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石膏
こちらはもう一方の石膏の鉱物標本とは異なり、同じ石膏でもポーランド産の緑色の石膏です。一つ一つの結晶もギリシャ産の物と比べて非常に細かいのですが、このように群晶を形成していますと結構見栄えが良く、色合いも綺麗なため目を楽しませてくれる鉱物標本です。
2001年頃 Gypsum Polandluhna-009
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バビントン石
小さいため見辛いかもしれませんが、黒い立方体の結晶がバビントン石です。黒曜石のように光沢があるため非常に綺麗なのですが、いかんせん小さいのが…。とはいえ、これは国産のバビントン石でして結構気に入っています。カルシウム、マンガン、鉄を含むケイ酸塩鉱物です。
2007年頃 Babingtonite 北浦、島根県八束群美保関町luhna-009
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ウルツ鉱
この鉱物は、見た目はあまり面白くないかもしれませんが、ウルツ鉱と言われる硫化亜鉛の鉱物です。硫化亜鉛には、結晶構造が全く異なる閃亜鉛鉱と呼ばれる鉱物もありますが(こちらは立方晶系の閃亜鉛鉱型構造)、ウルツ鉱は同じ硫化亜鉛なのですが六方晶系の鉱物(ウルツ鉱型構造)です。一般的には、こちらの方が高温で安定な構造を採ると言われている鉱物でして、結晶屋からすると一応手元に置いておきたい鉱物標本だったりします。ちなみに三枚目の写真に写っている少し光沢がある部分、この部分はひょっとしたら閃亜鉛鉱になっている部分かもしれません(形状と光沢を見るとおそらく正しいと思いますが、XRDを測定していないため断言出来ません)。
2001年頃 Wurtzite Mina San Francisco, Poopo, Bolivialuhna-009
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藍銅鉱(アズライト)
これも藍銅鉱の鉱物標本なのですが、この標本は結果的に素晴らしい鉱物標本と言える自慢のコレクションです。幸か不幸か分かりませんが、この標本を作る際に、おそらく藍銅鉱を切断したのだと思いますが、鉱物の断面が綺麗に出ている標本です。おそらくこの球状の藍銅鉱の特徴なのだと思いますが、中心の結晶核から放射状に成長してこの形状が出来ているというのが非常によく分かります。結晶成長のメカニズムを考えれば当たり前の現象なのですが、こうやって実物を見ると本当に良く分かるな…と思いました。まさに百聞は一見にしかずだな…と感じます。そのうち、走査型電子顕微鏡(SEM)を使って、中心の結晶核の周辺をきちんと見て、本当に藍銅鉱の核からの成長なのか確認したいと思っています。
2001年頃 Azurite Bisbee, Cochise Co., Arizona, USAluhna-009
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鋼玉(コランダム:ルビー(紅玉))
これも赤いコランダム(ルビー)の鉱物標本になりまして、結構貴重なアフガニスタン産のルビーです。もう一つのロシア産のコレクションと異なり、パッと見て六角形には見えませんが、歪ではありますが一応六角形の形状を部分的にもっています。また、こちらの方が透明感はありますが、流石に宝石グレード…という訳には行きません。その内、カットしたコレクションも公開したいと思っています(天然鉱物もそうですが、カット石もコレクションしています。)。
1998年頃 Corundum(Ruby) Jagdalek, Afghanistanluhna-009
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鋼玉(コランダム:ルビー(紅玉))
モース硬度9ですから、ダイヤモンドに次ぐ硬さを持つアルミナの単結晶。そしてその中でもCr3+が固溶し赤く発色した物が、ルビーです。これ以外の色のコランダムは全てサファイヤになります。赤いスピネルとよく似ていますが、こちらはこの鉱物標本でも分かるように六角形形状の結晶のため、鉱物の状態ですと比較的見分けやすいです(六角形がしっかり出ていない鉱物も多いので、油断は禁物ですが…)。この鉱物標本、透明感はあまりないのですが、形状がコランダムの特徴をしっかり反映いるため、私は個人的にとても好きです。
2005年頃 Corundum (Ruby) Khit Ostrov, Karelia, Russialuhna-009
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尖晶石(スピネル)
ルビー(赤いコランダム)と見た目は良く似ているのですが、成分(MgAl2O4)も結晶構造(スピネル構造)も違うスピネルと呼ばれる鉱物です。この鉱物標本の形もそうですが、八面体の形をしたものが多く、六角形形状の多いコランダム(ルビーやサファイヤ)では見られない形をしているため、この辺りで判別は簡単に出来るような…。この鉱物標本も八面体なのですが、先端が少し欠けてしまっており…少し残念です。
2001年頃 Spinel Sri Lankaluhna-009
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リシア電気石(トルマリン[エルバアイト])
これもLiを含むリシア電気石の鉱物標本ですが、こちらのリシア電気石は細長いタイプの結晶で、透明感のある鉱物標本です。この細さではカットする訳には行きませんが、カットする事が出来れば宝石になる…かもしれません(笑)。これはブラジル産の電気石です。
2014年頃 Elbaite(Tourmaline) Minas Gerais, Brazilluhna-009
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灰電気石(トルマリン[ウバイト])
これも電気石(トルマリン)ですが、灰電気石という名前の通りCa(灰)を含む電気石です。少し濃い目の緑色の結晶となっており、母岩が白のため非常に目立つ結晶となっています。一つ一つの結晶は小さいのですが、結構気に入っている鉱物標本です。
2013年頃 Uvite(Tourmaline) Brumado, Bahia, Brazilluhna-009
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重晶石
見た目的には、水晶のようにも見えるのですが、水晶とは少し異なり角ばった柱のような結晶です。一塊になっているため、この辺りも水晶とはだいぶ見た目が違いまして、見た目的にも結構面白い鉱物です。これが板状の結晶群になりますと、通称「砂漠のバラ」という鉱物標本になります。
2011年頃 Barite Katanga, Zaïreluhna-009
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キノ石
キノ石はケイ酸塩鉱物なのですが、化学組成としてCaとCuを含む非常に綺麗な青い鉱物です。アップの写真も掲載していますが、透明で光沢のある鉱物は魚眼石、そして青い光沢のない鉱物がキノ石になります。おそらくキノ石だけでは、これ程綺麗に見えないと思いますが、魚眼石が上手にキノ石を綺麗に見せているな…と思うと、なかなか面白い鉱物標本のような…。
2017年頃 Kinoite Christmas mine, Gila Co., Arizona, USAluhna-009
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チャロ石
これは既に研磨済みのコレクションなのですが、チャロ石と呼ばれる光沢+紫色の非常に綺麗なケイ酸塩鉱物です。側面の写真も掲載していますが、側面は研磨していませんので、これがこの鉱物の元々の色合いになります(実は研磨していなくても光沢があるので、結構綺麗です)。ここまで鮮やかな紫色の石というのは珍しいので、結構お気に入りのコレクションです。
2006年頃 Charoite Murun Massif, Aldan, Yakutia, Russialuhna-009
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灰礬柘榴石
柘榴石と言うと宝石のガーネット。ガーネットで有名なのは赤系の物で、Fe(鉄)とAl(礬)を含む鉄礬柘榴石や、Mn(満)とAl(礬)を含む満礬柘榴石、そしてMg(苦)とAl(礬)を含む苦礬柘榴石だと思います。それに対してこの鉱物は、灰礬柘榴石と言いCa(灰)とAl(礬)を含む緑系のガーネット。グロッシュラーガーネットとも呼ばれますが、これはこれで綺麗なガーネットだと私は思っています。カットすると緑色の結構綺麗な宝石に変わりますから、興味のある人は是非宝石屋で見せてもらうと良いかもしれません。
2011年頃 Grossular Garnet Jeffrey Mine, Asbestos, Quebec, Canadaluhna-009
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菱マンガン鉱
菱マンガン鉱は、日本でも幾つかの鉱山跡で採取可能な鉱物なのですが、ここまでの大きさの鉱物標本は中々採取する事が出来ません。一応、岐阜県の平岩鉱山跡でも採取可能なようですが、私が行った時は採取出来ずに悔しい思いをしました。この標本はペルー産の物ですが、非常に綺麗な赤い結晶です。
2014年頃 Rhodochrosite Uchucchacua, Oyon Province, Lima Department, Peruluhna-009
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銀星石
初めてこの鉱物を見た時、なんだか母岩に張り付いて寄生しているような鉱物だな…と思ったのですが、何度も見ていると結構この形が気に入ってしまい、今ではコレクションケースの前の方に鎮座している鉱物です。私が持っている銀星石は小型ですが、大型の鉱物もあるようでして…その内手に入れたいものです。
2007年頃 Wavellite Arkansas, USAluhna-009