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Akira Sakata & Jim O’Rourke with Chikaramochi & Merzbow “すっ飛び篭”
この組み合わせは結構、興味深いな。ミジンコ研究も行うジャズ界の小さな巨人坂田明さん (altoSax,Vo)と神出鬼没で現在、日本在住のJim O’Rourkeさん(G, harmonica, electronics)のコラボに、更に、ChikaramochiことChris Carsano (Drs)とDarin Gray (double B, Perc)及びノイズ・ゴッドMerzbowの秋田昌美さん(noise electronics)が加わったブツです。もうメンツについてはバイオグラフィーはいいでしょう。LPの片面づつ、それぞれPart 1からPart 4までが2枚組LPとして収められています。Part 1では坂田さんのジャジーなSaxに、JimさんのプリペアードGが絡んできて、徐々にChikaramochiのドラムやベースが、そして控えめではあるが秋田さんのエレクトロニクスが絡んでくると言った展開になっております。JimさんのGは段々と痙攣したフリーキーなものになっていき、大円団を迎えます。Part 2は最初はJimさんのと思われるプリペアードGから静かに始まります。次第にヴァイオリンらしき弦楽器の音と秋田さんのサンプリング・ノイズらしき音或いはJimさんの歪ませたGの音で盛り上がったところで、静かに坂田さんのクラリネットが立ち昇ってきて、次第にChrisのDrsがジャジーに絡んできますが、鎮静化してフェイドアウトしていきます。Part 3は激し目のDrsとBと電子音に加え、朗々としたサックスとファズと掛かったギターが最初から5つ巴になって鳴り響きます。私的には、このテイクが本作品の白眉だと思います。Part 4は坂田さんのSaxの嵐のような独奏からChilaramochiのDrsとBは.そのに絡む電子音。次第にMerzbowと思われるハーシュノイズと坂田さんの唸り声になっていきます。果てはドラムンノイズになっていき、大円団のなります。 全体的にジャズ色が強いのですが、Part 3や4になってくるとジャンルレスな即興ノイズ的になってくるので、ノイズファンにも好まれそうです。また、ちょっと検索したところ、Chikaramochiの2人は以前より坂田さんやJimさんと度々セッション・アルバムを作ってきており、今回が初めてではなかったようです。とすると、Merzbowがその中で異化作用をもたらしたのでは?と想像します。ロックもジャズも取り込んだそんなフリーな音楽が本作品に詰まっています。もし、そのようなジャンルのボーダーを越えた音楽に興味があれば、是非とも聴いて頂きたい❗️マスト❗️ https://youtu.be/3GpdODzdTL4 #AkiraSakata #JimO’Routke #Chikaramochi #Merzbow #FlyingBasket #坂田明 #すっ飛び篭 #FamilyVineyard #Improvisation #FreeJazz #Electronics #Sax #Guitar #Drums #DoubleBass #NoiseElectronics #Harmonica #Voice
Improvisation / free jazz / Noise Family Vineyard 不明Dr K2
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Yasunao Tone, Talibam! Sam Kulik “Double Automatism”
刀根康尚 (Nasunao Tone [音楽家])、Talibam! (Kevin Shea [Drs]とMatt Mottel [Kbd])、Sam Kulik (Trombone)の3者による電子音楽のハードコアな作品が、本作です。少しだけ各人のバイオグラフィーを書いておきます。刀根康尚は米国在住の音楽家で、千葉大国文学専攻で、同大卒業。その後、一柳慧の紹介で知り合ったGeorge Maciunasの誘いで、Fluxus運動に参加、小杉武久、塩見允枝子らと即興音楽集団「グループ音楽」を結成、またHi-Red Center, Team Randomにも参加。後者は日本初のコンピューター・芸術集団でもあります。1972年に渡米し、John Cageらとも交流しています。刀根氏の音楽作品では、CDの盤面に意図的にキズを付けて、エラー再生によるディストーションを発生させるプリペアードCDを使うのか有名。一方、Talibam!はNYCのデュオ(始めはトリオだった)で、フリージャスドラマーのKevinと映像アーティスト兼パフォーマー兼作家のショルダーシンセを使うMattから成り、ジャズ、テクノ、即興、ノイズなどのジャンルを飛び越えて活動しています。2019年には来日しています.最後にSam Kulikは、2004年にNYCに移ってきたトロンボーン奏者で、New York Soundpainting Orchestraで演奏していましたが、それ以外にも多くの即興演奏家と対峙して来ています。 本作品は、以上のような3組4人が織りなす即興演奏の記録です。基本的には、刀根氏のmp3音をPCで加工した音を元に、他の3人の電子音やトロンボーンが絡みついたり離れたりという構成で、脳内を擽ぐる電子音がくすぐったいですが、Mattのシンセ音もいい感じに交わっており、時折り聴こえるSamのトロンボーンにもユーモアがありますね。A面が”Op Apsis”1曲、B面も”Spome Trope”1曲ですが、全然長いと感じませんねぇ。個人的にはB面の方が好きですね。でも、甲乙付け難いです。そんな一風変わった即興演奏と現代音楽のクロス・ポイントを体験してみては如何ですしようか? “Op Apsis” https://youtu.be/QS7T2I3lrzk #YasuaoTone #Talibam! #SamKulik #DoubleAutomatism #Karirecords #刀根康尚 #KevinShea #MattMottel #SamKulik #PC #Synthesizer #Percussions #Trombone #Improvisation #即興演奏 #Fluxus
Avant-garde Karirecords 不明。Dr K2