-
Rip Rig + Panic “God”
やっとレコードの沼から見つけ出しました。The Pop Group分裂後に、能動的に新しくバンドを始めたのが、このRip Rig + Panicで、これが彼等のデビュー作になります。もうタイトルからして凄そうですよね。しかもこのジャケ!カッコいいです。この時のメンバーはGareth Sager (Multi奏者), Sean Oliver (B), Mark Springer (Piano), Bruce Smith (Dr)で、曲によりゲストで Neneh (Cherry), Ali (Up), FlashことDavid Wrightが参加しています。Gareth SagerとBruce Smithが元The Pop Group組です。彼等のバイオグラフィーは前回書きましたので、順番が逆になってしまい、申し訳ありませんが、そちらを参照してください。 で、本作品も45回転12㌅EP2枚組みと言う仕様になっており、音質重視派の方向けですね。やはり、元The Pop Groupの一派の中では、ダントツにシャープなファンクと言うか?ジャズと言うか?インプロと言うか?まあテンションは高いですね。一枚目(Red side)の2曲目のようにピアノだけの曲”Wilhelm Show Me The Diagram”や3曲目”Through Nomad Eyeballs”ようにピアノとドラムのインタープレイを中心に進行するインスト曲があったりで、実験精神てんこ盛りです。特にMark Springerのピアノはリリカルと言うよりもかなり挑戦的な音色に仕上がってますね。一枚目(Yellow side)も緩急を付けた曲を配置してあり、飽きさせないですね。時にしっとり感のある3曲目”Try Box Out Of This Box”ではジャジーなサックスが配置されてひと休みできます。二枚目(Green side)の1曲目”Howl ! Caged Bird”は不協和音のオルガンが活躍するカッコいい曲です。3曲目”The Blue Blue Third”もしっとりとしたリリカルなピアノが冴えます。二枚目(Blue side)は、1曲目”Shadow Only There Because Of The Sun”での不吉なクラリネットの調べから始まり、最後の曲”It Don’t Mean A Thing If It Ain’t God That Brrod”では、混沌の中にきっちり締めます。こうしてThe Pop Group 分派で、その遺伝子を受け継ぎ、新たな方向へ能動的動こうとしたのは、やっぱりRip Rig + Panicですね。こんなスタイルでレコードを出すくらいですので、やはり音的にも敏感だったのでは?と想像します。しかし、Nenehのヴォーカル、弾んでいて良いですね。あと当時はアヴァン・ファンクと認識していたのですが、どうもジャズの要素も強いですね。そんな訳で、元The Pop Group一派のその後について聴き比べてみました。どれが良いとかではなく、それぞれの個性てやっているのが興味深いです。この機会に是非、聴いてみてください。 https://youtu.be/J7zkM6VvfUs #RipRig+Panic #God #VirginRecords #UhHuhProds #ThePopGroup #GarethSager #BruceSmith #MarkSpringer #OliverSean #Double45回転Album #Funk #Jazz #Improvisation #Piano #Sax
Funk / Post Punk Virgin Records / Uh Huh Prods 不明Dr K2
-
Pungo “1980-1981”
これが1980年代初頭の音楽だ!と言っても、もつピーンと来る人は少ないだろうなあ。と言う訳で、パンクとタンゴを掛け合わせた音楽(←ウソ)をやっていた、その名の通り、Pungoの登場です。勿論、日本のバンドです。と言うか、当時は、不定形ユニットとして活動してましたね。基本のメンバーは菅波(向島)ゆり子 (Vln, Accordion)、 今井次郎 (B)、 篠田昌已 (Sax)、 石渡明廣 (G)、 久下惠生 (Dr)、 佐藤幸雄 (G)、 佐藤隆史 (Piano, Dr)、鈴木惣一郎です。兎に角、当時は凄かった。50人ものPungo Orchestraのようになったかと思うと、Pungo 2分の1になったり、メンバーもいたり、いなかったり。まあコア中のコアの菅波(向島)さんが居れば、基本、Pungoとして成り立つような緩さがありましたね。 特にタンゴのパンク的解釈というようなことはなく、寧ろ、「擬似ワールドミュージック」的な音楽ですね。その中で、(故)篠田昌己さんのフリーキーなサックスはその音色と言い、入るタイミングと言い、大好きでしたね。基本的には、当時は、ここら辺のマイナー周辺の人達は余り好きではなかったです。何かズルく生きていこうとするのがダメでしたね。○藤○里さんが、一緒に飲みに行っても、割り勘じゃなくて、上手く逃げて他人に払わせるとかね。そう言うの、もう勘弁してと思っていましたから。でもそう言う噂は噂として、お祭り騒ぎのような祝祭の音楽が収められています。当然、ちゃんとしたライン録音でもなさそうですし、多分、ラジカセでライブを録音した中からセレクトして、LPにしたモノだと思います。貴重な音源、佐藤さん、どうも有難うございました。あれから30年以上が経ちましたが、未だに新しい発見のある音楽です。なので、皆さんもこの古びない音楽を聴いてみて下さい。 https://youtu.be/ix1VQ0tXrU0 #Pungo #1980-1981 #PinakothecaRecords #YurikoSuganami #JiroImai #MasamiShinoda #AkihiroIshiwatari #KugeYoshio #YukioSato #TakafumiSato #SoichroSato #Punk #Tango
Avant- Rock / Improvisation Pinakotheca Records 1200円位?Dr K2
-
Bill Nelson's Red Noise “Sound-On-Sound”
これまた、よく名前は聞くけど、実際に聴いたことは無い感じのBill Nelson’s Red Noiseの唯一のアルバムです。その母体はBe-Bop Deluxe(1972-1978年)ですが、更なる進化のために、Bill Nelsonを中心にRed Noiseが結成されました。まあ、名前を変えたのはHarvest Recordsの意向みたいです。メンバーはBill Nelson (Vo, G), Ian Nelson (Sax), Andy Clark (Kbd, Synth), Rick Ford (B), Dave Mattacks (Dr), Steve Peer (Dr)です。前身のBe-Bop DeluxeのメンバーであったAndyでしたが、Red NoiseではIanコラボしながらもヒットシングル”Ships in the Night”を作ります。またSteveはTV Toyに在籍していましたが、ツアー限定メンバーとしてヘルプで加入してます。Red Noise曲は、殆どがBillがドラムを叩いていましたが、Fairport ConventionのDaveが加入してからはより複雑なフレーズが可能になりました。1979年に唯一のアルバム”Sound-On-Sound”と2枚のシングル”Furniture Music”と”Revolt into Style”がリリースされました。その後はBillがソロアーティストとして続けていくなか、Ianが1980年代を通してコラボしています。話しを戻すと、Be-Bop Deluxeの最後のアルバム”Drastic Plastic”と連続しているように聴かれますが、1979年のインタビューでBillが答えてるように「そもそも、Be-Bop Deluxe時代に作った曲ですので、一連の曲と思ってもらえるといいかな。まあ一種の強迫観念だよ。」と告白してます。1984年には幻のセカンドアルバムができていたののですが、Harvest Recordsが嫌がったと言う経緯があります。それでマネージャーが曲を買取り、Bill自身のレーベルCocteau Recordsからソロ名義でリリースしています。買い取った曲の中で”Do You Dream in Colour”はよくラジオでかかっていましたし、MTV用のビデオの話しも出ていました。そしてこの曲のB面は、Ian Belsonのサックス以外、Voも演奏も一人でやってます。その他の2曲”Instantly Yours”と”Ideal Homes”はRed Noiseのメンバーで演奏されており、当時はPhinogramが興味を持ったものの、Cocteau Recordsの為に曲を追加して、Bill Belsonのセカンド・ソロ・アルバム”Quit Dreaming And Get on the Beam”として、1981年にMercury Recordsよりリリースされます。それ以降、Billはソロで活動していくことになります。 それでRed Noise名義の本作品ですが、同じ英国のXTC初期ともちょっとだけ類似性のある節回し、とキーボードをある程度全面に押し出した、所謂New Waveなサウンドですね。そして何より中毒性のある曲調が溜まりませんね。元気一杯過ぎて年寄りにはちとキツいかな?でも多分、このアルバムを購入する前から聴いたことがあるような無いような感じがして、それだけポップなんだなあと感嘆してます。兎に角、ゴージャス感のあるエレ・ポップです。個人的にはSparksより好きですね。シンセの使い方も面白いし、軽目のオルガンの音もいい感じです。曲自体もキャッチーだし、僅か1年間で終わったのが残念です(とは言うものの、バックのメンバーはBillのソロでも客演していますし、Bill自身もマルチ奏者なので、 VoやG以外にも色々な楽器をも演奏してます。なので、そのポップネスにやられちゃって下さい❗️ A1 “Don't Touch Me, (I'm Electric)” A2 “For Young Moderns” A3 “Stop / Go / Stop” A4 “Furniture Music” A5 “Radar In My Heart” A6 “Stay Young” B1 “Out Of Touch” B2 “A Better Home In The Phantom Zone” B3 “Substitute Flesh” B4 “The Atom Age” B5 “Art / Empire / Industry” B6 “Revolt Into Style” [full album] https://youtu.be/Q_HdJu-0U7k?si=Rjv0ETrlxny-IK3c [オマケ: live at TV show: A1, A4 & A6] https://youtu.be/tPV7jEyTvtY?feature=shared #BillNelson #RedNoise #Sound-On-Sound #Harvest #NewWave #ElectroPop #Synthesizer #Be-BopDeluxe #Multi-Instrumentalist #IanNelson #AndyClark #RickFord #DaveMattacks #StevePeer
Pop, New Wave HARVEST 不明。Dr K2
-
V.A. “Flowmotion”
80年代初頭の英国の実験・電子音楽のコンピの一つが、今回、紹介する”Flowmotion”で、副題に”An Album of Contemporary and Electronic Music”と題されています。参加者はChris & CoseyやEyeless In Gazaを筆頭にLegendary Pink DotsやDavid JackmanやColin Potterの名前も見られ、中々渋いセレクトだと思いますね。それぞれの曲を紹介していきましよう。A1はChris & Cosey。乱打されるドラムマシンと浮遊するようなヴォイスから成るトライバルな曲。A2はT.L.A. (Those Little Aliens)。繊細な鈴の音(?)に誘われる、非常に個人的で詩的な曲。逆回転やシンバルの音あり。A3とA4はEyeless In Gaza。彼等の曲は一発で分かるPeter BeckerのリリカルなバックトラックとMartyn Batesの囁き。A4は寧ろアコースティック!? A5は何と! David Jackman ❗️カシオトーンを使ったミニマルな曲(DD.Recordsの鎌田忠くんの作品を思い出しました)をやってる。A6とB1はIan Boddy。割とはっきりしたリズムにキラキラしたシーケンスにヘビーな低音。Insane musicの作品っぽい。A7は皆んな大好きLegendary Pink Dots。簡素なベースラインにEdward Ka-Spelのヴォーカルが乗る、レトロ・フューチャーな曲。B2はPaul Nagle。ポロポロとしたエレビに導かれる、非常にリリカルな泣きのシンセが入ってくる曲。B3はCarl Matthews。如何にもなMoogの重厚なシンセがグルグルなシーケンスで唸るジャーマン・ロックな曲。ダイナミック!B4は何と! 今や英国を代表する音響エンジニアのColin Potter❗️ミニマルなシーケンスに妖艶なメロディが絡む、彼らしい優雅な曲(って言うか、彼はこんなことやってたんだ!と驚き)。こちらの方がChris & Coseyっぽい(笑)。 本コンピは、通して聴いてみると、実験音楽と言うよりも電子音楽であるように思います。1982年がこの手の音楽にとって重要な年であったのでは?と思います。もし,中古レコ屋で見つけたら、即買いですね。 David Jackman “Do The Dog” https://youtu.be/XOvBW0WjmTM Eyeless In Gaza “Through Eastfield” https://youtu.be/9zPKa7vXuwo Colin Potter “Rooftops” https://youtu.be/u3F-wyi0-lc Carl Matthews “As Above, So Below” https://youtu.be/Vg07-iEThy4 #Flowmotion #IntegratedCircuitRecords #Chris&Cosey #T.L.A. #EyelessInGaza #DavidJackman #IanBoddy #LegendaryPinkDots #PaulNagle #CarlMatthews #ColinPotter #ElectronicMusic #Compilation
Experimental, Post-Punk Integrated Circuit Records 不明Dr K2
-
M.B. “Das Testament”
またまたきました、Maurizio BianchiのソロノイズプロジェクトM.B.のアルバム”Das Testament”です❗️前回、彼のバイオグラフィーは大体、書きましたので、ここでは省略します。この作品は個人的には物凄く思い入れのある作品で、私は、これを聴いて、本格的にノイズをやろうと決意しました。それ位、重要な作品です。初期に沢山のカセット作品やレコードも出しているM.B.ですが、その中で、これを最初聴いた時、先ずこの音がどのようにして作られたのか?全く分からなかったこと、それと、片面1曲づつの長尺の曲からなっていたこと,それら全てが私の心を強く惹きつけました。今回、聴き直してみると、それ程、難解な音作りはやっておらず、エコー/ディレイ処理をしているだけでした。しかしながら、当時は、そのこもったような音質と相まって、モノクロのジャケ写(ナチの強制収容所の焼却炉)や「遺書」と題されたアルバムタイトル、裏面の雑なコラージュなどが一気に現出してきたものと記憶しています。音の方も、リズムボックスやシンセの電子音にロングディレィを掛けて、時間芸術である「音楽」からの錯乱と逃避、そしてモノクロームで腐食したようなシンセの音色を追求していたのだなと今回,聴き直して納得しました。A面か「不安感」とB面が「強迫感」を内在化しているように思います。それは強制収容所で、死を待つ人々の深層心理までをトータルに表しているようにも感じます。ただ、最初に聴いていた当初は、思い入れも強く、その不気味さにただただ圧倒されていましたが、今,聴くと「幽霊の正体見たり枯れ尾花」な感じも正直には感じます。しかし、この作品は避けては通れないので、未聴の方は是非聴いてみて下さい。 “Part 1” https://youtu.be/RX_cpJi15OQ “Part 2” https://youtu.be/rFJB9SGWRM8 #M.B. #DasTestament #MaurizioBianchi #MectpyoSounds #Delay
Noise Mectpyo Sounds 不明Dr K2
-
Deutsch Amerikanische Freundschaft “Für Immer”
Deutsch Amerikanische Freundschaft、通称DAF(通常「ダフ」と呼んでる)の登場ですよ❗️まあ、このバンドと言うかデュオは、Neue Deutsche Welleの中から出てきたバンドとしては世界的に成功を納め、その後のテクノやEBMにまで影響を及ぼしたと言っても過言ではないでしょう。そのバイオグラフィーは簡単なものではないので、結成当時とこのデュオになってからのことに絞ることにします。DAFは1978年にDüsseldorfで結成され、その時のメンバーは、Gabriel "Gabi" Delgado-López (Vo), Robert Görl (Dr, Perc, Synth), Pyrolator ことKurt Dahlke (Synth: Der Planに加入), Michael Kemner (B)及びWolfgang Spelmans (G: 後にMau Mauを結成)からなります。翌年、Kurt Dahlkeの代わりにChrislo Haas (Synth, B, Sax)が加入します。1981年からはGabiとGörlのデュオになり、大活躍しますが、2020年3月22日にGabiは61歳の若さで他界してしまいます。その後は、GörlがDAFを名乗って現在も活動を続けています。 それで、DAFは、ファーストアルバムをWarning Recordsから、セカンドをMuteからリリースしましたが、評判は今イチでした。1981年に今度はVirginから3枚目のアルバム”Alles ist gut”をリリースしたところ、これが爆発的に売れました。特にシングルカットされた ”Der Mussolini” は当時のディスコでよく流されていましたね。それで、彼等は4枚目”Gold und Liebe”、5枚目の本作品” Für immer”をリリースして一大旋風を巻き起こします。基本的にこれら3枚のアルバムは同じ路線で、ピロートークのように囁いたり、抑揚を効かせたりするGabiのヴォーカルと変なシンコペーションで機械のようにビートを叩き出すGörlのドラム、それとKORG SQ-10言う16ステップ・シーケンサー(シンセはKORG MS-20とARP Odysseyのみ)だけで、肉体的・官能的な音楽を作り出してしまいました。当然ながら、これら3枚のプロデュースはクラウトロックからミニマルまでを担当する敏腕エンジニアConny Plankです。そして、これら3枚のアルバムは究極のダンス・ミュージックです。ただ、彼等はこの3枚で16ステップ・シーケンサーを使い切ってしまったとも言われており、本作発表後、デュオは一旦分かれてしまいます。本作のB1は、実はDAFのファースト・シングルなのですが、国家高揚するような多重録音(?)コーラスがめちゃカッコいいです。その頃でしようか、DAFがConny Plankと一緒に来日して、法政大学館大ホールでライブをやるとこになってたのに、来日直前で突然、中止になったのは(あれはConnyが急死したからでしたっけ?)。楽しみにしてたのにィー‼️ またしても長くなってしまいましたね。すまん。本作品もカッコいいので未聴の方は体験してみて下さい。 A1 “Im Dschungel Der Liebe” (4:11) A2 “Ein Bisschen Krieg” (4:00) A3 “Die Götter Sind Weiss” (3:00) A4 “Verlieb Dich In Mich” (3:44) A5 “Geheimnis” (3:22) B1 “Kebab-Träume” (4:00) B2 “Prinzessin” (4:16) B3 “Die Lippe” (3:11) B4 “Verehrt Euren Haarschnitt” (3:22) B5 “Wer Schön Sein Will, Muss Leiden” (3:33) B1 “Kebab-Träume” (4:00) https://youtu.be/KV6NnB7CuX0?si=h9f4inU3SPCe_l2o [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lbiTzgK8te5iTiuVp9oE2l99T2xU0hFRk #DeutschAmerikanischeFreundschaft #DAF #FürImmer #Producer #ConnyPlank #VirginRecords #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Electro #DanceMusic #Drums #Sequencer #Vocal #GabrielGabiDelgado-López #RobertGörl
Neue Deutsche Welle (German New Wave) /. Electro / DanceMusic Virgin Records 2238円Dr K2