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コープランド カップ&ソーサ―
イギリス、コープランド社製のティーカップ&ソーサー。 カップのねじり模様や金彩、盛り上げ金、白とターコイズのジュール打ち、鮮やかなネイビーブルーと、いとも豪華で繊細なカップである。 口縁部の金彩が経年使用により剥げているが、その欠点を補って余りある美しいデザインである。 と、あまり褒めすぎると自画自賛で嫌気がさすので、ここで止めにしますが、私の宝物の一つです。 金のバンドからターコイズの連珠が下がる、いわゆる瓔珞(ようらく)文の意匠で、イスラム風を意識した作品の一つ。 19世紀後期から20世紀初頭にかけて、コープランド社ではこのようなイスラム意匠のカップを多く制作した。 余談であるが、このカップを入手してしばらくたったある日の事、ソーサーの模様が何となくターコイズの首飾りをした白熊に見えて以来、白熊の顔にしか見えなくなりました。
19世紀末~20世紀初頭 イギリスM.S
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レモンスクイーズのタンブラー
日本人には少し大ぶりと感じるサイズのタンブラーである。胴下半部にはモールド(型吹き成形)技法が用いられており、底部は10弁の花のような形状になっている。底部にはレモンスクイーズと呼ばれる模様が施されており、ウイスキーなどを注ぐと光の反射が美しく映える。レモンスクイーズとはレモン絞り器のことで、底面のモールドの形状が似ていることからの名称である。底面にレモンスクイーズが施されるのは19世紀初頭の特徴である。
1800年頃 イギリスM.S
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タンカード
タンカードはビアマグを指す語であるが、はたしてこの器がどの様な用途で使用されたのか分からない。 紫掛かった深い藍色のガラスを用いて作られ、金彩で「Love &Live Happy」の文字を入れている。 イギリスの18末から19世紀にかけての色ガラス製品をブリストルグラスと総称している。
1800年頃 イギリスM.S
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ミニアチュール
19世紀の半ば、カメラの普及によって人々は簡単に自身の肖像を残せるようになった。それ以前は絵画に頼るほかなく、一部の裕福な者のみが肖像画を依頼し、画家に描かせる事が出来た。 ミニアチュールとは、非常に小さな画面に写実的かつ細密に描かれた肖像画である。 サインは毛描きで、Herman.1836とあり、1836年にM.Hermanによって描かれた事がわかる。なお、モデルの名も伝わっている。絵は肌の色を美しく見せるため、象牙の薄板に描かれている。
1836年 イギリスM.S
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ソーススプーン
シカモアという木材から削り出されたソーススプーン。ハンドルには容器の縁に掛けるための突起や、装飾的な蕨型の彫刻がされている。また、杯部の背面にはシェル模様も彫刻されており美しい。 シェル模様はもう少し後の時代のシルバースプーンに多用された装飾で、その出現の早い例と言えるかもしれない。 約300年、ひとからひとへ受け継がれ、磨かれて琥珀色となり、トロリとした質感がある。
1700年頃 イギリスM.S
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乳白ガラスのエッグカップ
乳白色のガラス生地で宙吹きし、口縁部をミントグリーンの色ガラスで暈している。 イギリスにおける色ガラス製品の生産はブリストル地方が有名で、イギリスアンティークグラスの世界では、こうした色ガラスの製品は一纏めに『ブリストルグラス』と呼ばれる。 しかし、ブリストル産ガラス製品と断言できるものは案外少なく、色ガラス製品の生産に関しては不明な点が多い。 口縁部に段があり、液体を飲むための物としては不自然な形であったため、調べたところ卵を乗せるエッグカップであることが分かった。 R3.10.22 タイトルを『ジングラス』から『エッグカップ』に変更しました。
1780〜1800 イギリスM.S
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ジングラス
ジンなどアルコール度数の高い酒を飲むために使われたグラス。ステム(脚)とボール(杯)には六角形が連続したようなカット技法である、ファセットカットが施されている。生地は鉛ガラスでやや青味掛かる。
1780〜1800 イギリスM.S
