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『暴力脱獄』
1967年アメリカ製作。 スチュアート・ローゼンバーグ監督。 収監された囚人達を不当に扱う刑務所に屈せず、そこから脱走を試みる男の反骨精神を描く、いわゆるアメリカンニューシネマに数えられる作品。 主演はポール・ニューマンで、主人公の姿がどこかキリストに重ねられるような演出が見られるのも印象的です。 BDにはテレビ放映時の吹替え版を収録。 ポール・ニューマンはこの他にも何本も彼をあてている川合伸旺さんで、決して屈しない主人公の姿に惚れこんでいく相方役のジョージ・ケネディはこちらも複数担当している富田耕生さん。 大塚周夫さんはやはりというか、本作中の悪の権化である刑務所所長役。 俳優はストローザー・マーティンで、迷作『怪奇!吸血人間スネーク 』でも担当されています。
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『黄色いロールスロイス』DVD
1964年イギリス・アメリカ合作。 アンソニー・アスクィス監督。 題名の通り、一台の黄色いロールスロイスを巡る群像劇が、往年のオールスターキャストで繰り広げられる名作。 映画は3編に分かれていて、第一部=イギリス、第二部=イタリア、第三部=イタリア~ユーゴスラビアと時代と舞台が移り変わっていきます。 人種や階級を越えた恋愛を主軸としたストーリーと、それを支える名優たちの演技でグイグイと引き込まれていく傑作です。 あちらがオールスターなら、もちろん日本語吹き替え版もオールスターキャスト。 収録されているのはテレビ版吹替ですが、『日曜洋画劇場』放映時に拡大枠で放送されたため、120分に渡る本編のほとんどを吹き替えで楽しむことができます。 映画の内容と合わせて非常にお買い得。 イギリス貴族、フランス貴族、イタリア系マフィア、アメリカの情婦、イタリア南部の色男、アメリカの富豪夫人、ユーゴスラビアのパルチザンなどいろんな階級と人種が入り乱れる作品ですが、吹き替え版もキャストの個性、言葉遣いや演技できっちりとキャラクターが表現されているのも素晴らしいです。 大塚周夫さんは第二部で出てくるイタリア系マフィアの付き人役の吹き替え。 これを演じるアート・カーニーの芝居が表情・仕草と実に表現が豊かで、大塚さんの声もぴったり。 ちなみにアラン・ドロンがイタリア人の青年役で出演していますが、まだ野沢那智さんが定着していない頃なので、堀勝之祐さんが吹き替えているのもポイントです。
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『チキチキマシン猛レース』DVDコレクターズボックス
1970年代に放映され、あまりにもやりたい放題な日本語吹き替え版のおかげで人気作となったハンナ・バーベラ・プロダクション制作のテレビアニメ。 キャラクターの名前も日本語版スタッフによりすべてつけ直されているので、本国のキャラクター名を言える方はかなり少ないんじゃないかと思います。 コレクターズボックスと言いつつ、中身は1000円で売られている通常DVDとなんら変わらないので、特にボックスを買う必要性はありません。 本作のブラック魔王は『ゲゲゲの鬼太郎』のねずみ男と並んで、アニメーションにおける大塚周夫氏の代表的キャラクター。 甲高い「かーみさまーっ!」や江戸弁の「するってーとーっ!」という言い回しは、一度聴いたら脳に焼き付いて離れません。 相棒ケンケンの独特な笑い声も、演出の高桑慎一郎氏とケンケン役の神山卓三氏によって生み出されたというのは有名な話。 ブラック魔王とケンケンが乗るゼロゼロマシンは一度も完走していない、と思われがちですが、ちゃんとゴールテープを切った話もあるのです。 近年リメイクされて有料チャンネルで放送されたとのことですが、その際ブラック魔王はご子息の大塚明夫氏が担当されました。
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『コンタクト』特別版DVD
1997年アメリカ作品 ロバート・ゼメキス監督。 地球外生命体との接触を描く・・・というには難解で複雑すぎる、ジョディ・フォスター主演のSF映画。 家族、宗教、政治、科学、あらゆるものが絡み合い、正直なところ私程度ではとても理解が追い付かない作品でした。 特に後半のワームホールの辺りから完全に置いてけぼりを食らってしまい・・・10年後に再チャレンジしたい映画です。 大塚周夫さんが吹き替えるのは、主人公を支援する末期癌の億万長者。 演じるのはイギリスの名優ジョン・ハートです。 大塚さんが初めてジョン・ハートを吹き替えたのは『ジム・ヘンソンのストーリーテラー』と思いますが、以降複数の映画で担当しており、晩年のFIXと言っても過言ではないでしょう。 ソフト版以外にテレビ東京の吹き替え版が存在し、こちらもジョン・ハートは同じく大塚さんが担当。 ジェームズ・ウッズを息子の大塚明夫さんが吹き替えているので親子共演作でもあります。 2015年1月初頭にお正月特番で放映されましたが、それからわずか2週間ほどで大塚さんが亡くなられるなんて、夢にも思いませんでした。
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『スペースカウボーイ』DVD
2000年アメリカ作品。 クリント・イーストウッド監督。 イーストウッド、トミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド、ジェームズ・ガーナーという四大スターが集ったスペース・アドヴェンチャー。 大塚周夫さんはジェームズ・ガーナーをあてていますが、どちらかというと注目なのはトミー・リー・ジョーンズと未収録の日本テレビ版吹き替えです。 トミー・リー・ジョーンズはソフト版で坂口芳貞さん、テレビ版で菅生隆之さん。 小林清志さんはトミー・リー・ジョーンズの吹替え担当としても有名ですが、本作では実現ならず! その代わりクリント・イーストウッドは山田康雄さんが亡くなられていたため、ソフト版では小林清志さん、そして日本テレビ版では野沢那智さんがそれぞれ担当しています。 あとは日テレ版でドナルド・サザーランドに広川太一郎さん、ジェームズ・ガーナーに青野武さんというのも面白い。 吹き替えファンの知り合いと「もし山田康雄が生きていたなら配役はこうだ!」と語り合ったことがありましたが、その時の結論はこちら↓ ・『夕陽のガンマン』的キャスト イーストウッド:山田康雄 ジョーンズ:小林清志 サザーランド:納谷悟朗 ガーナー:大塚周夫 ・『モンティパイソン』的キャスト イーストウッド:山田康雄 ジョーンズ:飯塚昭三 サザーランド:広川太一郎 ガーナー:青野武 + ジェームズ・クロムウェル:納谷悟朗 もし実現していたら最高の仕上がりだったことでしょう。
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『セブン』BD
1995年アメリカ作品。 デヴィッド・フィンチャー監督。 『エイリアン3』で手痛いダメージを負った(私は好きなんですが)デヴィッド・フィンチャー2作目の監督作品。 ブラッド・ピットの出世作でもあり、衝撃的なラストはあまりにも有名です。 そんな『セブン』ですが、BDではなんと吹き替えが4種類も入っています。 特に吹き替え特化パッケージというわけでもないのにこの仕様! 担当者に熱意があったんでしょうか。 大塚周夫さんはこの作品以外でも複数吹き替えているR・リー・アーメイ。 他のバージョンでも青野武さん、加藤精三さんと素晴らしい方々が当てています。 どの吹き替え版も素晴らしいキャスティングで甲乙つけがたく、好みによって分かれそうです。 珍しいところではテレビ東京版の黒沢良さんによるモーガン・フリーマンでしょうか。
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『バルジ大作戦』特別版DVD
1965年アメリカ作品。 ケン・アナキン監督。 若い戦車兵が合唱する『パンツァーリート』のシーンはあまりにも有名。 本物の戦車が大量に走り回っている画面はまさに圧巻。 カタチが違う? そんな些細なことはどうでもいいのです。 この映画の中では、あれこそがキングタイガーなんですから。 ロバート・ショウ演じるヘスラー大佐を、ブロンソンが部下の安全を保障させるため、わざと怒らせるシーンがあります。 後年『美味しんぼ』で同様のシーンがあり、こちらで大塚さんは怒らせるほうから怒る方に立場が逆転しているのが面白いところ。 テリー・サバラスを大平透さんが担当しているので、どうしてもビッグジョーに見えてきます。
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