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Pyrolator “Inland”
Neue Deutsche Welleの中心にいたDer Planのキーボード奏者にして、音学的頭脳、Kurt DahlkeことPyrolatorの最初のソロアルバムが、この ”Inland”です。彼は、Der Planに加入する前は、D.A.F.やFelharbenと言うNDWのど真ん中にいました(Deutsch Amerikanische Freundschaft [D.A.F.]のバイオを参照) 。そこで先ず、Kurt Dahlkeのバイオグラフィーをおさらいしておきましょう。1978年にD.A.F.に加入しますが、翌年、脱退し、Der PlanとFehlfarbenに加入します。前者としては1992年まで、後者は1980年まででしたが、2002年にメンバーとして戻ってきます。また、近年、Der Planも再結成され、彼もまたメンバーとして復活しています。また彼は初期の頃からレーベル活動もちゃんとしており、最初期(1978-1979年位?)にはWarning Recordsを、その後にATA TAK (Art Attackの略語)を創設し、正にNDWの中で最重要レーベルの一つになります。ATA TAKはDer Planの趣味もあるのですが、どちらかと言うと、ちょっとふざけたような諧謔性を持ったバンドやアーティストの作品をリリースしていました。その後、彼は、1983年に”Die letzte Rache”の映画音楽を、1985年にも”Grottenolm”の映画音楽を、更に2011年には”Das schlafende Mädchen”のサウンド・デザイナーを担当しています。1985年に、彼はArnd Kai Klosowskiとのコラボで、数十台のカセットテープ(所謂、カセット・ウォークマン)による「サンプラー」とも言うべき楽器を使って ”Hometaping Is Killing Music”をリリースしており、彼の先見の明が花開いた傑作になっています。その後、1996年には、彼は、Der PlanのメンバーであるFrank Fenstermacherとコラボ・アルバム”A Certain Frank”をリリースしたりしています。 それで、本作品ですが、これはPyrolatorとしての初のソロアルバムで、1979年に自身のレーベルWarning Recordsからリリースしますが、Der Planなどの様なファニーな音楽ではなく、ドローン調のシンセを中心に、時にパルスやリズミックなシンセ音も入るダークなエレクトロニック・ミュージックになっており、彼の作品の中でも異色作と言えますね。また、メロディはあっても暗めですね。多分、丁度、英国のThrobbing Gristleなどがイギリス国外でも知られるようになってきたことや、最初期のD.A.F.でのジャム・セッションからの影響もあるのではないかと推測します。彼は専ら、ハードウエアーとしてBuchlaの(モデュラー)シンセと手圧に反応するインターフェイスを使っていたとのこと。西海岸的な自由な音作りが性に合ったのでしょう。その後のソロアルバムなどからすると、ジャケもやけに素っ気なく、インダストリアルな感覚が垣間見れますね。ちょっと異色ですが、こう言う面もPyrolatorにはあると言うことで、是非聴いてみてください。因みに、今回、彼が使った機材は、Korg MS-20 synthesizer, SQ10 sequencer, B20R home organ, Davolisint synthesizer, Logan string orchestra, dual-channel tape machineとのことです。 A1 “Minimal Tape 1/2.3” A2 “It Always Rains In Wuppertal” A3 “Inland 1” A4 “Minimal Tape 1/8” A5 “Danger Cruising” A6 “Inland 2” B1 “Inland 3” B2 “Minimal Tape 3/7.2” B3 “Bärenstrasse” B4 “Have A Good Ride” B5 “Inland 4” B6 “Nord Atlantik” [full album + bonus tracks] https://youtu.be/8DBtMnRV5Cs?si=dEb5LZ6SSSY-foSV #Pyrolator #Inland #KurtDahlke #WarningRecords #ATATAK #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #DerPlan #ElectroMusic #Synthesizers #InstrumentalTracks
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Warning Records 2200円位?Dr K2
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Deutsch Amerikanische Freundschaft “Produkt Der Deutsch-Amerikanische Freundschaft”
でました!DAF(独米友好同盟)のファーストアルバム❗️その前におさらいを。DAFは1978年にDüsseldorfで、メンバーは、Gabriel "Gabi" Delgado-López (Vo), Robert Görl (Dr, Perc, Synth), Pyrolator ことKurt Dahlke (Synth: Der Planに加入), Michael Kemner (B)及びWolfgang Spelmans (G: 後にMau Mauを結成)からなります。翌年、Kurt Dahlkeの代わりにChrislo Haas (Synth, B, Sax)が加入します。1981年からはGabiとGörlのデュオになることは前回書いたと思いますので、ファースト・アルバムのことを少し詳しく書きたいと思います。 本作品は、初期のメンバーからKult Dahlke (Synth)が抜けて、Chrislo Haas (B, Sax. Synth)が加入したかしないかの頃かつWolfgang Spelman (G)とMichael Kemnar (B)が脱退する前に(脱退してMau Mauを結成するのが1981年)、作製されているようです。なので、1979年の録音と言うことになります。ここで聴かれるサウンドは、有名になってからのデュオ期(GabiとGörl)のものとは大きく異なっており、かなりパンキッシュなジャム・セッションが使われております。多分、何処かのスタジオで一発録りだと思われますが、セッションの断片がすぐにフェイド・アウトしてしまうので、何だかちょっと物足りない感じがします。曲数、もっと減らしてもいいから、一番良いテイクを片面ずつに納めて欲しかったですね。それから、今気づいたんですが、このアルバムにはヴォーカルが入っていないですね。Gabiはどうしたんだろう?と思ってしまいます。それと、当たり前ですが、収録曲に曲名はありません。因みに、このアルバムは、Der Planに移ったKult Dahlkeが設立したWarning Recordsの1番最初のアルバムLP(型番 NR. 00001)としてリリースされています。その後、Warning RecordsはATA TAK (Art Attackからの引用)にレーベル名を変えます。そんなDAFの始まりを真空パックした作品にも触れてみて下さい。 A1 “Untitled” (0:44) A2 “Untitled” (1:03) A3 “Untitled” (0:19) A4 “Untitled” (2:33) A5 “Untitled” (1:07) A6 “Untitled” (0:45) A7 “Untitled” (0:43) A8 “Untitled” (1:48) A9 “Untitled” (0:55) A10 “Untitled” (3:15) A11 “Untitled” (0:59) A12 “Untitled” (1:19) B1 “Untitled” (0:36) B2 “Untitled” (1:41) B3 “Untitled” (0:25) B4 “Untitled” (1:47) B5 “Untitled” (1:24) B6 “Untitled” (2:08) B7 “Untitled” (1:32) B8 “Untitled” (1:13) B9 “Untitled” (0:31) B10 “Untitled” (3:07) https://youtu.be/os_a0AybDJM?si=yBdlljtU4rTUjTp1 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL22Aa1wSmDcWyMf3phfMip1nm0xsHqrlF&si=fp4HTOOWBNh-CnEG #Deutsch-Amerikanische Freundschaft #DAF #ProduktDerDeutsch-AmerikanischeFreundschaft #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #WarningRecords #FirstAlbum #JamSession #Düsseldorf #GabrielGabiDelgadoLópez #RobertGörl #MichaelKemner #WolfgangSpelmans #KurtDahlke #Pyrolator #ChrisloHaas
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Warning Records 不明Dr K2
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Der Plan “Geri Reig”
これは、昔、CDで購入したものを通学電車の中でよく聴いていたんですが、やっぱりアナログが欲しくて、後から購入しました。そうです!Der Planのファースト・アルバム”Geri Reig (ゲリ・ライク: Geriの輪舞の意)”です!前回、彼らの6枚目のアルバム ”Es Ist Eine Fremde Und Seltsame Welt”を紹介しましたので、バイオグラフィーはそちらを参考にしてください。これは当時、Neue Deutsche Welle (German New Wave)が日本で大々的に大旋風を起こした時(ホントは局地的な盛り上がりでしたが)に、友達に聴かせてもらったのが、NDWへの始まりでした。そのちょい前のロック・マガジンの特集で、独逸のそのような動きについて興味を持っていましたが、現物は中々手が届かなかったのと、余りにマイナーな独逸のカセット文化(Tape Klar!やCassetten Combinatなど)に興味を持ってしまったので、逆に如何にもNDW的なDer Planなどは素通りしていました。NDWが何故面白かったか?と言うと、まずは(安物)シンセなどの電子楽器を使ったグループが多かったのとパンクのDIY精神で「面白ければ下手でも良い」がブレンドされたところでしようか?Der Planもその名の通り、「道化」を演じていたし、何よりも初来日では演奏のテープ流して、ストリップ・ショーをやっただけと言う勝手さが何よりも面白かった。このファーストアルバムも、何よりもプリミティブなシンセ使い(音楽的にはPyrolatorことKurt Dahlkeが頭脳を担っていた)と演芸会のような下手くそな歌が素晴らし過ぎる。また、曲の間にチョロっと咳き込む声や笑い声、物を食べる時の音なんかを挟んだり、当時のDAFをおちょくるような曲 ”Hans Und Gabi”とかをやったりと、実に面白いです(因みにDAFのRobert GörlはDer Planの元メンバー)。そこら辺の洒落が分かると益々楽しい、そんなアルバムです。因みにこのアルバムはATA TAKからではないです。まあ、聴いてみてちょ! クレジット曲順 A1 “Adrenalin Lässt Das Blut Kochen” (3:10) A2 “Geri Regi” (2:35) A3 “Persisches Cowboy-Golf” (1:18) A4 “Gefährliche Clowns” (3:18) A5 “Kleine Grabesstille” (1:04) A6 “Der Weltaufstandsplan” (2:43) A7 “Hans Und Gabi” (3:10) B1 “Commerce Extérieur Mondial Sentimental” (2:39) B2 “Was Ich Von Mir Denke” (3:38) B3 “San José Car Muzak” (2:56) B4 “Erste Begegnung Mit Dem Tod” (0:51) B5 “Ich Bin Schizophren” (2:39) B6 “Nessie” (1:29) B7 “Gefährliche Clowns (Manisch Idiotisch)” (4:57) B8 “Die Welt Ist Schlecht” (1:52) https://youtu.be/oMwBGTxNdig?si=q0ZzmvM8XzxntAMC #DerPlan #GeriReig #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #WarningRecords #ExperimentalPop #Electro #FirstAlbum #Synthesizers #FrankFenstermacher #MoritzR #Pyrolator #KrutDahlke #ArtAttack #ATATAK
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Warning Records 不明Dr K2