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Heliolites sp.
ヘリオリテスは床板サンゴの一種で、和名を日石サンゴといい、日本でも産出する。 現生のサンゴを見慣れた目で見るとサンゴには見えないかもしれないが、ハチノスサンゴにしろクサリサンゴにしろ、化石種のサンゴはだいたいこんな感じの形状だ。 本種はゴトランド島のサンゴの化石の見本として、唯一手元に残ったもの。 見本としてなら、大きくてりっぱなものより、こういう小さいもののほうが扱いやすいが、やっぱりどこか貧相な感じは否めない。 サンゴ、腕足類、コケムシなどは、多くの種を絶滅させながらも、綱レベルでは三葉虫時代から現在まで生きながらえているわけで、その生命体としての強さは驚異的だ。 標本サイズ:75㎜
unknown SIL Gotland, Swedenktr
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Stromatopora sp.
ストロマトポラは和名を層孔虫といい、さまざまな形の群体を形成する。 このゴトランド産のものは、ヘルメットを何層も重ねたような構造で、当地では catskull と呼ばれている由。 これほど見た目がつまらない化石も珍しいと思うが、私はどういうわけかこのつまらなさに惹かれるものがあって、ゴトランド産の各種サンゴ類がことごとく放出の憂き目に会うなかで、なんとか手元に残った数少ないもののひとつ。 これを眺めていると非常にリラックスできる。 この安心感は、これが形状的に胎内回帰の夢を孕んでいるからだろうか。 サイズは幅7㎝ほど。
unknown SIL Gotland, Swedenktr
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Deiphon barrandei
英国シルル紀の産。 私にとってはアイコニックな三葉虫で、レプリカであるにもかかわらず、他の化石に混って殿堂入りを果たしている。 募る一方の化石熱を一気に冷ましてくれた「皆殺しの天使」的存在でもある。 というのも、これの買値が100円そこそこだったので、ほんものを買うのがバカバカしくなってしまったのだ。 レア度は「もしこれがほんものの化石だったら」という観点でつけたもの。
Coalbrookdale Fm. SIL Malvern, Worcestershire, UKktr
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Aulacopleura koninckii
古くから知られている古典的三葉虫でたいていの図鑑に載っている。 古典種だけあって正式名称は長く、Aulacopleura (Aulacopleura) koninckii koninckii (Barrande) という。 今回買ったこの標本は外殻がほぼ剥がれていて、いわゆる内型になっている。 それがちょっと残念な点だが、しかし目だけは脱落せずにくっついているので、これでもってよしとしよう。
unknown SIL Loděnice, Czech Republicktr
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Bumastus ioxus
ニューヨークのシルル紀代表として Dalmanites と双璧をなすもの。 なんの特徴もない三葉虫だが、この特徴のなさが本種の場合ある種の魅力になっている。 じっさいコレクターにも人気があるようで、状態のいいものは出るとすぐに売れてしまう。 ものによっては10㎝近くなるのもあるようだが、私はそんなに大きいのは要らない。 手のひらサイズが本種には相応しい。
Rochester Shale SIL Middleport, NY, USAktr