お家時間が増え、空間に心地よく香るフレグランスアイテムへの意識が高まる中、和の香り・お香(インセンス)にも注目が集まっています。
明治・大正時代に西洋の香りが入ってきて、だんだんと日常の暮らしで接することが少なくなっていったお香。なぜ今、再び注目されるようになったのでしょう?
「香木」「遊び」「源氏物語」「プロセス」4つのキーワードから、香の歴史を探ります。
日本の香文化は、どのように現代まで継承されたのか? 香の伝道師が語る
香りデザイナーで、パリを本拠地とする香りのスクール「サンキエムソンス ジャポン」代表の小泉祐貴子さんによるフレグランス連載【本物の香りを識るために】の特別企画・第2弾として、2021年11月11日(木)14:00よりオンライン対談を開催。
創業440年の「香十」前社長であり、「青雲」「毎日香」などの歴史あるお線香ブランドを手がける日本香堂・特別顧問の稲坂良弘さんをお招きし、「心ときめく和の香り」をテーマに対談を行います。
1500年続く日本の香文化。何からはじまり、どのように広まっていったのか、そして今の生活とどのような関わりがあるのか。貴重な本物の伽羅香木や香の歴史と深い繋がりのある文献をご紹介いただきながら紐解きます。
今回は特別に、東京・銀座に構える香十の香間にて「聞香」も実演いただきます。なかなか見ることのできない香間の雰囲気をじっくりと味わえるまたとない機会。和の香りや香道に興味のある方、香の歴史について改めて学びたい方、最新の香り事情について知りたい方、ぜひご参加ください!
トーク内容
心ときめく和の香り 〜再注目されるお香。1500年続く日本の香文化を紐解く〜
1. 香間にて聞香実演
2. 香木について 〜仏教伝来と聖徳太子〜
3. 平安貴族とお香 〜香りから読み解く『源氏物語』〜
4. 武家社会とお香 〜日本人の美的価値観を象徴する「香道」のはじまり〜
5. 江戸町人とお香 〜遊びや嗜みとして、お香が広く浸透していった〜
6. 文明開化の明治・大正時代のお香 〜西洋と東洋の香りの交わり〜
7. 昭和から現代のお香 〜お香が再び注目を集める時代へ〜
8. 和の香りの魅力とは?
出演
日本香堂(香十前社長・香文化研究・劇作家) 稲坂良弘さん
早稲⽥⼤学演劇学科卒業。劇団⽂学座(文学座演劇研究所三期)。財団法人現代演劇協会を経て、舞台・テレビの劇作・脚本多数。CMディレクターとしても、300本企画制作。
1982年、「香道」が初めて世界へ向けて実演紹介されたニューヨーク・国連ホールで、舞台の構成・演出を担当。その後、コロンビア大学、UCLA等、米国各大学への「香道」巡演へ。
国内外で香文化発信への取材対応やラジオ番組等各種出演で、メディアから「香の伝道師」と呼ばれる。演劇的に語る各所での講演・講座は満席人気が続く。
440年の香司「香十」前代表。
著書 『香と日本人』(角川文庫)他
香りデザイナー 小泉祐貴子さん
名立たるハイブランドの香水の制作で知られる香料会社フィルメニッヒで、十数年に渡り香りの開発やマーケティングの現場に携わる。独立後は香水のプロデュースや香りのコンサルティング、香りの空間づくりなど幅広く手掛けている。
2020年にパリを拠点とする本格的な香りのスクールの日本校「サンキエムソンス ジャポン」を創立。香りの仕事に携わる人や、香水・香りファンの育成にも力を入れる。
▶︎小泉祐貴子さんのプロフィールを見る
フレグランス連載【連載 本物の香りを識るために】について
当連載では世界トップクラスの香料会社フィルメニッヒで十数年に渡り、香料ビジネスの最先端の現場で世界の香り開発に深く携わってきた小泉祐貴子さんが、「本物の香りを識るために」をテーマに香りにまつわるあれこれを全8回に分けて解説。
ミューゼオ・スクエアの記事では、本物の香りを見極めるための感性の磨き方をはじめ、香りの分類や特徴、嗅覚のメカニズムなどの基礎、時代を動かしてきた権力者たちと香りの関係、近現代の名香やアートとなった香水瓶などの歴史、さらに自分らしい香りを取り入れるための選び方・着け方まで、香水の初心者の方にも分かりやすくお届けします。