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Moebius & Plank “Material”
またまた、出ました!独逸を代表するエレクトロニクス・デュオClusterのMoebiusことDieter Möbiusと独逸が産んだ最高のエンジニア/プロデューサーConny Plankのコラボ作品第2弾”Material”を、やっと入手しましたので、紹介していきたいと思います。前回は、ファースト・アルバム”Rastakraut Pasta”を紹介しましたので、彼等2人のバイオグラフィーはそちらを読んでみて下さい。ここでは、このデュオのバイオグラフィーは省略しますね(省略しなくても皆んな、知ってますよ!)。本作品の内容はA面2曲/B面3曲となっていますので、各曲についてご紹介していきます。 ★A1 “Conditionierer” (8:49)は、いきなりノリの良いGとDrsのビートに、Bも加わってきて、更にはSlide-Gも、と言う意外過ぎるミニマルな曲です。一体、誰が弾いているの?と思ったら、Saxまで入ってきます。 ★A2 “Infiltration” (7:41)では、スローなリズムマシンとミニマルなリフを引き続けるシンセBで始まりますが、お気楽な電子音やラジオ音等が塗されて、テク無視のGやSaxや変調Vo(?)なんかも混ざってきで、最後は盛り上がります。 ★B1 “Tollkühn” (6:12)は、ちょこまかしたシーケンスとシンセBから成る曲で、時にシンバルやGっぽい音やSE風電子音も入ってきます。頭の中で鼠が走り回るような曲? ★B2 “Osmo-Fantor” (4:27)は、チープなリズムマシンとBとGらしき音から成る曲で、所々で、好き放題のSE電子音やGが混入してきます。 ★B3 “Nordöstliches Gefühl” (7:21)も、割とスローなリズムマシンとシンセBとエレピから成るミニマルな曲ですが、笛の音のようなシンセ音が「通奏高音」になっており、それに絡まるようにシンセのメロディが爪弾かれます。エレピが良い仕事してます。 ジャケ写のイメージから、環境問題とかのもっと重めの音楽を想像していたのですが、やはりMoebiusが関わっているので、そんなシリアスな音楽ではありませんでした(敢えて言うならB3が一番シリアスかな?)。そこら辺は裏切ってくれませんねぇ。A2なんかは、Plankの手腕が遺憾無く発揮されていると思います。そう言った意味で、エンジニアのPlankの名前も冠したのは、やはりエンジニア以上の何かをしたからでしようね。確かにコミカルとも言える曲調はMoebius的ですが、それをPlankが上手くコントロールしているのではないでしょうか?でも、そんな2人ももう他界しているんですよね。合掌!そしてLet’s Listen!l❗️ [full album on 2010 reissue/remastered version] https://youtu.be/76Pj-tijsWA?si=WR9bSRLmRJnmpPN1 #DieterMoebius #ConnyPlank #Material #SkyRecords #SecondAlbum #Collaboration #Krautrock #Experimental #Electronic #Synthesizers #HammerBeat #RhythmMachine #Guitar #Bass
Krautrock / Electronic Sky Records 5750円Dr K2
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Sadie Sads “Box With Little Doll”
前回、ご紹介しましたSadie Sadsの唯一のアルバム”Box With Little Doll”を早速入手しましたので、ご紹介したいと思います。今回、彼等のバイオグラフィーとは大きな違いはありませんので、本作品に関しての情報だけ加筆しておきます。メンバーは、Sad (Vo), Igarashi (G), Kazumi (B), Kan (Drs)に加えて、Takeshi (Stage Visual)がクレジットされており、更に佐藤薫プロデュースとなっております。また、LP1(甲/乙)は両面とも45回転、LP2 C面(丙)も45回転ですが、D面は33 1/3回転となっており、かなり変則的な仕様です。また、ナンバリングはされていますが、限定品ではないようです(因みに、私が購入したのは、289と印字されています)。と言う訳で、早速、各曲を紹介していきましよう。 ◼️LP1: side A(甲)/side B(乙) ★A1 “Day Dream”は、悲鳴のようなGからメタパーの乱打、そして3拍子のリズムにSadの逆回転と正回転を混ぜたようなVoが呪文のように続き、時にサンプリング音も挿入され、エフェクトの掛け方が佐藤薫らしいなぁと思います。 ★A2 “Japana”は、割とストレートでノリの良い音作りですが、ドライブするBと引き攣るGが凄いです。サビでのDrsもロータム使って大迫力!Voのエフェクトも強烈です。 ★B1 “Junk College”では、エフェクトを掛けたミニマルなBを中心に、6/8拍子のドコドコしたDrsと延ばされたG、更には珍しく朗々と歌うVoが印象的ですね。 ★B2 “W.S.D.G.”では、パルス音から始まり、やがてリズム隊がTGの”Discipline”のように演奏し始め、そこにVoが乗ってきますが、コーラスも入ります。時々、演奏の逆回転も挿入。リズムとこう言うエフェクトは佐藤薫のプロデュース力かな?と。 ◼️LP2: side C(丙)/ side D[33 1/3回転] ★C1 “L.H.O.O.Q.も、メタパーも入れていますが、割と直球勝負なポジ・パン・サウンドに仕上がっています。Voは巧みな表現力はありますが、癖が強いです。後、バックのアフリカンな合いの手も高得点です! ★C2 “Glas Bruch”は、メタパーも入れてややアップテンポで走りますが、途中、拍子とリズム、更にはテンポまで変わってしまう所が、この曲のキモですね。 ★D1 “Psi-Tech House U.N.O.”は、変調VoとDrsとメタパーで始まり、Voと共に盛り上がっていく曲です。不明瞭なノイズも聴取できますが、Bの存在感が凄いです。最後は、かなり実験的で荒涼とした曲調になって終わります。 ★D2 “Holding Easy”は、左右にパンされた電子音に合わせて、曲が始まります。テープ音やメタパーも使われており、ダブ的な要素も伺えます。初期のNeubauten的でもありますね。 ★D3 “Ai Thought”は、逆にGとDrsを使った似非民族音楽らしき小曲です。 ★D4 “Box With Little Doll”は、やや複雑な間を持った曲で、これを演奏出来ると言うスキルも凄いです。曲自体はミニマルっぽいですし、編成も通常の楽器ですが、サビ前にブレイクの入れたりして、曲構成も見事です。 今回、2LPsを聴き通してみて、誤解を承知で言えば、所謂「インテリ・ヤクザ」のような立ち位置ではなかったのかなぁと想像します。と言うのも、特にノリが良いとか、カッコ良いリフがあるとかではなく、平気で実験的な領域に踏み込んでしまえる度胸が凄いです。音作りにも、このことは当てはまりますが、今回も一点だけ付け加えるなら、メタパーの音の録り方ですね。また、今回、プロデュースを佐藤薫がやっていることも、そう言った実験的領域への踏み込みに拍車をかけているようです。まぁそれは別としても、様々なアイデアと力量で曲を作り、完奏するSadie Sadsを応援したくなりました❗️もうNeubauten云々は言わせない! https://youtu.be/C-f_RBOiTHA?si=SHzu0SurOHqctHEr #SadieSads #BoxWithLittleDoll #WechselbalgSyndicate #TelegraphRecords #FirstAndLastAlbum #2LPs #45rpm #331/3rpm #PositivePunk #GothRock #Experimental #MetalPercussions #Sad #Igarashi #Kazumi #Kan #Producer #KaoruSato #StageVisual #Takeshi
Positive Punk / Experimental Wechselbalg Syndicate (Telegraph Records) 3840円Dr K2