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Nash The Slash “The Million Year Picnic"
この人、知ってる人いますか?カナダが生んだ最高のアーティストNash The Slash❗️本名はJames Jeffrey Plewman、マルチ奏者で主にE-ViolinやMandolinをステージでは演奏してますが、Harmonica, Kbd, 鉄琴、その他の楽器も演奏します。彼の音楽はプログレからエレ・ポップ〜ニューエイジまでを含む非常にユニークな音楽です。少しバイオグラフィーを書きますが、かなり多彩なので、端折って書くことにします。彼はソロアーティストとして1975年に活動を開始しますが、翌年、プログレ・バンドのFMを結成します。一枚のアルバムをリリースした後、1977年に脱退し、1978年からソロ活動に注力します。彼は無声映画に音楽をつけたり、シュールレアリズムの画家ともコラボで曲を作ったりもしています。また、彼はアルバムにはギターを入れないことでも有名です。また、彼は1979年より、顔に手術用包帯をグルグルに巻き、サングラスにシルクハット及びタキシード姿でライブ演奏を行い、このステージ衣装が”Nash The Slash”のデフォになっています。因みに、彼のこの芸名については諸説ありますが、英国の音楽雑誌にこのことを尋ねられた時には「本名は ”Nashville Thebodiah Slasher”だから、その略称だ。」と答えたとか。それで、彼は自身のレーベルCut Throat Recordsから、1979年にソロとしてはファーストにあたるアルバム”Dreams and Nightmares”をリリースします。また、同時に、彼のサポートをしてくれるトロントのラジオ局CFNY-FMのテーマソングでヴァイオリンを演奏、DJ達も彼の音楽をかけまくりました。彼は1980年にJan and Deanの"Dead Man's Curve"のカバーシングルを出し,また、カナダのTVや映画のサントラの仕事をしつつ、英国Gary Numanや米国The Tubesのツアーにも同行しています。1981年にリリースした”Decomposing”は44, 33, 78回転のどのスピードでも再生できると言うNON顔負けのレコードでした。また、Iggy Popからもラブコールを受けてIggyのツアーにオープニングアクトとして帯同しています。1982年に5枚目のアルバム”And You Thought You Were Normal”をリリースし、更に、バンドFMのメンバーのヘルプを借りて1984年に ”American Band-ages“もリリースしていきます。それで、彼はアメリカ進出も果たし、セルフ・リミックス・アルバムである本作品”The Million Year Picnic”をThe ResidentsのレーベルRalph Recordsからリリースしていきます。1992-1993年に彼はPlexusと言う電子音楽家とコラボして,強烈なライブの視覚効果を生むPsychedelitronを開発し、1993-1995年のライブで使われています。2012年11月6日に彼のWeb上でリタイアすることを告知し、「インターネットでの音楽の搾取は大切な収入をぶっ壊した」と表明しています。その後、2014年に彼は心不全で亡くなります。以上が彼のバイオになりますが、中々、多彩な活動をずっとしてきたアーティストだったんですね。 それで、本作品ですが、前述のようにセルフ・リミックス・アルバムで、かつ自分の作品からの持ち出しを集めたアルバムなので、統一感は今一つなのですが、ストリングス・シンセとリズムボックスに、エフェクトをかけたE-Violinで、かなりドラマティックな演奏をしており、キャッチーなメロディの曲が多いです。ギターのように聴こえるのはマンドリンかシンセでしょうね。またらライブではどのように演奏していたのか?(多分テープを用いたんでしょう)が気になるところです。”Dead Msn’s Curve”は名曲ですね。ただ、Voとしての彼の歌唱はややパンチにかけるかな?最初に書いた様に、プログレ畑からニューウェーブやニューエイジ的なアプローチを行なっているので、単にポップなだけではないようにも思えます。アメリカでのリリースがThe Residentsのレーベルなのも納得です。機会があれば聴いてみて下さい。 クレジット A1 “The Million-Year Picnic” A2 “Swing Shift (Soixante-Neuf)” A3 “Blind Windows / Countervail” A4 “Lost Lenore” B1 “Dead Man's Curve” B2 “The Chase” B3 “Pilgrim's Lament” B4 “Life In Loch Ness” https://youtu.be/kJ8NmZ0fmAo?si=v2j3lmxJCTrI4P4J #NashTheSlash #TheMillionYearPicnic #Canada #RalphRecords #FM #MultiInstrumentalist #Violin #ElectricMandolin #Keyboards #Synthesizers #Glockenspiel #ProgressiveRock #NewWave #NewAge #SelfCompilation #Album
NEW WAVE Ralph Records 1000円?Dr K2
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Danielle Dax “Inky Bloaters”
英国固有の音楽を提示してきたDanielle Daxのソロアルバム3作目です❗️1976年にミス・イヴニング・エコーになっていた彼女は、1979年にLemon Kittens(その時はAmii Toytal & the Croixroads名義だったそうです)にキーボード兼サックス兼フルート奏者として加入し、Reading Universityの学生団体が運営するAirport Barで初デビューを飾っています。彼女はKarl Blakeの強い要望によりLemon Kittensに加入し、2枚のアルバムと2枚のシングルを出しましたが、その時のジャケは彼女が担当しています。その後、彼女は、Robert FrippのLeague of Gentlemenにジャケや歌で参加したり、 Robert Frippのソロアルバム”Let the Power Fall”でも参加しており、また、Bombay DucksではRobert Wyattとのデュエットでも参加しています。1982年に、Lemon Kittensは「冬眠」に入り、それで、Danielleはソロ活動を始めました。彼女はマルチインストメンタリストなので、最初のソロアルバム”Pop-Eyes” (このジャケ写は強烈ですね)は全てのパートを彼女自身が演奏して作製され、1983年にIRCよりリリースしています。その後は、David Knightらの協力もあり、セカンド・ミニアルバム “Jesus Egg That Wept”を1984年にリリース、そしてサードアルバム”Inky Bloaters”を1987年にリリースし、それが本作品になります。その後、彼女は順調にアルバムやEPをリリースしていきます。また、彼女は映画にも出演したりしていましたが、1995年に音楽活動を停止し、 翌年には、BBC のインテリア・デザイン番組Homefrontで、Designer of the Year Awardを受賞したりしています。 それで本作品について紹介します。先ず、ジャケ写が豪華で美しいのに目を引きますが、内容もかなり凝ったポップミュージックになっています。Lemon Kittensが骨折したアヴァン・ポップだったのに対して、本作品は時々、中東風のメロディーもある無国籍ポップミュージックに仕上がっています。殆どのパートも彼女が演奏していますが、盟友David KnightやIan Sturgessも参加しており、表情豊かな音楽になっています。よく彼女の音楽をケルティックとかと評されることが多いですが、私は余りそうは思わないんですよ。寧ろ、アラビックな感じですね。それからアレンジの妙で気づきにくいのですが、割とミニマルなコード進行なのではないかと思います。また、個人的に、彼女のイメージは、丁度、Kate BushとDiamanda Galasの中間みたいなんですが、多分に彼女の歌い方が両者に共通点があるように思えます。そんな多才なDanielle Daxのカラフルなポップミュージック「真っ黒焦げの燻製鰊」(歌詞の謎解きも面白い)にも機会があれば、触れてみて下さい。 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL933E11E4EC2B0522 #DanielleDax #InkyBloaters #LemonKittens #PopMusic #Multi-instrumentalist
Experimental Pop Vap (Awesome Records) 1000円?Dr K2
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Mr. Partridge “Take Away”
今回は、Mr. PartridgeことAndy Partridgeのファースト・ソロ・アルバムです。Andy Partridgeと言えば、XTCのリーダーにして、Vo/Gとして有名ですし、また、英国ポップソングの頑固なソングライターでもあります。XTCは、近年はライブを一切やらないバンドになりましたが、デビュー当時は、英国テクノポップ・バンドとして活動していました。元々、洒落好きで、本作品もそうなんですが、XTCの変名サイケバンドThe Dukes of Stratosphearでモロ60年代のサイケなアルバムを作ったり、また、”Go+”と言う実験的な曲(元々はバリー・アンドリュースのアイデアらしい)から成る12㌅EPをXTCのセカンドアルバム”Go 2”の特典につけたりしています。そんなAndyのソロは、XTCのアルバム”Drums and Wires”辺りの作品からの曲を素材にして、原曲がひん曲がるくらいに加工したホワイト・ダブな作品になっています。レゲエのダブが身体的なのに対して、本作品もベースの重たさはダブ的なんですが、よく聴いてみると、極めて断続的かつシャープに音は削られ、ドラムにフランジャーかけたり、ドラムの変則的な演奏を取り出してみたり、再生速度を変えてみたりして、恣意的で、何とも異質で異形な音楽になっています。所謂、レゲエのダブがディレイとかエコー処理を感覚的にやっているのに対して、本作はエコー処理などは控えめで、ベースの重たい音処理位しか共通点が見い出せません。なので、ホワイト・ダブと言っても、原曲を異化させると言う意味で、ダブ的であると言う意味です。そんな歪でファンキーな音楽を一度は試してみませんか?面白いよぉ〜。 フルアルバム。 https://youtube.com/playlist?list=PLsq9i9wjMUCW5I3U0JNPwyUncOUaunL1y “Cairo” https://youtu.be/YQnK5mFk4iQ #AndyPartridge #TakeAway #Dub #WhiteDub #XTC #Experimental #Avant-Pop
Experimental Dub Virgin Records 1000円?Dr K2