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嵐電モボ621形電車
嵐電では1980年代以降、在来車両の代替にあたって、車体については新規に製作し、搭載する機器・部品類については代替対象となる車両から可能な限り流用するという手法を採ることになった。その嚆矢となるモボ501形電車は、近代的な外観と嵐電初の冷房車となったことによりサービスレベルを大いに向上させたが、バスを参考にして採用した独特のドア配置(乗車口を車体の中央寄りに設置)は、車内での乗降客の流動に支障をきたす面もあった。このため、モボ501形については僅か4両を登場させるにとどめ、乗降口を車端に寄せて前面造形もより洗練されたデザインに改めることとなり、この方針のもとで登場したのが、モボ611形電車・モボ621形電車・モボ631形電車である。 3形式の違いは、機器類の流用元となった車両の形式の違いによるものであり、車体の基本寸法やデザイン、或いは走行性能をはじめとした運転取扱の点を統一することにより、合理化にも寄与するものとなっている。 このうち、モボ621形は3形式の中では最も早い1990(平成2)年の登場で、モボ121形電車を種車としている。車体前面では、モボ501形において窓下部に配された前照灯を旧来の窓上中央部設置に戻し、中央ピラー支持による大型の2枚窓と角形の標識灯、丸妻でありながら角張った印象を与える造形が近代的なイメージを与えている。側面では前述の通りドア配置を改めたほか、ドア直近の側窓下には乗降口表示器を、幕板中央部には行先表示器をそれぞれ設置している。 なお、同時期に登場しているモボ21形電車は、モボ621形同様にモボ121形より機器類を流用して製作しており、車体の内外装をレトロ調に仕立てた車両である。 #嵐電モボ621形
鉄道模型 MODEMO 1両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
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嵐電モボ101形電車
元々は1929(昭和4)年に製造された車両であり、半鋼製で重厚な印象を与える作りの車体を持っていた。1968(昭和43)年に新製台車への交換を行った後、1975(昭和50)年に実施した車体更新により、モボ301形と同様の車体と台車を持つに至った。 嵐電では経営合理化と車両の近代化への要求に即するため、モボ101形以降も在来車両の多くの機器類を流用する形での車両代替を長く進めていくことになるが、本形式は車両の更新という扱いであったため、各車が更新工事前の形式・車号を引き続いて名乗っている。車体更新に合わせて、集電装置のZ形パンタグラフ化が行われたのをはじめ、1990年代に至るまでワンマン運転対応工事や冷房化といった各種の改造工事を重ねていった。 上半分がベージュ、下半分が緑のいわゆる“グリーンベージュ”と呼ばれる車体塗色と3枚窓の前面が、伝統的な嵐電スタイルの電車として親しまれている他、各種の広告・PRカラーを纏った姿の車両も現れて活躍を続けている。 #嵐電モボ101形
鉄道模型 MODEMO 1両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)