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Katra Turana “Kimera”
女装の広池敦氏が独自の言語でVoを務め、チェロやピアノ、ヴァイオリンとドラムと言う特異なアコースティックな編成・コンセプト・パフォーマンスで1980年に東京を中心に話題をさらったバンド、Katura Turanaのセカンド・アルバムです。今回のメンバーも、三木黄太(Cello), 田中信幸 (Dr), 藤田佐和子 (Piano), 松井亜由美 (Violin)そして作曲・編曲も行う広池敦 (Vo, Aluminum tubes)ですが、ゲストが豪華で、B1 “ヤタラちゃんの偏執狂”では原マスミがリードVoで、その他にコーラスで、野沢美香、てふてふの北島妙子、Sandi&The SunsetzのSandiと久保田真琴、地引雄一の他、Barbaraのメンバー、Tyrannosaurusのメンバー、LacrymosaのS. Chihiroなどがコーラスで参加しています。しかも、A4 “ヤタラちゃんの騒音公害”はライブトラックで、熱気に包まれながらも、クールな演奏を披露しており、本作品でも白眉の曲となっています。音楽自体は、一種のチャンバーミュージックであると思われるですが、広池氏の自由な高音Voが、その論理的楽曲を解体し、更なる高みはとアンサンブルを導いています。あと、このバンドを「ロック」の地平に着陸させているのが、ドラムの田中信幸氏であると思います。B1 は2部構成になっており、a) “ヤタラちゃんの偏執狂”とb) “Hudhaby, Lullaby”となったおり、原マスミ氏のVo(ちゃんと歌詞がある)とゲスト達のコーラスが圧巻です。単に色物と言う訳ではなく、全員が相当のスキルがあり、そのスキルを合わせることで、全く新しい音楽を作り上げています。因みに、Katra Turanaは、Recommended Recordsを通じて海外でもよく知られた日本のバンドの一つです(寧ろ、海外の評価の方が高い)。因みに、Katra Turanaが、初めて世に名前を刻んだ作品は、1981年にリリースさらた、LLE Labelのコンピ” 精神工学様変容 (Psychotronic Metamorphosis)”に収められた2曲で、メンバーも若干異なります(私は未聴)。また2022年に突如、Katra Turanaは再結成され、新作CD”Reboot”を出していますので、そちらの方が入手し易いかと思います。日本の地下音楽の一端で生まれた雑食音楽を知りたいと思えば、本作品を是非とも聴いてみて下さい。 https://youtu.be/Fi5LCJXTaPw #KatraKurana #Kimera #TelegraphRecords #ChamberMusic #NeoClassicMusic #ProgressiveRock #AtsushiHiroike #AcousticMusic #AyumiMatsui #KotaMuki #SawakoFujita #NibuyukiTanaka #Chrus
Progressive / Chamber Rock Telegraph Records 3500円位?Dr K2
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V.A. “Non Plus Ultra 1980-1987”
このレコードをいつ買ったのか?何故買ったのか?よく分からない。と言うか、多分、これは1980年代のシンセ・ウェーブのコンピだから、買ったのでは?と思います。ここに収録されているグループは全部スペイン産ですが、グループも曲も全く知らないのばかりです。でも、私には、音楽自体は凄いド・ストライクなんですよ。こう言う1980年代のシンセ・ウェーブって、やっぱり、単音シンセを使ったり、リズムマシンを使ったりで、私がK2以前からやっていた宅録テクノ・ポップを思い出して、涙が出ますね。まあそれは置いておいて、本作品ほ内容に行きますね。このアルバムは、スペインのバルセロナのDomestica Recordsからリリースされており、Carlos PanequeとJordi Serranoによってコンパイルされたアルバムです。 少し、グループや曲について書きますね。A1は U.H.P. “Quién Lo Ve”ですが、U.H.P.はUníos Hobreros Proletariosの略で、メンバーはJuan AntonioとRogelioとLopez Cuenca兄弟にAntonio Jaime Urbanoに加わったらしいです。更に1987年にAlain Pineroが加入。この曲はスペーシーなイントロSEからプリミティブなシンセ・ポップですね、熱いVoがスパニッシュですね。A2はVam Cyborg “Actos De Maldad”で、本作品の中でも、ディスコ色と言うかラテン色が強いダンサブルな曲です。スペインのマツケンサンバ⁉️元々はVicente Aguileraを中心に1970年代後半に結成されましたが、通常のロックバンドからエレ・ポップ・バンドへと変わり、Jesús Aparicio (Synth, Vocoder, Perc, Vo), Gloria Nadeau (Vo), Vicente Aguilera (Synth, G, Perc, Vo), Ricardo López (Synth, Perc, Vo)と言う布陣になっています。GloriaのVoが気の強そうな感じで、良いです。A3はTodoTodoの”Megaciclos De Verano”で、未発表曲で、メンバーはCarmelo Hernández Ramos, Francisco García Roma, Pedro Vidalのトリオです。これまたスペーシーな効果音を多用した曲で、Voとヴォコーダーの掛け合いが面白いです。A4はM.A.D.の”Transmigración”で、Kと言うバンドが解散して出来たAntonio Terrestrial とCarlos Delgadoのデュオです。ユニット名はMutual Assured Destructionの略で、珍しく生ドラムを使っています。少しだけHeldonっぽい感じもしますが、矢張りそこはシンセ・ウェーブですので、チープです。A5はFernando Gallegoの”Almuerzo Desnudo”と言う曲ですが、メンバーはJosé Luis FerrerことTeru(Vo), José Héctor Marco (Synth, Dr Machine), Hilario Traver (Kbd), Juan Vicente Vernia Juanón (B)です。Juan Luis Montoliú以外のFuneraria Vergaraのメンバーが結成したバンドで1984-1986年は、このバンド名で活動していたそうです。BPM高目のドラムマシンと煽るようなVoが暑苦してい如何にもスパニッシュです。 B面に移ります。B1はKalashnikov “Ultraviolencia (Versión Casete)”で、SPKやPortion Controlなどに影響を受けたバンドで、メンバーはEileiter Perez Cors, Juan Jose Relano, Victor E. Alonsoです。これもBPM高目ですが、インダストリアルというよりもEBMっぽいですね。Portion Controlは近いかも?それにしてもメロディアスなシンセ・リフがあって、少し泣けますね。B2はAviador Dro “Ballet Parking 1er Acto”で、1979年にこのバンドの母体てあるEl Aviador Dro y Sus Obreros Especializadosが結成されています。この時点で既に、彼らはスペインのエレ・ポップの元祖と言われ、1979年末には自分達の音楽を「テクノ・ポップ」と称しています。曲自体はどちらかと言うとダークな曲調に仕上げています。B3はLínea Vienesa “La Isla De Las Sirenas”で、メンバーはRicardo Llorca (Kbd), L. Ramon G. Del Pomar (G), Mavi Margarida (Vo, Dr.Machine), Patricia Alvarez de Lorenzana (B)で、珍しくギターやベースが入っています。こちらも、ギターとかが入っているからか?女性Voだからか、4ADのような物憂気な曲調でしっとりと決めています。B4はAutoplex “Clockwork Mirror”で、メンバーはFrédéric Callis (Synth, Piano, Chrus)とFrans Beltran (Vo, G, Synth, Dr Machine, Revox Sequences)がオリジナルで、ライブ要員としてRamon Rotllan, Enric Marin, Catherine Olivaが加入している様です。リズムがエレクトーンのリズムボックスみたいですが、曲自体は紛うこと無きシンセ・ウェーブです。B5はLa Caida De La Casa Usher “Insecticidios”で、この曲はヴィデオクリップの為に作られた曲だそうです。メンバーは、Gabriel S. Arias (G), Luis R Velázques, (Korg MS-20) Rafael Gordo (Anvil, Perc, Korg KR-55), Victor Díaz-Cardiel (Korg MS-10)です。この曲は、本作の中で一番、実験的かな?単音シンセ2台使ってるし、ギターもフリーキーだしね。 と言う訳で、各のバンドのこと調べるのに手間取ってしまいました(途中でデータも飛んだし)。何でも”Vol.2”もあるとのこと。そちらも聴いてみたいですね。もし、スパニッシュ・シンセ・ウェーブに興味がある方は聴いてみて下さい。 https://youtu.be/st6JcYQwX8o #NonPlusUltra1980-1987 #VariousArtists #DomesticaRecords #Spain #SynthWave #U.H.P. #VamCyborg #TodoTodo #M.A.D. #FernandoGallego #Kalashnikov #AviadorDro #LíneaVienesa #Autoplex #LaCaidaDeLaCasaUsher
Synth Wave Domestica Records 不明Dr K2
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Danielle Dax “The Chemical Wedding”
地下音楽界の才色兼備なアーティスト、Danielle Dax (元Lemon Kittens)の日本国内盤です。内容はセルフ・コンピとなっています。今回は邦題も中々イケてますね。彼女については前回も書きましたので、バイオグラフィーは省略します。 まあ、日本盤でセルフ・コンピなので、初めは散漫な感じかな?と思ってましたが、彼女の曲は彼女にしかできない為か、どの曲を取ってもDanielle節で、思った以上に統一感があり、ビックリしました。歌も曲もオリジナルだなぁと感心しています。彼女はマルチ奏者なので、基本的には彼女の「ソロ」なんですが、ヘルプで、Trevor Reidy (Dr), Karl Brake (G), Pete Farrugia (G), Ian Sturgess (G, B), Chad Strentz (Harmonica), David Knight (G, Perc, Kbd, Tape)が参加しています。Danielle自身はVo, G, Sax, Percと作曲を担当(一部はDavid Knightが作曲)。勿論、ジャケも彼女によるドローイングを元にしています。まあ錬金術のように彼女は、新しい音楽を作り出したのでしょう。それこそが、”The Chemical Wedding”ですね。メロディ・ラインが特徴的なので、すぐに分かりますね。ある意味、貴重な編集盤なので、Danielle初心者にもお勧めです。 A2 “Whistling For His Love” https://youtu.be/70DcsvgwMgw B1 “Cat-House” https://youtu.be/JWp86Mw1GUQ B2 “Up In Arms” https://youtu.be/CupSoWrcN4k #DanielleDax #TheChemicalWedding #VapInc. #ExperimentalPop #SelfCompilation #Certic #JapaneseEdition #Multi-Instrumentalist #TrevorReidy #KarlBrake #PeteFarrugia #IanSturgess #ChadStrentz #DavidKnight
Experimental Pop Vap Inv. 不明Dr K2