-
V.A. “Syrens: Female Noise Compilation”
またまた、掘ってしまいました。MSBRの田野幸治さんが生前、女性ばかりのノイズ・ミュージシャンのコンピを作ろうと思うと言っていたら、あっという間にリリースされたました。田野さんのこのコンセプトほ、多分、英国Susan Lawlyがやっていたコンピ・シリーズ”Extreme Music From なんちゃら”に触発されたのではないかとふと思い出しています。参加者は11組。それぞれについて紹介したいきます。 A1 Timisoara (日)は、旧姓守田恵子さんのソロノイズユニットで、轟々たる分厚いハーシュノイズで幕を開けます。A2 Angelica Rosenthal (伊)は辿々しいリズムマシンのリズムに、鬱々とした電子音が流れる曲。はシンセウェーブに近いテクノイズですが、後半はドラムン・ノイズ的な音になってしまう。A3 Maisie (伊)はミシンのような音を中心としたミュージック・コンクレート的作品で、後半にはサンプリングされたコーラスやピアノの音が組み合わさっている。逆回転あり。 A4 Zipperspy (米)はは、アフリカの民族音楽のようなバックが、規則的なリズムに移り変わるミニマル調の曲。インダストリアル・ネイチャー・ミュージック! A5 Allun (伊)は、ガチャガチャしてると、あっと言う間に終わってしまう23秒の曲。潔さが良い。A6 Reiko A. (日)は、ゆったりした電子音が、深いリバーブの中で疼いているような曲で、その出たり入ったりの仕方にセンスを感じる。 B面にいきます。B1 S. Isabella (日)は自身の無機質な声とかをサンプリングしてコラージュした幽玄な曲で、最初と終わりに合図が配置されているB2 Mammal Holiday (米)はテープの回転数を落としたり、ドカドカした民族音楽的なリズムマシンを中心にした曲。B3 Laura Maes (ベルギー)原かなり静謐で、デリケートな音楽が淡々と続く幽玄な曲を提示。消えそうで消えない音。メタルジャンクも使っていそう。B4 Nuclear Pig Shit (米)は如何にもアメリカンな、大味でガチャガチャしたハーシュノイズです。B5 Cyclisms (加)はハーシュでもなく、微音系でもなあ極めて中庸なアブストラクトな曲で締めています。 本作品はYouTubeにはなかったので、参加者それぞれの作品(他者とのコラボを含む)を貼っておきます。 Timisoara + Facialmess https://youtu.be/8QSsm-JYG5M Maisie “Song About The Several Ways To Use A Woman” https://youtu.be/22t18YQMBZI Reiko A. Live at Yaneura II https://youtu.be/NslRMrk_fl4 S.Isabella “Emergency Landing-Murmurous Planet” https://youtu.be/6qLZ4IQ84os Con-Dom/Militia/Laura Maes “Familiendrama/Pain” https://youtu.be/6dOV_1gnANM Macronympha+Nuclear Pig Shit “A Fist of Lust” https://youtu.be/t2ScthxGR34 #Syres #FemaleNoiseCompikation #Flenix #BlimmingVessels #VariousArtists #HarshNoise #Electro-AcousticNoise #AbstractNoise #Timisoara #AngelicaRosenthal #Maisie #Zipperspy #Allun #ReikoA. #S.Isaella #MammalHoliday #LauraMaes #NuclearPigShit ##Cyclisms
Noise Flenix & Brimming Vessels 不明Dr K2
-
Elvis Costello and the Attractions “This Year’s Model”
パンク以降の英国ポップ・ミュージックの3大ソングライターと言えば?. 1人はAndy Partridge (XTC)とTom Robinson (TRB)、そして最後の1人がElvis Costelloじゃないかな?(←個人的な意見です) このアルバムはElvis Costello名義では2枚目、Elvis Costello & the Attractionsとしてはファーストに当たります(因みに私が持ってるのは再発盤です)。Costello自身はソロで1977年にデビューしていますが、その時のバックは米国西海岸のバンドCloverがやっていました。しかしながら、Costelloは自分専属のバックバンドが必要と思い、1977年終わりにThe Atractionsを結成します。メンバーとして、Steve Nieve (Kbd, Ukulele), Bruce Thomas (B), Pete Thomas (Drs)を英国各地から集めます。それで本作のリリースされた1978年から1986年まで一緒に活動しています。ただ正式なクレジットとしては1979年作の”Armed Forces”からになっています。なので、本作品では裏ジャケにメンバーの写真は載っていますが、表の写真やタイトルにはThe Attractionsの表記はありません。2003年にはElvis Costello & the Attractionsはロックの殿堂入りを果たしています。また1枚、The Attractions単独のアルバム”Mad About The Wrong Boy”も1981年にリリースしています。一方、Costelloの方は、元々、音楽一家で生まれ、1970年には豪州でDay Costelloという名前で、ビートルズの曲”The Lkng and Winding Road”のカバーてヒットを飛ばしています。そして、Allan MayesとのフォークデュオRustyが彼の最初のバンドと言うことになりますが、その後、彼は数多くの職業に付きます。1974年にロンドンに移り、1974-1976年初頭にパブロックバンドFlip Cityを結成して、活動していました。その後もCostelloは曲を書き続け、ソロで活動し始めました。それで、1976年に自主レーベルStiff Recordsと契約を結びます。その時のレーベル側のマネージャーがステージネームをつけた方が良いということで、昔のDay Costelloではなく、Elvis Presleyにあやかって、Elvis Costelloと名乗るようになりました。1977年3月25日にファースト・シングル”Less Than Zero”をリリース、その4ヶ月後にデビューアルバム”My Aim Is True”をリリースし、その眼鏡をトレードマークとしたBuddy Holy的な風貌もあって、まあまあの商業的成功を収めます(英国チャートで14位)。最初、Stiff Recordsは英国だけでしか流通させていませんでした。それが気に入らなかったCostelloはストリート・ミュージシャンよろしく、ロンドンにあったCBS会社の会議場の前で路上で演奏していたとのこと。その数ヶ月後、CostelloはColumbia Records (米国でのCBS)と見事、契約します。ここで、ちょっと興味深い逸話を。1977年12月17日にCostelloとThe AttractionsはSex Pistolsの代打として米国のSaturday Night Liveに出演し、”Less Than Zero”を演奏することになっていました。曲のイントロの途中で、Costelloは「ストップ!ストップ!」と言って演奏をやめて、”Radio Radio”を代わりに演奏しいます。その演奏のお陰で1980年までTVショーで干されてしまいます。と言うのも、この曲はテレビやラジオなどの放送のコマーシャリズムを痛烈に批判した歌詞だったからです。それで、彼は「怒れる若者」と烙印を押されてしまった訳です。しかし、この事件のお陰で、米国のリスナーにはウケたみたいで、彼等ののデビューアルバムの売り上げに繋がったとのこと。話を戻すと、先述のように、The Attractionsを専属としたCostelloはStiffのバンドと共にツアーして、1978年に本作品であるセカンドアルバム”This Year’s Model”をリリース。その後も豪州で35分しか演奏してないのに、アンコールを拒否して、観客が椅子を壊したりというイザコザもありましたが、アルバムのリリースは順調にすすめています。それで、個人的に興味深かったのは、Costello が、クラシック音楽に興味を持ち、Brodsky Quartetとコラボして、1993年に”Juliet Letters”をリリースした時ですね。彼等が来日した時、女友達と一緒に観に行ったのですが、弦楽四重奏とのコラボは生音と彼の歌だけだったのですが、完璧でしたね。良いもん観せてもらいました。しかし、その後、1995年にThe Attractionsと再び一緒にやったアルバム”Brutal Truth”をリリースし、Costelloの中のロックン・ロールな面がまた復活したとの評判でした。その後も活動を続け、Rock Against RacismやBand Aidなどにも参加。2003年2月23日に、Costelloは、Bruce Springsteenらと一緒に出席した第45回グラミー賞のセレモニーでThe Clashの名曲”London Calling”のカバーを披露したいます。ここら辺にも彼の根っこにはパンク心があるのだなと思います。そして、the Attractionsと共にロックの殿堂入りを果たしたいます。かなり端折ったつもりですが、大体のバイオグラフィーはこんな感じです。 それで、本作品ですが、先ず、私が興味を持ったのはThe Attractionsにオルガン奏者が居た点です。私は全然リアルタイムでほ聴いてはこなかったのですが、ここで聴かれる音楽は正しくパワーポップです。基本的に私は、キーボードが入っているバンドがさきでしたね。その意味では、XTC然り、P-Model然り、Tom Robinson Band然りですね。ただCostelloもAndy Partridgeも声質は余り好みではないです。それが、多分のめり込めなかった原因かな?と思います。しかしながら、曲自体の構成やアレンジは荒削りながらもしっかりとしており、ポップとしては本当にカッコいいです。どの曲も良いのですが、A3 “The Beat”やシングルカットされたA4 ”Pump It Up”は躍動感があって、結構好きです。あと、収録曲が、オリジナルと再発盤で若干違いますね。再発盤では”Radio Radio”がB面最後に収められていますが、代わりに” (I Don't Want To Go To) Chelsea”が削られています。もうオルガンのフレージングだけでもイケますね。因みにプロデュースはパブロックの重鎮Nick Loweです。このコンビに外れ無しです。兎にも角にも、まあ聴いてみて下さい! “No Action” https://youtu.be/ajHVJeqaemo “Radio Radio” https://youtu.be/eifljYPFW-E #ElvisCostello #TheAttractions #ThisYear’sModel #ColombiaRecords #PowerPop #Songwriter #StiffRecords #RadioRadio #PumpItUp
New Wave / Power Pop Columbia Records (Radar Records) 不明Dr K2
-
Nash The Slash “The Million Year Picnic"
この人、知ってる人いますか?カナダが生んだ最高のアーティストNash The Slash❗️本名はJames Jeffrey Plewman、マルチ奏者で主にE-ViolinやMandolinをステージでは演奏してますが、Harmonica, Kbd, 鉄琴、その他の楽器も演奏します。彼の音楽はプログレからエレ・ポップ〜ニューエイジまでを含む非常にユニークな音楽です。少しバイオグラフィーを書きますが、かなり多彩なので、端折って書くことにします。彼はソロアーティストとして1975年に活動を開始しますが、翌年、プログレ・バンドのFMを結成します。一枚のアルバムをリリースした後、1977年に脱退し、1978年からソロ活動に注力します。彼は無声映画に音楽をつけたり、シュールレアリズムの画家ともコラボで曲を作ったりもしています。また、彼はアルバムにはギターを入れないことでも有名です。また、彼は1979年より、顔に手術用包帯をグルグルに巻き、サングラスにシルクハット及びタキシード姿でライブ演奏を行い、このステージ衣装が”Nash The Slash”のデフォになっています。因みに、彼のこの芸名については諸説ありますが、英国の音楽雑誌にこのことを尋ねられた時には「本名は ”Nashville Thebodiah Slasher”だから、その略称だ。」と答えたとか。それで、彼は自身のレーベルCut Throat Recordsから、1979年にソロとしてはファーストにあたるアルバム”Dreams and Nightmares”をリリースします。また、同時に、彼のサポートをしてくれるトロントのラジオ局CFNY-FMのテーマソングでヴァイオリンを演奏、DJ達も彼の音楽をかけまくりました。彼は1980年にJan and Deanの"Dead Man's Curve"のカバーシングルを出し,また、カナダのTVや映画のサントラの仕事をしつつ、英国Gary Numanや米国The Tubesのツアーにも同行しています。1981年にリリースした”Decomposing”は44, 33, 78回転のどのスピードでも再生できると言うNON顔負けのレコードでした。また、Iggy Popからもラブコールを受けてIggyのツアーにオープニングアクトとして帯同しています。1982年に5枚目のアルバム”And You Thought You Were Normal”をリリースし、更に、バンドFMのメンバーのヘルプを借りて1984年に ”American Band-ages“もリリースしていきます。それで、彼はアメリカ進出も果たし、セルフ・リミックス・アルバムである本作品”The Million Year Picnic”をThe ResidentsのレーベルRalph Recordsからリリースしていきます。1992-1993年に彼はPlexusと言う電子音楽家とコラボして,強烈なライブの視覚効果を生むPsychedelitronを開発し、1993-1995年のライブで使われています。2012年11月6日に彼のWeb上でリタイアすることを告知し、「インターネットでの音楽の搾取は大切な収入をぶっ壊した」と表明しています。その後、2014年に彼は心不全で亡くなります。以上が彼のバイオになりますが、中々、多彩な活動をずっとしてきたアーティストだったんですね。 それで、本作品ですが、前述のようにセルフ・リミックス・アルバムで、かつ自分の作品からの持ち出しを集めたアルバムなので、統一感は今一つなのですが、ストリングス・シンセとリズムボックスに、エフェクトをかけたE-Violinで、かなりドラマティックな演奏をしており、キャッチーなメロディの曲が多いです。ギターのように聴こえるのはマンドリンかシンセでしょうね。またらライブではどのように演奏していたのか?(多分テープを用いたんでしょう)が気になるところです。”Dead Msn’s Curve”は名曲ですね。ただ、Voとしての彼の歌唱はややパンチにかけるかな?最初に書いた様に、プログレ畑からニューウェーブやニューエイジ的なアプローチを行なっているので、単にポップなだけではないようにも思えます。アメリカでのリリースがThe Residentsのレーベルなのも納得です。機会があれば聴いてみて下さい。 クレジット A1 “The Million-Year Picnic” A2 “Swing Shift (Soixante-Neuf)” A3 “Blind Windows / Countervail” A4 “Lost Lenore” B1 “Dead Man's Curve” B2 “The Chase” B3 “Pilgrim's Lament” B4 “Life In Loch Ness” https://youtu.be/kJ8NmZ0fmAo?si=v2j3lmxJCTrI4P4J #NashTheSlash #TheMillionYearPicnic #Canada #RalphRecords #FM #MultiInstrumentalist #Violin #ElectricMandolin #Keyboards #Synthesizers #Glockenspiel #ProgressiveRock #NewWave #NewAge #SelfCompilation #Album
NEW WAVE Ralph Records 1000円?Dr K2