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V. A. “Masse Mensch”
このコンピ・アルバムって、独逸Selektionのカタログ番号SLP001なんだ❗️メンツも流石のセレクトですね。独P16.D4は当然として、豪Laughing Hands, 英Nurse With Wound, 英The Work, 米Smegma, 仏D.D.A.A.なんですよね。P16.D4のことに関して、特にWahrnemungenからSelektionへの移行のことや参加グループのことも書いてありますので、過去の紹介文をそれぞれ参考にして下さい。 それで、早速、内容ですが、どのメンツも濃ゆいです。A1 Laughing Hands (豪)は、脈打つ動脈のようなキックに不明瞭な音やテープ音が連なっていくフリーロックを思わせる曲で、独特の雑食性を感じさせる音楽です。 A2-4 P16.D4 (独)は、単調なベースにギターやテープ音やらが絡みついていく曲から始まり、フリーキーなギターやムーディーなSAXやピアノに導かれ、楽器/非楽器/テープ音の区別なく、コラージュされた3曲を提供。A4ではVoも入ってます。A5 Nurse With Wound (英)は高音質のコラージュ作品で兎に角、細部まで行き届いた音素材の使い方が絶妙で、あのPeter “Sleezy” Christophsonから譲り受けた鉄製の椅子も使われている模様。B1-2 The Work (英)は、女性Voも交えた、複雑なレコメン系プログレ・ロックを奏でています。緊張感溢れるインタープレイです。B3 Smegma (米)は、とっ散らかったようなゆる〜い即興演奏で、The Workの対極に位置する音楽ですね。何だか未開の現地人の音楽のよう。B4-6 D.D.A.A. (仏) は、正式名称Déficit Des Années Antérieuresで、Jean-Luc André, Jean-Philippe Fée, Sylvie Martineauから成るトリオ。色んな楽器/非楽器を組み合わせたアヴァン・ポップを演奏するバンドで、瓶を叩いたり、メタルを叩いたり、かと思えば、シンセのパルス音を使ったりと変幻自在の音の玩具箱の如し。とまあ、当時、旬だった実験音楽的地下音楽のサンプルとしては非常によい指標になると思います。因みに、表ジャケはSteve Stapletonによるもの。世界は面白い音楽に溢れていたんだなと感心すること然り。未聴の方は是非とも、聴いてみてください。 P16.D4 “Ereignisse BI-VIII” https://youtu.be/DMjRwuF3l80 Smegma “Pup Tide” https://youtu.be/xsmdmBU4Pfo #MasseMensch #Selektion #VariousArtists #LaughingHands #P16.D4 #NurseWithWound #TheWork #Smegma #D.D.A.A. #Noise #Experimental #Collage #RecommendRecords #LAFMS #IllusionProductions
Noise / Experimental Selektion 不明Dr K2
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P16.D4 “Tionchor”
もう私にとって、何時の時代も、アイドルであるのが、独逸のP16.D4なのですよ。もう解散したのが、惜しいところなんですが、そのリーダーでもあるRLWが今も活動しているのが救いですね。P16.D4のバイオグラフィーは既に書いていると思いますので、ここでは省略させて頂きますね。本作品は、彼等の新しい音源と言うわけでは無く、コンピとかに入れた曲を集めたセルフ・コンピなんです。持っているかと思って探したんですが、無かったんで、eBayで買いました。P16.D4の名前の由来をもう一度。元々はProgressive Discoであり、それの頭文字を取ってPDになります。そしてPがアルファベットで16番目、Dが4番目と言うことで、P16.D4となった訳です。まあ、そんな豆知識は置いておいて、本作品の紹介をしますね。1981年から1986年の間にP16.D4が曲を提供したコンピとかの音源を多少ミックスし直して集めたセルフ・コンピです(わざわざ、ミックスをいじって収録するところが、彼等らしいです)。それで彼等のメンバーを紹介しておきます。Ralf Wehowsky (リーダー), Stefan Schmidt, Roger Schönauer, Ewald Weberの4人組です。元々は Ralfとかが積極的に関わっていたので、彼が仕上げた曲は多いのですが、それでも、他のメンバーが仕上げた曲もそこそこあります(realizationと言う言葉で仕上げを表しています)。またここに収められている曲が入っているコンピは37作品あり、この頃が最も脂の乗っていた時期ですね。彼等は、ライブをやると言うよりも、自分達のスタジオで、テープを切り貼りしたり、逆回転したり、ループにしたり、いじったりして、コラージュのように曲を作るのが特徴で、様々な音源(勿論、生音源とテープに録音された音源)を組み合わせています。ロックが出自なので、やはり、ギターやベースの音も使われていますが、コーラス隊の歌唱や金属製の家具を叩いたり、或いはヴォーカルなどの断片を使ったりと、引き出しが多いですねぇ。この時期はまだPCは使っていませんね。語り出す時止まらなくなるので、ここら辺で切り上がりますが、ノイズを演る人皆んなに聴いて欲しい音楽が詰まっています。そんなアルバムとなっていますので、是非とも聴いてみてください❗️ A1 “Physisch Erschöpft” (3:44) A2 “Koronardilatation” (3:11) A3 “Distruct Fragment Zero” (1:52) A4 “Aktion: Leer. Korn; Bier” (1:29) A5 “Setebos” (2:52) A6 “Inkubationskreise” (2:58) A7 P16.D4 &S.B.O.T.H.I. “85/86/83” (1:14) B1 “Bürgerliche Illusionen” (1:38) B2 “Strauchelnde Säulen” (1:51) B3 “Aus Angst Davor, Zu Ersticken, Sprach Er Beim Essen Nie” (3:33) B4 “Just Call Me Vacuum Head” (2:30) B5 “‘Okay’ She Said With Her Customary Total Lack Of Consideration” (1:19) B6 “SBII: Pionierchor ‘Diamat’” (3:58) B7 “Mal Vu” (2:41) B8 “Virtuell Ausgemerzt” (3:23) A1 “Physisch Erschöpft” (3:44) https://youtu.be/AVquWTNgGpU?si=qATkTUNsG76tDyR7 A2 “Koronardilatation” (3:11) https://youtu.be/zHwr5T70IxI?si=q7SPktrv7o901E04 A3 “Distruct Fragment Zero” (1:52) https://youtu.be/w3e3OtSex0I A4 “Aktion: Leer. Korn; Bier” (1:29) https://youtu.be/I4HD2JBXIVo?si=25PcHaSYTnhvZ-gJ A5 “Setebos” (2:52) https://youtu.be/Sz-dROh01Cw?si=lCk9UpMIO5LjhPkI B1 “Bürgerliche Illusionen” (1:38) https://youtu.be/Hr1TecyYiPM?si=oYdOpQLY2caiSWx7 B2 “Strauchelnde Säulen” (1:51) https://youtu.be/-RCvc2s3FSk?si=MUZtVGdjyNZ7Jg9t B3 “Aus Angst Davor, Zu Ersticken, Sprach Er Beim Essen Nie” (3:33) https://youtu.be/7dvSRjX2nrA?si=-N4etvTUQReM-d3J B5 “‘Okay’ She Said With Her Customary Total Lack Of Consideration” (1:19) https://youtu.be/POP25_WcLFY?si=zWAof3Ubgy9mCkOa B6 “SBII: Pionierchor ‘Diamat’” (3:58) https://youtu.be/QXVF4lwF_Us?si=PF0rs2ktOAevkUO8 B7 “Mal Vu” (2:41) https://youtu.be/zmgbFs7LCpg?si=gZksMJnqpf4eiqcP B8 “Virtuell Ausgemerzt” (3:23) https://youtu.be/Hb_SiALoTIA?si=BDoD9C_luwuWVttM #P16.D4 #Tionchor #Selektion #SelfCompilation #Remix #SoundCollage #Noise #Experimental #RalfWehowsky #StefanSchmidt #RogerSchönaue #EwaldWeber #GermanUnderground
Experimental / Noise / Sound Collage Selektion £70.00Dr K2
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S.B.O.T.H.I. “and”
以前に、P16.D4とのコラボ盤”N.N.N.N”についての紹介の時に、少し触れたS.B.O.T.H.I. (Swimming Behavior Of The Human Infant)はコンセプチュアル・メディア・アーティストAchim Wollscheid (アヒム・ヴォルシャイド)のソロユニットです。今回は、そんな彼の3枚目(単独では2枚目)のアルバム”and”の紹介です。彼は寡作ですが、毎回、何らかのコンセプトを持って作品を発表しています。また、彼の作品は、殆どが独逸Selektionからリリースされています。因みに、レーベルをWahrnehmungenからSelektionに立て直した時に、彼とRLWことRalf Wehowskyが共同で創立したとのこと。1980年末の時代は、ロック界では、マッドチェスターが出てきて、ドラッグとレイブによる享楽主義が席巻している時代だったと思うのですが、そんな時代に、こんな渋いノイズ・ミュージックを、しかもピクチャー盤で出すのも如何なものかとも思うのですが、彼にとっては必然だったのでしょう。内容は加工された具体音や無機質な電子音などのカットインと持続音の混合物から成り、何かスコアでもあるのかな?PCで編集しているかな?と勘ぐりたくなります(恐らくブラックボックスとしてPCは使っていそう)。彼の音楽の曲自体は、それ程面白いものではないと(人それぞれだけど) 思うのですが、この音楽にどんな謎解きがあるかを想像しながら、聴くのも一興かと思います。私にはそのコンセプトは判然としませんでしたが、謎は更に深まった感じです。Achimは来日もしており、Merzbowとのコラボもやっています。謎多きS.B.O.T.H.I.ですが、この謎解きに挑戦してみてはどうでしょう?何かあるかも。 “Memory a. a.O.” https://youtu.be/8ySH0zTMra8 “-1”[他の作品より] https://youtu.be/_BCr-oH4E7o #S.B.O.T.H.I. #AchimWollschid #Selektion #Multimedia #Conceptual #Art #CutUpMethod #PictureDisc
Experimental, noise Selektion 不明Dr K2
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P16.D4 & S.B.O.T.H.I. “Nichts Niemand Nirgends Nie!”
またまた出ましたよぉ❗️今回は独逸実験音楽界の至宝P16.D4と独逸コンセプチュアル・アーティストAchim WollscheidのS.B.O.T.H.I.(Swimming Behavior Of The Human Infantの略)のスプリット・コラボレーション作品です。70年代後半から始まった前者と80年代から突如現れた後者がそれぞれの楽曲を単独及びコラボ、ライブ、更にそれらをもトランスフォームした曲が収録されていると言う、中々Selektionらしい作品です。丁度、秋田昌美氏が書いた、日本語による各盤面の収録内容を解説したペラ紙が同封されていましたので、それを参考にしつつ聴いていきたいと思います。まず最初に、この作品が何故作られたのかを書いていきます。大きなコンセプトとして、前作”Distruct (Distant Structure)”で試みられた、郵便利用で、世界のアーティストやグループから生の音素材を送ってもらい、それらを綿密に加工、切り貼り、変調し、組み立てて、曲を作っていくと言う “Exchanged Music”と呼ばれる方法論をP16.D4は実践しています。今回は、その”Exchanged Music”の方法論を逆に狭い範囲(近い範囲)で用いて、とことんやってみることに主眼が置かれています。なので、今回はP16.D4とS.B.O.T.H.I.の二者間のみで行われており、その実験結果が本作品なのです。A面はP16.D4の単独スタジオ録音で、B面は多数の他者から集めた音源の加工・変調を既に施したS.B.O.T.H.I.のスタジオ録音から成ります。C面は、両者のコラボ・ライブ録音(即ち、距離の無いコラボレーションとしての”Exchanged Music”)が収録されており、D面に至っては、A面からC面(一部は、D面も)を新たな音素材として、両者が加工・変調・トランスフォームした曲が収められています。何だか、色々な音源がリサイクルされて、どんどん形を変えていくと言う、「終わりなきコラボ」みたいなプロセスこそ、本作品の最大の特徴と言えます。因みに、本作品の意味を調べてみると「どこにも決して無い」と訳するらしいです。如何にも彼等らしいネーミングですね。 ◼️LP1 A1 P16.D4 “Passagen-Kryptokontur” A2 P16.D4 “|=:-|/*|-;-|” A3 P16.D4 “|:"/"|” A4 P16.D4 “Virtuelle Altäre” A5 P16.D4 “Neger Am Laster” B1 S.B.O.T.H.I. “My Life In The Mailbox” B2 S.B.O.T.H.I. “V” B3 S.B.O.T.H.I. “Dynasty” B4 S.B.O.T.H.I. “Ave Maria B5 S.B.O.T.H.I. “Blue B6 S.B.O.T.H.I. “Ribbentrop” B7 S.B.O.T.H.I. “Rip'd'drop” B8 S.B.O.T.H.I. “Shavers” B9 S.B.O.T.H.I, “Bunte Herrentaschentücher” B10 S.B.O.T.H.I. “178” ◼️LP2 C1 P16.D4 + S.B.O.T.H.I. “My Last World Will Be” C2 P16.D4 + S.B.O.T.H.I. “Ex Post Facto” C3 P16.D4 + S.B.O.T.H.I. “Rotron II” D1 S.B.O.T.H.I. + P16.D4 “The Other Cellophane Upsurge” D2 S.B.O.T.H.I. + P16.D4 “7 Abschnitte” D3 S.B.O.T.H.I. + P16.D4 “Syntax Der Zerlegten Sinne” A4 P16.D4 “Virtuelle Altäre” https://youtu.be/eUdECeSjFVE?si=r8fGZeiGOrHBsfeu A2 P16.D4 “|=:-|/*|-;-|” https://youtu.be/-uK3iFEJQXo?si=d1wl_pHfJLti2UWT B1-10 S.B.O.T.H.I. https://youtu.be/0d5VRLi3Lfg?si=VXgZiHyLYSDBdx5n C1 P16.D4 + S.B.O.T.H.I. “My Last World Will Be” https://youtu.be/jQ3Ti5gCPjs?si=YdNqLgqDaDGu8edT D1 S.B.O.T.H.I. + P16.D4 “The Other Cellophane Upsurge” https://youtu.be/ldYVkj4f7bk?si=arQ2JGNRXX3ETbMI #P16.D4 #S.B.O.T.H.I. #SwimmingBehaviorOfTheHumanInfants #NichitsNiemandNirgendsNie! #ExchangedMusic #ElectroAcoustic #Selektion #Collaboration #Experimental #ConceptualAlbum #GermanNoise #EwaldWeber #MakxsCaspers #RalfWehowsky #RogerSchönauer #StefanSchmidt #AchimWollscheid
Experimental / Noise / Sound Collage / Collaboration Selektion ¥4000位?Dr K2
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P16.D4 “Kühe In 1/2 Trauer”
以前に少し紹介しました、独逸が世界に誇る実験ノイズ・グループP16.D4(独逸語読みなら「ペー・ゼヒツェン・デー・フィア」でしようか?)が、自身のレーベルSelektion(「ゼレクツオーン」と読む)からリリースした正式なファーストアルバムが、本作”Kühe In 1/2 Trauer (「キューヘ・イン・ハルブ・トラウアー」と読む)になります。まず、その名の由来なんですが、元々彼らはProgressive Discoからイニシャルで、P.D.を名乗ります。更にメンバーの発展的変換から、自らをP16.D4と名乗るのですが、それはPがアルファベットの16番目の文字で、Dが4番目の文字だからだそうです。彼等は、地方の工業都市Meinzで、1980年1月にP.D.として結成され、現代音楽に影響を受けただけでなく、フリーミュージック、パンク、ディスコ、サイケや実験音楽をも取り入れた新しい音楽を作成してきたそうですが、その年末にはP16.D4とPermutative Distortionに分裂し、そこから前者が頻繁に活動していくことになったそうです。そのP16.D4ですが、メンバーはRalf WehowskyとRoger Schönauer及びEwald Weberが最初でしたが、本作のあとStefan E. Schmidtが加わりました。彼等はインダストリアルと不協和音の間で、執拗なテープ操作やループの作成、実際の演奏やコーラスとかライブ録音とかを加工し、コラージュのように音と音を切り貼りしながら、非常に緻密な音響的ノイズ・ミュージックを作り出しました。その成果がよく分かるのが、1982年にリリースされた本作品だと思います。本作は本人達に言わせるとダダイズムの自由奔放なところと表現主義の厳格なところとの混合物であるとのこと。しかし、私が最も驚いたのは、Ralf曰く、「我々は7秒間の録音をするのに2週間かけることもある。」と言う音に対する執念です。ライブ活動はこの時期は余りやっておらず、専ら、音の実験室における密室録音作業に励んでいたようです。また、過去のライブ音源(カセットとかで録音したもの)とかを他の音源と同列に再生してカット・インしたりするアイデアにも舌を巻きました。そう言う意味で、本作は、英国Nurse With Woundとはまた異なるベクトルを持った、非常に緻密で論理性をも感じさせるサウンド・コラージュ・アルバムとなっています。個人的には、彼らが余りシンセなどの電子楽器を安易に使っていないこともあって、この頃から、私はすっかりファンになってしまい、1995年に、RLWことRalf Wehowsky氏とのコラボ7㌅をリリースすることが出来たのは大変嬉しかったです。因みにRalf自身の本職は法律関係の仕事をしているらしいですが、今でもRLW名義で作品をリリースしています。そんな訳で、このアルバムはほんとに完成度が高い作品なので、是非とも聴いてみて下さい。 A1 “Default Value: Störeingabe” (3:48) A2 “5/4/3/2/1/Wand” (1:11) A3 “Ekstase Des Sozialismus” (5:13) A4 “He's Afraid Of The Way The Glass Will Fall - Soon - It Will Be A Spectacle: The Fall Of A Crystal Palace. But Coming Down In Total Blackout, Without One Glint Of Light, Only Great Invisible Crashing” (6:39) A5 “Dumpfes Begleitegfühl” (4:05) B1 “Kühe In 1/2 Trauer” (6:21) B2 “Paris, Morgue” (3:19) B3 “Anselm Weinbergs Flucht In Den Odenwald” (5:33) B4 “Rückplötzlich (Scheitze)” (2:48) B5 “Hammer/Zange/Hebel” (3:00) https://youtu.be/V_DTW2Al5s4?si=L7dRLQ5dyV0-ntuV #P16.D4 #KüheIn1/2Trauer #Selektion #SoundCollage #Experimental #MusiqueConcrete #1982-1983年 #GermanUnderground #PD #Wahrnehmungen #RalfWehowsky #EwaldWeber #RogerSchönauer
Noise / Experimental / Sound Collage Selektion 不明Dr K2