってしまったのではないかと。その貴重な戦力、そして戦闘指揮の天才ロンメルがそっくりそのまま東部戦線に投入されていれば、もしかしたら歴史は少しは変わっていたのかもしれない。いや、そうしたらロンメルという英雄は生まれなかったかも。 #砂漠の狐 #ロンメル #アフリカ軍団
1 エポック社のワールドウォーゲームシリーズ3 作戦級 1Turn=1日 1へクス=3km 1Unit=大隊~旅団ちょこ大佐
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日露戦争
明治37年2月から約1年半に渡って戦われた日露戦争は、世界史上初の近代戦である。この「日露戦争」は、鴨緑江会戦からその一年後の奉天会戦までを扱っている。戦略級のゲームで陸海空の陸戦と海戦(空戦はまだこの時代対地支援という概念が無かったため行われていない)を扱っていながらルールも簡潔で非常にプレイしやすい。明石大佐の秘密工作までルール化されているのがデザイナーのウイットが感じられてグッドジョブである。初心者がプレイするのに最適。どのようにユニットを移動、戦闘させればいいのか学べる。ちなみに私はこのゲームでユニットの動かし方を学んだ。初心者の私が何度もベテランとこのゲームで対戦して、一度も勝てなかったのが懐かしい。 名作。 2001年のコマンドマガジンジャーナル#40で再録、2010年に国際通信社ジャパンウォーゲームクラッシックとして再販されている。 #日露戦争 #エポック
1 エポック社のワールドウォーゲームシリーズ2 戦略級 1Turn=1ヵ月 1へクス=10km 1Unit=旅団~師団ちょこ大佐
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独ソ電撃戦 ミンスク’41
1941年6月22日、ドイツ及びその同盟国は300万の兵士を率いてソ連を壊滅させるためにソ連西部の国境線から進撃を開始した。いわゆる”バルバロッサ作戦”の開始である。ドイツは装甲集団を中心にお家芸の電撃戦を展開し、一路モスクワを目指した。このゲームはその作戦のうち、グデーリアン将軍率いる中央軍集団の進撃をテーマとしたゲームである。エポックとレックカンパニーが満を持してSLG業界に参入した第一弾。そのため、今から見ると随所に意気込みが感じられる。ルールブックのヒストリカルノート(このゲームでは歴史概況)も非常に力が入っていて良い。今だから言えることだけど、日本のSLG黎明期に、エポックとレックカンパニーが果たした役割は非常に大きいと思う。 傑作。 2004年にコマンドマガジンジャーナル#57に再録。 #独ソ電撃戦 #バルバロッサ作戦
1 エポック社のワールドウォーゲームシリーズ1 作戦級 1Turn=1日 1へクス=12km 1Unit=師団ちょこ大佐