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V.A. (小泉文夫:編集) “トルコの音楽 (Music of Turkey)”
私、こう見えても,民族音楽にハマってた時期があるんですよ。その中でもハマったのが、この「トルコの音楽」ですね。ソロの朴訥とした唄もいいんですが、B面前半の大勢で演奏・歌唱する軍楽曲がマーチ風なのに、何だかちょっと悲しげな曲調が堪らなかったですね。そこは何度も何度も繰り返し聴いてましたね。また、A面前半の子供の童歌も素朴な感じが出ています。因みにトルコの子供は鞠付きや縄跳びでは歌わずに、踊りを踊る時には思いっきり歌うみたいです。A面後半の男女混成合唱曲(元々はトルコには混成合唱曲は無かったみたいです)もLibachみたいでかっこいいです。と言うのも、大勢の人が一緒に合唱すると言うシチュエーションに、私はゾクゾクするんです。しかも変拍子!そしてB面後半の擦弦楽器と独唱からなる曲が収められているのですが、何となくもの悲しい感じなんです。解説を読むとトルコの古典音楽なんですが、演奏者にある程度の即興性が認められているみたいです。楽理学的には色々考察もできるとは思いますが、私にはそんな能力はないので、専門家に任せます。恐らくは、トルコの栄華と侵略の歴史と文化の融合が何らかの形で現れているのでしょう。そう言う観点から、私は東欧からトルコ〜中東辺りの音楽は割と好きです(中東と言うとMuslimgauze、ビザンチンと言うとSPKですね!)。そんな唄を聴きながら、横になってぼーっと聴いているのも一興ではないでしょうか? 因みに、編集者の小泉文夫氏は1959〜1977年の間に、世界中の民族音楽を収集し、それぞれ地域別にまとめて、シリーズ化しています。当時はラジオ番組かレコードだけでしたので、このレコード・シリーズは、私には良い指標になりました。彼は東京大学文学部美学科卒の民族音楽研究家であり、彼の収集した世界の民族音楽のライブラリーは凄いものらしいです。現在では71枚組みCDボックスセット(Merzboxより多い❗️)になっており、また没後、東京大学には小泉文夫記念資料室が建てられています。 [軍楽曲] https://youtu.be/UukiDpOTju0 [バーマラ独奏] https://youtu.be/E8ErDSkDbsA #MusicOfTurkey #FumioKoizumi #March #Solo #民族音楽
Traditional King Records 不明Dr K2
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Edgar Varèse “Arcana/Intégrales/Ionisation”
Edgar Varèse(エドガー・ヴァレーズ)はClaude Debussy(クロード・ドビッシュー)と親交の深かった作曲家で、後期ロマン派や印象派の影響を受けているとされています。何故か、私は曲のタイトルとジャケで購入しました。彼はフランスはパリの生まれで、1965年にアメリカに帰化しています。初期の作品のほとんどは破棄されており、残りの原稿も火災で焼失してしまってます。1962年後はイタリア未来派、Ferruccio Busoni (フェルッチョ ・ブゾーニ)やIgor Stravinsky(イーゴリ・ストラヴィンスキー)に影響を受け、1920年の作品” Amériques (アメリカ)”以降は打楽器を多用した作品を書き上げていきます。また、第二次世界大戦以降には電子音楽にも興味をもつようになり、1954年の”Déserts”と言うテープ音楽作品や1957-1958年の”Poème Électronique”という作品を残しています。特に後者は1958年のブリュッセル万博でPhilipsパビリオンで流されていました。 それで本作品はVarèseの代表作品を3曲集めたものであり、指揮者はZubin Mehtaで、演奏はLos Angeles Intégrales Philharmonic Orchestraが2曲(“Arcana”と” Intégrales [積分]”)を担当し,残りの1曲(“Ionisation [電離]”)を指揮者William Kraft、演奏をLos Angeles Percussion Emsambleが担当しています。ここで聴かれる音楽はまだ電子音楽ではありませんが、重厚な音圧と豊かな低音を示す“ Arcana”と ”Intégrales”。そして,打楽器を多用した楽曲 ”Ionisation“ですが、特に後者にはサイレンの音が使われており、そこが、私のような聴者にとって、このアルバムの肝(キモ)になります。打楽器アンサンブルなのに、サイレンの音(=「異物」としてのノイズ)を加えているからです。”Arcana”はゴジラの音楽(伊福部昭氏)のような危機的重圧感があります。そしてタイトルも意味深で、 “Arcana”とは神秘主義での「秘密」を意味し、また、「積分」とか「電離」とかはまるでKraftwerkや初期ジャーマンロックの楽曲タイトルみたいじゃないですか。ジャケも含めて。それだけでこのアルバムをご飯3杯はいけちゃいますね。そんな音楽を偶には聴いてみてはどうでしようか?因みにオリジナルは1972年にDecca Recordsから出ています。 “Ionisation” https://youtu.be/wClwaBuFOJA #EdgarVarèse #Arcana #Intégrales #Ionisation #ModernClassics #ZubinMehta #WiliamKraft #Noise
MODERN CLASSICS King Records 1300円Dr K2