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Kleistwahr “Do Not”
皆さんはKleistwahr(「クライストヴァール」と読む)を知っていますでしようか? そうです、あとパワー・エレクトロニクスの総本山、英国Broken Flagを主催し、Ramlehとしても活躍するGary Mundyのソロユニットのことです。彼は、このKleistwahrを1982年から1987年まで続けていましたが、2009年に突如再開しており、今までにKleistwahrとして14作のアルバムをリリースしています。一方、Broken Flagも、1982年に、RamlehのMundyとDebbie Thomasによって自然発生的に生まれたパワ・エレのレーベルで、RamlehやKleistwahr, M.B.やMTTなど、当時の初期パワ・エレ/インダストリアル作品を主にカセットでリリース、約100作以上をリリースしていましたが、1988年にレーベル活動はストップ。しかしながら、1994年には復活しています。加えて、MundyはKing Krown & KountryやEven When It Makes No Senseと言ったファンジンも出版していました。(KleistwahrとGary Mundyのバイオグラフィーニについてはまた今度まとめます。)それで、本作品は、Kleistwahr名義の4作目”Do Not”の再発なのですが、実は、2014年より英国Fourth Dimensionsが開始したGary Mundy/ Ramlehサポート・シリーズの一貫なんです。そんな歴史あるGary Mundyのノイズ・ユニットの一つKleistwahrの”Do Not”なんですが、曲名は無く、片面に1曲ずつ長尺の曲が収録されています。内容はと言うと、パワ・エレではなく、どちらかと言うと「実験音楽」的ノイズ・ミュージックであると言えます。レコードの針飛び音とループ、オルガンやギター等の楽器音、またはナレーション等の音声の断片や非楽器による音等が無造作に放り込まれて、継ぎ接ぎされており、パワ・エレ独特のヴォイスや重厚な電子音なんかは皆無です。多分、MundyがRamlehとは異なったアプローチを試みたかったので、このKleistwahrを始めたと想像します。それで、音的にも全く異なっていたのは自明の理なのでしょう。Kleistwahrも作品は多数出ておりますので、段々と音の方も整理されていきますが、まあ、初期の頃は、このような「実験ノイズ(良く言って、ミュージック・コンクレート)」であったのを知るには良い作品ですので、興味のあるノイズ・リスナーさんは聴いてみても良いでしょう❗️ https://youtu.be/kW5QDh8rbvI #Kleistwahr #DoNot #FourthDimensions #BrokenFlag #Reissue #LimitedEditions #300部 #GaryMundy #SoloUnit #Ramleh #Experimental #Noise #NoiseMusic #MusiqueConcrete
Experimental Noise Fourth Dimensions (Broken Flag) 2500円Dr K2
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Aboriginal Voices “Instant Music”
今回は、1980年代初頭に活動していたスイスZurichデュオAboriginal Voicesについて紹介します。アルバムは”Instant Music”と言うタイトルで、2022年に再発されたものですが、彼等が活動していた1982年に、リリースされていたEPと同名のカセットに収録されていた曲及び未発表曲をコンパイルしたものが、今回のアルバムの内容になっています。メンバーはMicheline Pfister (Synth, Vo)とWüsteことHeinrich Zwahlen (Drum Machine, G, Vo)の男女2人組ですが、どうもPfisterの方は、モデュラーシンセも使っているようです。彼等については殆ど情報が無いですが、ライナーノーツを調べてみました。元々は、2人とも正統な音楽教育を受けていたらしいのですが、Wüsteはヴァイオリンを習っており、ジャズを学んでいました。その後、プログレ・バンドに加入しますが、英国のパンクムーブメントの影響を受けて、彼はZurich最初のパンクバンドNasal Boysに加入、当時は、女性バンドKleenexなんかと対バンしていたようです。ただZurichはダダイズムが盛んだったこともあり、単に3コードパンクにはならず、ミニマルな音楽志向が強かったり、若者の不満の爆発もあったようです。それと同時に「何をやっても自由」と言う風潮もあり、同時としては日本製の電子楽器等を使ったバンド(Kreaftwerk, DAF, Yello等)もZurichでは流行っていました。一方、女性メンバーのPfisterはクラシック・ピアノの教育を受けており、また、早くから家を出ており、街の最もホットなブティックであったBoosterで、照明関係の仕事をしていました。彼女は既に、WüsteとDoobie Doosと言うバンドで一緒で出したが、1980年に、彼等2人と、後にUnknownmi Xとして有名になるMagda Vogelと共にAboriginal Voicesが結成されます。Vogelは最初だけで、声楽家としてトレーニングを受けることになります。それでデュオになった2人はとにかく何でも自分達だけでやろうととして、Wüsteがギター、Pfisterはシンセ (Yamaha CS40M, CS-01, Roland SH-101)を担当し、ライブでも録音したテープは使用せず、ドラムマシンにはLinn Drumを、シーケンサーにはRoland MC-4Bを使い、モデュラーシンセRoland System 100Mを走らせていました。また、照明装置との同期の為に、自作のインターフェースを作成して使用していました。それで、1982年に1枚のEPと2本のカセットだけをリリース。その後、Wüsteは、米国NYCに移住しており、Aboriginal Voicesは解散となっています。それで、後に、バンドElement of Crimeのリーダーであり、独の有名な音楽ライターでもあるSven Regenerが、Aboriginal Voicesのことを再評価したのがキッカケで、今回、NYCのWüste自身がエディットして、本作品がリリースされたと言う訳です。 それで内容なんですが、流石にこれだけの機材を揃えているので、単なるミニマル・ウェーブではないですし、曲もそれなりに展開があるシンセ・ウェーブ(エレ・ポップ)で楽しめます。時代なんでしようか、A1 “Automatic”なんかは、ちょっとだけPlasticsにも似てますね。また、やや低音でドイツ系女性らしいPfisterのヴォーカルが何とも魅力的で、キッチュな曲にマッチしています。しかしながら、演奏写真で、Roland System 100Mと言う箪笥のようなモデュラーシンセを操っている彼女の姿は、凄くカッコいいですよね!そんな隠れたスイスのシンセウェーブAboriginal Voicesのアルバムを一度、聴いてみませんか‼️ハマるかもよー。限定300枚なので、お早目に! A3 “Gardens of Delight” https://youtu.be/dasL3uQEZw0 A5 “Distant Star”” https://youtu.be/Dh9Ebikrdts B1 “Switch’N’Play” https://youtu.be/Q8a7C-ds07M B3 “My Destination” https://youtu.be/2y1UizVJjjY B5 “Instrumental” https://youtu.be/dy9V91SgAu8 EP (B2 “Le Jour L'Ennuie”, A2 “Loops”, A1 “Automatic”, A4 “Equal” B4 “Use It”) https://youtu.be/FArK0j9NwcU #AboriginalVoices #InstantMusic #BillbrookRecords #Reissue #LimitedEditions #300部 #SynthWave #ElectroPop #Switzerland #Zurich #1982 #MichelinePfister #Wüste #HeinrichZwahlen #Synthesizers #DrumMachine #Vocals
Synth Wave Billbrook Records 4400円Dr K2