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Dents The Heritage Collection ペッカリーグローブ
1777年に英国ウースターで創業したDentsは、永年にわたり美しく機能的な手袋を作り続けてきた。 「シークレットフィット」と呼ばれる極上の着け心地は「グローブのロールスロイス」と称される。 本品はそのうち、同社の代名詞ともいえるペッカリーグローブである。ペッカリーは和名を臍豚といい、その実は南米に生息する猪豚のような生き物であるが、この革が非常に柔らかく柔軟性に富み、かつ水汚れにも強く、乾燥しにくいという性質を持つ、まさに手袋にぴったりの素材である。現在はワシントン条約で取引が規制される貴重な素材を熟練の技で裁断し、手仕事によって野趣あふれる中に繊細な着け心地を併せ持つ造形に縫い上げる。本品はさらに、英国のジョンストン・オヴ・エルガン社のカシミヤの生地をライナーとしている。 実際に着けてみると、まずカシミヤの非常なる柔らかさと暖かさに驚く。そして次にはペッカリーの柔らかいながらも適度なグリップに驚嘆するのである。まさに「グローブのロールスロイス」と称されるのも納得である。 但し、これは日本人のDentsユーザーなら誰しもが経験することだが、親指が余るのである。この悩みを解消する術はただひとつ、オーダーメイドの沼に浸かるしかない。
手袋 Dents 2022年蒼樹たけ
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GLOBE-TROTTER サファリ 14インチユーティリティケース
GLOBE-TROTTER社の保有するアーカイブから1920年代のモデルを復刻した「サファリ」シリーズ。 その14インチユーティリティケースが本品である。 現行のスモールアタッシェに比べると少し小さく、また少し厚く作られており、肩掛けベルト用も中の書類フォルダも無いシンプルな作りながら、完成度は非常に高い。 サイズ感は16インチアタッシェに比べ取り回しやすく、また中の底面積はちょうど角2封筒がピッタリ収まるサイズのために13インチのノートパソコンなども収納できる。何よりその厚みゆえ、A5ハード版の書籍にシステム手帳、犬印の道具巻(別項で紹介)、財布にペットボトルを入れてもなお余裕がある。 留め具は中央に1つのみだが、普段使いには寧ろ十分で、また開け閉めもスムーズに出来る。 シンプルな機能性、取り回しの良さ、そして仕事からプライベートまで持ち出せる汎用性の高さ、どれをとっても申し分ない品である。 本品は既に廃盤になっていたところ、青山のヴァルカナイズロンドンに1つだけ残っていたのを偶然にご紹介頂き、手に入れることができた。ありがたいことである。
鞄 グローブトロッター 約130000円蒼樹たけ
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Turnbull&Asser 黒蝶貝カフリンクス
Turnbull&Asserの黒蝶貝付きのボタン型のカフリンクス。 マザーオブパール仕様の同型を所有していたが、夜の礼装用に黒蝶貝仕様の物も入手。台座はスターリングシルバーで、留め部には「T&A」の文字が彫られてある。 付属のケースは仕様変更があったのか、前に買ったマザーオブパールの黒地の大きなものから、紺色のコンパクトなものになった。 煌びやかなタキシードの手元を艶やかに彩ってくれる逸品。
カフリンクス Turnbull & Asser 35000円蒼樹たけ
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Turnbull&Asser チャーチルドット ボウタイ
Turnbull&Asserのチャーチルドットボウタイは、英国首相ウィンストン=チャーチルが愛用した紺地に白のポルカドットのボウタイの復刻版である。 チャーチルがオーダーしたそのままの美しい生地は厚みがあり上品な印象。ボウタイの形はやや大きめだが、コメディアンのような野暮ったさは無く、親しみやすいチャーチルのイメージのような軽快な印象。 礼装にも普段着にもよく合う品である。
ネクタイ,蝶ネクタイ Turnbull & Asser 13000円蒼樹たけ
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Turnbull&Asser ボウタイ
かの007ジェームズ=ボンドも愛用したTurnbull&Asserのボウタイ。 こちらは結ぶとやや小ぶりな形となり、市販されている安価なボウタイに見られるコメディアンのような野暮ったさがない。まさに洗練された逸品である。 夜間の結婚式など、タキシードを着用する場面を彩ってくれる。
Turnbull & Asser 15000円 2022年蒼樹たけ
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Turnbull&Asser チャーチルドット ネクタイ
Turnbull&Asserのチャーチルドットを用いたネクタイ。 英国首相ウィンストン=チャーチルは紺地に白のドットが入ったボウタイを愛好していたことで知られるが、そのボウタイの生産元がこの英国Turnbull&Asserであった。同社はその記念すべきドット模様を、なんと豪華なネクタイに仕立ててしまった。本品がそれである。 ポップでありながらもどこかクラシカルな印象を併せ持つドット模様の生地を、なんと7回も折り込んだこのタイは、分厚くどっしりとした締め心地。当然ネクタイピンはその厚さに対応しきれず、ジャケットの無いシーズンは手洗い時などにぶらつかないよう十全の警戒を要することとなる。
ネクタイ,蝶ネクタイ Turnbull & Asser 2020年蒼樹たけ
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BENSON&CLEGG レジメンタルタイ
金ボタンなどで有名な、英国BENSON&CLEGGのレジメンタルタイ。 レジメンタルタイは本来、連隊旗の意匠を用いて軍隊や学校など所属組織を示すものとして使用されてきた。BENSON&CLEGGではロイヤルワラントホルダーとして、こんにちでも各軍・部隊のレジメンタルタイを供給し続けている。 本品はそうしたレジメンタルタイのうち、英国海軍のタイである。紺地にホワイトエンサインの白と赤のラインが美しい。 3枚目は日本国海上自衛隊幹部学校のタイとの取り合わせ。
ネクタイ,蝶ネクタイ BENSON&CLEGG 10000円蒼樹たけ
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Tricker's 「Regent」
Tricker'sの誇る内羽根ストレートチップの傑作、「Regent」。 どっしりとした革を使い質実剛健なつくりながら、たいへん繊細に縫い上げてあるのは見事。かんぬき部のハーフムーンもクラシカルな雰囲気でとてもよい。 底部はヒドゥンチャネルの艶やかな面が美しく、履いて傷物にするのが惜しく感じる。 ラスト6140は甲が高く外側のカーブが急なため履く者の足を選ぶが、幸い私の足はこのラストにピタリと嵌まった。通例7を履いているが、これについては6.5を選択した。
革靴 Tricker's 約85000円蒼樹たけ
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Wedgwood アレクサンドラ カップ&ソーサー
ウェッジウッドは1759年創業の英国王室御用達陶器メーカー。アレクサンドラシリーズはその中でも特に華やかなシリーズで、鮮やかなラインにプラチナでウェッジウッド伝統のデイジーを描く。 本品は私の「ファーストカップ」ともいえる品で、紅茶の飲み方はこのカップで学んだと言っても過言ではない、思い入れ深い逸品。 じっくりとお茶を楽しむときに用いるのが瑠璃片葉金蝕なら、こちらは簡単なおやつと共にお茶を飲みたいときに傍らにあって欲しい。
カップ&ソーサー Wedgwood 約10000円蒼樹たけ
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Tricker's APPLETON プレーントゥシューズ
トリッカーズは1829年創業のノーザンプトンの老舗で、カントリーブーツが有名だが、実に美しいドレスシューズも手がけている。 ご多聞に漏れず履き始めがとても硬く、最初こそ普段使いに難儀したが、入手後1年を経てすっぽりと包み込むような履き心地となった。 今や日々の頼もしい相棒だが、レザーソールの宿命か、駅や仕事場の廊下で転びそうになることしばしば。また雨の日がお休みとなるのは当然ながら、靴底にチャールズ皇太子殿下の御紋章が付いているので、それを踏みつけて歩くのに若干の抵抗感がないこともない。 願わくば御紋章は側面に付けてくれませんかトリッカーズさん…。
革靴 Tricker's 2020年蒼樹たけ
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CHRISTYS' LONDON パナマハット
1776年創業のイギリスを代表する帽子メーカー。 そのパナマハットである。 産地はエクアドルで、グレードはSUPERFINE。きめ細かく編まれたハットは、恰もソフトハットのようである。 暑さのあまり、ついついYシャツにチノパンというスタイルになりがちな季節、このパナマを被るだけで華やかさを添えてくれるのがありがたい。
帽子 クリスティーズ 約20000円蒼樹たけ
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JAMES LOCK & Co. Hatters コークハット(ボウラーハット)
1676年創業、数多の人々の頭を飾ってきたロックアンドコーの最も有名な逸品。 世界中の「ボウラーハット(=山高帽)」は、同社がウィリアム・コークの注文を受けて作った「コークハット」から始まっている。 ハードハットの異名をとり、非常な硬さを持ちながら、丸みを帯びた優美な曲線は非常にエレガントである。 内側は当然ながらしっかりと作り込まれ、ホワイトのシルク地に金色のロゴマークが輝く。 王道のブラックは礼装によく合うが、ステッキと共に用いたい。
帽子 JAMES LOCK & Co. Hatters 2024年蒼樹たけ
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GLOBE-TROTTER オリエントコレクション 21インチトロリーケース
アタッシェと同じグローブトロッター オリエントコレクションの、21インチトロリーケース。 こちらはケースに2本の革バンドが付き、「これぞ旅のトランク」といういでたち。車輪は2つのタイプで転がすには扱いにくいが、グローブトロッターはやはり古式ゆかしく横のハンドルで手持ちしたい。 中は一切の無駄がないため、下着と替えのシャツ、タオルやトラベル用品を詰めて3泊ほどが適切だろうか。驚くのはこれらに加えて詰め方を工夫すれば旅先の土産もスイスイ放り込めてしまう懐の深さにある。 あまりに美しいため持ち出して傷がつくのがためらわれるが、そうした傷も旅の思い出と割り切れば苦ではなかろう。
鞄 グローブトロッター 2021年蒼樹たけ
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GLOBE-TROTTER オリエントコレクション アタッシェ
象が踏んでも壊れないGLOBE-TROTTERのヴァルカン・ファイバー製のアタッシェに、漆を塗り込んだオリエントコレクションの逸品。 表面のまだら模様は作為的ではなく、紙素材の表面に漆が溜まって出来るもので、それが却って唯一無二の味わいを醸し出している。 艶やかな漆色に金の対比は実に美しく、これは銀や真鍮色ではきっとだめで、金こそがふさわしいような気がする。 ビジネスユースもさることながら、簡単な着替え程度の荷物なら1泊程度の旅にもってこいである。元より日本の素材のためか、西洋式のホテルのみならず日本旅館のしつらえに殊の外よく合うのも魅力。
鞄 グローブトロッター 2020年蒼樹たけ