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In Tweed We Trust/Thee Headcoats
1996年リリース。ぶっといファズ塗れが嬉しい「Everybody's Wiser Now」で幕を開ける。ジャケこそトラディショナルな佇まいですが中々にパンクな勢いを感じる傑作。まさにジャケに書かれた『最高級の英国パンク音楽の仕立て屋』 Toe Ragの素晴らしい録音もあるかもしれないが、ここ2作(今作と「Knights Of〜」)辺りの時期のバンド、特にリズム隊の2人の演奏は脂が乗りに乗ってる絶好調感があります。 日本でのベストアルバムにも収録された「I'm Hurting」もド頭のドラムの入りから最高なんすよね。Toe Ragの素晴らしい鳴りが如何なく活かされた完璧な一曲。ヘッドコーツで一番好きな曲かも。
DAMAGED GOODS DAMGOOD LP.96恥多木人生
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Down On The Road By The Beach/Steve Hiett
1983年リリース、イギリスの写真家でありギタリストのスティーブ・ハイエットの唯一作。こちらは2019年のリイシューです。 邦題は『渚にて…』。 東京での写真展に合わせて制作されたらしく、ムーンライダースやトノヴァンが参加してます。 プロデューサーは立川直樹。関係ないけどこの人がまた昭和の業界人にたまにいる、色んな事に関わってて結局何の人なのかよく分からないけど掘ってくとめちゃくちゃ面白い、って感じの人でいいですね。とにかく文化資本の高い家庭の育ちでね、胡散臭くて。見た目からしてどう見ても怪しいですもんね。で、サミーアンドチャイルドなんだっていう。 めちゃめちゃ脱線しましたが音は最高の黄泉エコーギタリズムです。全く温度を感じないクリーントーンの不気味な響きで奏でられるリゾートサウンド。まさにジャケのこの感じのまんまの音で、このマジで気が遠くなるような暑さの今時期に聴くにはピッタリです。 このジャケは多分5本の指に入るくらい好きなんですけど、中古盤屋で面出ししてあった廉価CDのこれを初めて見た時、完全に一目惚れで即買いしました。吸い込まれそうな真っ青な空と不穏な影。リゾートみたいなものの嘘くささをひっぺ返すような空虚さ。本当のとこ中身はもうちょっとストレートに楽しく聴ける感じでもあるんすけど。 ポートレートブックも付いてるし、別で写真集も買ったけどレコジャケになった時のこの鮮烈さには敵わなかったなぁ。
Efficient Space / Be With Records BEWITH061LP恥多木人生