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ウルツ鉱
この鉱物は、見た目はあまり面白くないかもしれませんが、ウルツ鉱と言われる硫化亜鉛の鉱物です。硫化亜鉛には、結晶構造が全く異なる閃亜鉛鉱と呼ばれる鉱物もありますが(こちらは立方晶系の閃亜鉛鉱型構造)、ウルツ鉱は同じ硫化亜鉛なのですが六方晶系の鉱物(ウルツ鉱型構造)です。一般的には、こちらの方が高温で安定な構造を採ると言われている鉱物でして、結晶屋からすると一応手元に置いておきたい鉱物標本だったりします。ちなみに三枚目の写真に写っている少し光沢がある部分、この部分はひょっとしたら閃亜鉛鉱になっている部分かもしれません(形状と光沢を見るとおそらく正しいと思いますが、XRDを測定していないため断言出来ません)。
2001年頃 Wurtzite Mina San Francisco, Poopo, Bolivialuhna-009
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辰砂
硫化水銀の鉱物になります。昔はこの赤色を利用して顔料としても使用していました。また現在でも漢方薬の原料として一部使用されているようです。流石に顔料の原料だけあって、非常に鮮やかな赤色をしておりとても綺麗な鉱物です(残念ながら、このコレクションでは一つ一つの結晶が小さすぎ、私の撮影技術ではこれが限界ですが…)。
2009年頃 Cinnabar Cordero mine, McDermitt, Nevada, USAluhna-009
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輝安鉱
輝安鉱というと、愛媛県の市之川鉱山から産出していた大型結晶が有名ですが、非常に細かいこのタイプの輝安鉱も良いな…と思います。このコレクションは、昔ルーマニアに仕事で行った際、首都ブカレストにある国立博物館のミュージアムショップで購入。帰国時、ルーマニアのオトペニ空港(現:アンリ・コアンダ国際空港)の荷物検査で引っ掛りました(笑)。係官には事情を説明して通してもらいましたが、形状がね…武器に見えたのかもしれません。非常に珍しいアンチモンの結晶です。ただ非常に脆い鉱物のため、普段は布で包んで保管しています。
2003年頃 Stibnite Baia Sprie, Romanialuhna-009