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Daddy Long Legs
撮映が始まってから、妻フィリス・ポッターが亡くなるという出来事が起きている。 劇中の各シーン、各ナンバーをどういう順番で撮ったか知らないが、映画冒頭の「History of the Beat」でのアステアの目の力のなさ(でもダンスは完璧)が泣かせる。 アステアの年齢(56歳)に合わせて原作とは設定や流れを少し変えてあるが結末は同じ……という部分に賛否両論を聞くが、個人的にはOKだと思う。 脇を固めるセルマ・リッター、フレッド・クラークもとてもいい。 中締めのナンバー「Guardian Angel」は、どちらが妥協したということではなく、ジャンルとしての「バレエ」、ジャンルとしての「アステア」を超えた素晴らしい融合と美しさだと思う。
1955 ジーン・ネグレスコ サム・エンゲル 足ながおじさんNozomi Shirakawa
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The Belle of New York
フレッド・アステア主演ミュージカル映画31本の中で最後に入手した作品。 VHSは日本未発売で、書籍等に載せられている数少ない白黒写真を見ては悶々と想像を膨らませていたものだ。 自身にもインターネット環境が揃い検索、海外の個人通販で見つけて即クリック! ……いともアッサリと送られてきた時には、喜びよりも肩すかし感と脱力感の方が大きかったことを記憶している。 ロックンロールが台頭してきた50年代初頭に、いかにもミュージカルらしい楽曲を“これでもか”と詰め込んだ意欲作。一般的な評価はそれほどでもないのかもしれないが、マニアとしてはストーリーも併せて楽しい内容。燕尾服もきっちりとご着用、ありがとうございます。 お気に入りのヴェラ=エレンの為か、珍しく様々なカラーリングの衣裳を身につけるアステアが楽しい。
1952 チャールズ・ウォルターズ アーサー・フリード ニューヨーク美人Nozomi Shirakawa
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The Sky's the Limit
戦時下ということで、一応「戦意高揚映画」らしい。 他の何本かの映画でも言えることだが、今作では「踊れないアイドル」を相手役に迎えても文句一つ言わず……かどうかは知らないが、きちんと仕上げてくるのだから、アステアという人の職人気質を感じる(勿論、自身の魅せ場はキッチリと用意されているのだけれども;今回は「One for My Baby」が圧巻)。 途中、罰ゲームとして“踊らされる”「Snake Dance」。 好きでやってると思う。ぜったい。
1943 エドワード・H・グリフィス デイヴィッド・ハンプステッド 青空に踊るNozomi Shirakawa
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Second Chorus
なかなか見ることのできなかった作品の一つだったが、事前の情報として、あのチャップリンの奥方(だった)ポーレット・ゴダートと共演しているというのが驚きだった。 最後を飾るナンバー「Poor Mr.Chisholm(Hoe Down the Bayou)」だけで見る価値のある作品だが、それよりも長年マニアが思いを馳せていたのが、アウトテイクナンバーの「Me and the Ghost Upstairs」だ。 アステアとの共同振り付けとしてクレジットされるハーミズ・パンとの共演ナンバーとされ、その内容について大いに想像力をかきたてられてきた。 これが最近 YouTubeで遂に見ることができたのだが。。。 こりゃアウトテイク(つまりは「ボツ」)にするよな、と うなづきました。ハイ。 (いつも“誰かを想定して”構成を練り、振り付けをしている二人が、いざ自分たちで踊るとなった時に何をどの程度していいかわからなくなった、という感じなのではないだろうか)
1940 ヘンリー・C・ポッター ボリス・モロス セカンド・コーラスNozomi Shirakawa