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叡電デオ900形電車“きらら”
鞍馬方面の観光客輸送が大きな比重を占める中、乗車する事や沿線の景色を楽しむ事に重点を置いた車両として、1997(平成9)年とその翌年に1編成ずつが登場した。 車体外部の塗色は下部を白(アースベージュ)としつつ、上部は沿線の紅葉をイメージさせるカラーが選ばれ、先に登場した編成では赤(メープルレッド)、後に登場した編成ではオレンジ色(メープルオレンジ)に塗り分け、白色部分との境に金帯を配している。 車内は2+1配列のクロスシートを基本としながら、中央部には外向きとした8席のシートを設けた他、側面においては大型ガラスの採用は勿論のこと、屋根肩部には天窓を設置し、側扉の窓も可能な限り下方まで広げたものとして、上下方向も含めた眺望性の向上が図られている。 また、前面は平面ガラスを用いた多面的な構成とすることにより、車内からの眺望性向上のみならず、車外(沿線)からこの車両を見た時に陽光を受けて光り輝く効果を狙ったものとしている。この光り輝く様子を現す「きらきら」の語と、沿線に所在する古道・雲母坂の名称から、“きらら”の愛称が与えられた。 走行関係機器類は概ねデオ800形に準じているが、集電装置にシングルアーム式パンタグラフを採用したり、補助電源装置には京阪からの譲渡品ながら静止形インバータ(SIV)を採用するなど、装備品のレベルアップがなされている。 なお、鞍馬線開通90周年事業の一環として、赤い塗装(メープルレッド)の編成は、新緑のもみじをイメージした黄緑色(メープルグリーン)の塗装に変更され、“青もみじきらら”として運行されている。 #叡電900形 #叡電きらら #青もみじきらら
鉄道模型 KATO 6両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
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営団500形電車グループ
丸ノ内線の第一世代にあたる車両で、その最初の区間(池袋・御茶ノ水間)が開業した1954(昭和29)年に登場の300形を皮切りに、300形と同様の両側運転台付ながら車体の屋根構造や台車を改良した400形が1956(昭和31)年に、その400形をもとに片側運転台付とした500形が1957(昭和32)年に、更に当初から運転台無しの中間車とした900形が1965(昭和40)年にそれぞれ登場しており、この中で最も車両数が多いのが500形である。 走行機器類はニューヨークの地下鉄で採用していた物を参考として設計され、応荷重装置付の多段式制御装置、発電ブレーキ付の電磁直通空気ブレーキ、WN式カルダン駆動方式等を採用して、日本における高性能電車の先駆者的存在となった。 車体についても客用扉は両開き式とし、字幕式方向幕、室内の蛍光灯照明や有圧式軸流送風機(ファンデリア)といった新機軸を採用し、何よりも屋根まで塗られた赤色(スカーレットメジアム)にステンレス製の正弦波曲線を描いた白帯という外部塗色は、その装備に勝るとも劣らぬ斬新なものであった。 なお、6両運転の恒常化により運転台が不要とみなされた車両については、後年の更新工事でこれを撤去している。 #営団500形
鉄道模型 KATO 6両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
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営団6000系電車
耐用年数が長く保守性に優れ軽量化された電車を目指して設計製作され、1968(昭和43)年の第一次試作車及び翌年の第二次試作車の登場を経て、1971(昭和46)年に量産車が登場した。その新規開業には間に合わなかったものの、当初より千代田線用の車両として計画され投入されている。 制御方式には、従来の電車の言わば常識であった抵抗制御と比較して、制御装置の簡素化と保安度の向上、並びに電力回生ブレーキの採用と合わせて電力消費量の削減が図れるチョッパ制御を電機品メーカーと共同して研究開発の上で採用。 車体についても軽量化を追求すべく、5000系電車で試験的に導入したアルミ合金製車体を本格導入するものとし、構造の見直しによって更なる軽量化を達成した他、耐用年数の延長に伴う陳腐化を回避する狙いから、前面は天地方向に拡大した運転台窓と細長い車掌台窓、そして窓をなくして車内側に非常脱出用階段を仕込んだ貫通扉を左右非対称に配した画期的なデザインとなった。 その後の営団のみならず国鉄・他私鉄の電車にも大きな影響を与え、設計当初の狙いに違わず長く活躍した。 #営団6000系
鉄道模型 KATO 10両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
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東急7000系電車
東急傘下の車両メーカーであった東急車輛製造は、5200系電車の製造を手始めとしてステンレスカーの製造に力を入れることとし、1959(昭和34)年には米国ペンシルベニア州のバッド社との間でオールステンレスカーの製造に関する技術提携を締結。1962(昭和37)年にその第1号として、即ち日本初のオールステンレスカーとして登場したのが本形式である。 オールステンレスカーとは車体を構成する部材のうち、強度維持の関係で鉄製のままとせざるを得ない枕梁や連結器梁等を除き、骨組から外板までステンレス鋼を用いて製作した車体を持つ車両のことであり、製造にあたってはスポット溶接や反転艤装等の技法やこのための生産設備が新たに導入されている。 製作技術面以外には、営団地下鉄日比谷線との直通運転に用いることが念頭に置かれたことから、その規格に適合させる必要があり、寸法面では従来の車両と比べて車体幅が拡げられる一方、車体全高が抑えられた(同時に床面高さも下げられている)ことから、屋根のカーブがきつく見える特徴的な外観となった。 前頭部は貫通式で、字幕式の行先表示装置が貫通路上部に設置され、前照灯と後部標識灯は左右窓下に設けられた同一の台座内に配された。なお、左右窓上の急行表示灯は、地下鉄直通運転の開始と相前後して急行列車にも投入されるようになった経緯により追設されたものである。 側面の扉・窓の形状や配置は6000系電車に倣ったものであるが、前述の工法並びに寸法上の相違によって視覚的な印象は大きく異なるものとなっている。 走行機器類においては、台車にバッド社由来のいわゆるパイオニア形を採用した点が特筆され、車体のオールステンレス化と併せ、車両の軽量化並びに保守作業の負担軽減に大きく寄与している。 また、台車に関したところでは、6000系で試みられた1台車1電動機2軸駆動や5000系電車以来の直角カルダン駆動方式は採用されず、東急も含めた日本の鉄道で標準的となっていく1台車2電動機装架による平行カルダン駆動方式が採り入れられた。 制御装置と主電動機については、6000系の量産車両に導入されたものを踏襲した東洋電機製造の製品が採用されたが、増備の進展に伴って日立製作所の製品も加えられている。 1987(昭和62)年以降、室内更新工事を発展させる形で、制御方式や走行機器類の一新、冷房化の施工といった大規模な改造工事が開始され、これらの車両は形式も7700系へと改められた。 但しこの工事は全車両には及ばず、そのまま弘南鉄道をはじめとする地方私鉄向け譲渡車両となった仲間も多く現れた。これらの車両譲渡に際しては、冷房化改造や電車線電圧の昇圧を実施した私鉄もあり、本形式は東急のみならず他私鉄での車両・設備のレベルアップにも大きく貢献したと言える。 #東急7000系 #東京急行電鉄
鉄道模型 KATO 8両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
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近鉄10100系電車“新ビスタカー”
名古屋線の軌間拡幅により名阪間直通特急を運転することとなり、これのために1959(昭和34)年に登場した特急用車両。前年に登場した10000系電車に続いて2階建て車両を採用しつつ、車体外観から内装に至るまで見直しを行ってより洗練された姿となった。先頭車両には異なる二つの形状があり、特急列車の風格を示すに相応しい非貫通流線形の車両と、列車の分割・併合あるいは車両の増結・解放に便利な貫通構造の車両とがある。 #近畿日本鉄道 #新ビスタカー #近鉄10100系
鉄道模型 KATO 9両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)
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阪急6300系電車
従来の2800系電車に代わる京都線の特急列車用として1975(昭和50)年に登場。 車体は、車内における居住性の更なる向上を目指し、乗降扉の位置を車端に寄せて立客と着席客の空間の分離を図ると同時に、クロスシート席の増加を達成させたほか、外部塗色は阪急電車の伝統カラーと言えるマルーンを継承しつつ、初の試みとして屋根肩部分にアイボリー塗装を施した。 また、前面は本形式と同年に登場したチョッパ制御の長期実用試験車である2200系電車同様、行先と列車種別の表示装置を左右の窓上部に振り分けて配置し、標識灯は尾灯と通過灯と分離した上、左右の窓下部へ各1灯ずつ設置している。この標識灯の周囲にはステンレス製の飾り帯を配し、前述した車体屋根肩部のアイボリー塗装と併せて特急車両であることのアピールとしている。 制御装置や制動装置、台車等、走行機器類については5300系電車に倣っているが、運転台においては2200系同様のワンハンドル式主幹制御器(いわゆるワンハンドルマスコン)を採用し、運転台周りの機器配置の簡素化と作業環境の向上が図られている。 なお、最終増備分の編成は6330系とも称されるが、これは7300系電車同様の界磁チョッパ制御を採用したことにより番号を区分したためである。 その内外装から“私鉄特急界のクイーン”とも称されて人気を集め、後継形式である9300系電車の登場後は、嵐山線の線内折返し列車用に4両編成化し、併せて座席配置を含めた車内の改装を実施した車両や、京阪間の移動需要喚起を目指した観光列車「京とれいん」へと改造された車両が現れ、京都線特急の任を解かれてなお活躍を続けている。 #阪急電鉄 #阪急6300系
鉄道模型 KATO 32両Shijo Electric Railway(四条電気鉄道)