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ゴシェナイト/ゴシュナイト/ゴーシェナイト
ベリル(緑柱石)の中でも無色透明なものを、ゴシェナイトと呼びます。 ゴシェナイトが最初に発見されたのがアメリカ・マサチューセッツ州にあるゴーシェン(Goshen)でした。そのことから地名の一部を取ってゴシェナイトと命名されました。 化学成分から見た見地では、ベリリウムを主成分とするケイ酸塩鉱物に分類されます。 高い屈折率を誇り、ダイヤモンドに近い輝きを有することから、「模造ダイヤモンド」や「ダイヤモンド類似石」として機能していたこともありました。フォールス ネームとしてライン・ダイヤモンドと呼ばれている石はゴシェナイトのことです。 ベリルの中でもインクルージョン(内包物)の少ないゴシェナイトですが、その中でもさらに内包物が少なく無色透明度の高いゴシェナイトは希少なため、高い価値を誇ります。 フォルスネームとは誤った名称を意味します。見た目の似ている、より価値の高い宝石名を意図的に付けることで、消費者に錯覚を覚えさせる目的があります。またこれを転用して、“価値の高い宝石のように美しい”ということを表現する目的で、通称として使用される例もあります。(例:ハーキマー産水晶=ハーキマー・ダイヤモンド) ライン・ダイヤモンド:ゴシェナイトの他には、ガラスやアクリル樹脂などで作られたラインストーンを指すフォールス ・ネームでもあります。
北海道鉱物・クラフト展 2018年11月 ケイ酸塩鉱物Sasaki Aya
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ヘリオドール(ゴールデンベリル、イエローベリル)
ヘリオドールは、ベリル(緑柱石)の中でも、黄色系の色をした石を表す宝石名で、3価鉄イオン(Fe3+)が発色要因の、ケイ酸塩鉱物です。 その色合いから「イエローベリル」、ゴールドのようにも見えることから、「ゴールデンベリル」などと、色名を冠した名称で呼ばれることもあります。 アクアマリンとともに、主にペグマタイト鉱床から産出される、きれいな六角柱状の結晶をした鉱物で、大きな塊(かたまり)で見つかることも多いのですが、宝石質であることはまれです。 1910年(1913年とする説もあり) に、ナミビア西部のエロンゴ州にある、同国最大のウラン採掘場所のロッシング(Rossing)鉱山にて発見され、命名されました。 ヘリオドールは、太陽のように輝くゴールド色をした石であったことから、ギリシャ語で太陽を意味するヘリオス(Helios)と、贈り物を意味するドロン(Doros) を組み合わせた、“太陽の贈り物”という意味の造語として命名されました。 「ヘリオドール」と「ゴールデンベリル」、「イエローベリル」は、厳密には3種とも異なる宝石名である、という考え方も業界の中にはあります。ヘリオドールは黄緑色のもの、ゴールデンベリルは黄金色に見えるもの、イエローベリルは黄色のものとする説です。 しかし、鑑別の際、この3種を分ける線引きはありません。このことが、普及を難しくしているのではないかと思われます。 また、鉄イオンが発色の要因になっているものを「ゴールデンベリル」「イエローベリル」、酸化ウランが発色要因に含まれるものを「ヘリオドール」と区別する説もありますが、明確に分けられないものが多く存在するため、普及していません。 加熱処理することでアクアマリンになります。 こちらのルースはクリーンアイです。 澄んだ黄色です。
3500円 ラクマ 2018年12月Sasaki Aya
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レッドベリル(ビクスバイト)
レッドベリル (red beryl) とは、赤色を呈する稀産の緑柱石(ベリル)である。別名、ビクスバイト (bixbite) 。エメラルドと同じ緑柱石であることから、「赤いエメラルド」と呼ばれることもある。 産出が非常に稀であり1カラットを越える大きさの石がほとんど取れず、採算が合わないため、この石が取れていたアメリカの鉱山は全て閉山した。現在は、かつて産した石が取引できるのみで、それも原石のままでカットなどはなされず、ほぼコレクターズアイテムとなっている。 ロシアでは人工合成に成功しており、それらが市場に出回ることがあるため、大きくかつ無傷の質の良いカットされた石は合成石である可能性が高い。 アルフレッド・エプラー(Alfred Eppler)が鉱物学者のメイナード・ビクスビー(1853年 - 1935年)に敬意を表しビスクバイトと名付けたが、ビスクビアイト(bixbyite)という種類の異なる鉱物との混同を避けるために再びレッドベリルと命名し直した。
3000円位 メルカリ 2019年1月Sasaki Aya