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Deutsch-Amerikanische Freundschaft “Absolutely Body Control”
今回は、Deutsch-Amerikanische Freundschaft、略してDAFのリミックス盤をご紹介します。このマキシ・シングルは、Virgin Trilogy (有名なDAFの3部作)の後、一旦解散したDAFが直ぐに(1985年)、再結成して、その時にリリースされたアルバム”1st Step To Heaven”の販促の関係で、英語圏をターゲットに出されたアイテムです。当然、アルバムも歌詞やタイトルは全て英語になっていました。ただ、このアルバムはスウェーデンのチャートを除いて、チャートインすることは無かったのですが、このことに対して、Gabiは「俺たちは、自分達に課したルールを破らなきゃいけなかったんだ。だから、俺は英語で歌ったのさ。それにもう黒いレザーの服を着ることも無い。」とコメントをしています。まぁ、確かにイメチェンは必要だったのかもしれませんが、商業的には失敗でしたね。しかしながら、そうしたチャレンジがDAFの本質を露呈したとも言え、英国BBCのRadio 1のDJ John Peelは、DAFを「テクノのゴッドファーザー」と呼んでいます。まぁ、それはそう言う賞賛もあるとして、ある意味、先述のアルバムと一緒にリリースされた本作品(ミックス違いのシングルカット)はどうなのか?ちょっと心配だったんですよね。と言う訳で、本作品を聴いてみて、また考えてみましょう。 ★A “Absolute Body Control (Mix II)” (5:26)は、今までのDAFと異なり、音数もやや多く、また英語の歌詞で歌われています。正直、シーケンスにも余りDAF臭さはなく、バックにも(余計な)シンセなんかが入っており、単なるエレクトロ・ダンス・ミュージックに聴こえてしまいますね。 ★B “1st Step To Heaven (Instrumental)” (6:40)は、アラビックな音階を使ったエレ・ポップで、インスト曲の為か、音数も多く、シーケンス・パターンも余りDAFらしくはないです。またパーカッション等も入っており、DAFの無駄を削ぎ落としたダンス・ミュージックからは180°転換していますね。 良い悪いは別として、ここら辺がDAFの過去との決別の分岐点であったように思います。Virgin Trilogyで入ったリスナーさんは多分面食らったと思いますが、ここから入ったリスナーさんはカラフルなエレクトロ・ダンス・ミュージックで踊っていたのではないでしょうか?まぁ、正直、私は前者なのですが、それでもDAFの行く末を見守りたかったです。残念ながら、Gabiが2020年3月22日に急逝してしまいましたので、それは叶いませんでしたが。まあ、ボチボチ、出ているレコードを聴いて行こうと思います! Side A “Absolute Body Control (Mix II)” (5:26) https://youtu.be/cY77_M5w19g?si=q53_1RjQlOEAWIY1 Side B “1st Step To Heaven (Instrumental)” (6:40) https://youtu.be/_AscBdfTNKQ?si=xuCASJE4SNQ0F4we #Deutsch-AmerikanischeFreundschaft #DAF #AbsolutelyBodyControl #SolidMix #1stStepToHeaven #InstrumentalVersion #IlluminatedRecords #12InchMaxi-Single #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Electro #DanceMusic #Synthesizers #Sequencer #Drums #GabiDelgado-Lopez #RobertGörl #GodfatherOfTechno
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Illuminated Records 1550円Dr K2
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Sex Gang Children “Song And Legend”
これは、私的には意外なものかも知れませんね。ポジパン(ポジティブ・パンク)とかゴスとか言われていたSex Gang Children (以下SGChと表記)のアルバム”Song And Legend”です。私はこのようなポジパンのレコードはこれしか持ってないんですが、何故かその時に「食わず嫌いはダメだ」と思って購入した記憶があります。そんなSGChのバイオグラフィーを先ず紹介します。SGChは1982年初頭に英国ロンドンのBrixtonで、結成されています。その時のメンバーは、Andi Sex Gang (Vo, G), Dave Roberts (B), Terry McLeay (G), Rob Stroud (Drs)でした。その時の彼等の音楽は、かなり劇的で、ヘビーなベースライン、トライバルなドラム、突然の曲調の変化、そして歌劇的なVoによるものであったとのことです。これに加えて、キャバレー・サウンドも備えていたらしいです。彼等のバンド名ですが、元々はThe Panic Buttonsであったのですが、William Burroughsの小説からMalcolm McLarenが取ってきたらしいです。それで、彼等は先ずライブトラックから成るカセット作品”Naked”を1982年にリリース、同年、”The Beast EP”をリリース、Illuminated Recordsと契約します。彼等は唯一のスタジオ録音作品であり、本作品でもある”Song And Legend”を1983年にリリースし、そこからシングルカットされた”Sebastiane”が英国インディーチャート1位になります。その後、ドラムのStroudが別バンド結成の為、脱退し、代わりにTheater of HateのNigel Prestonがドラムで加入し、SGChの次のシングル”Mauritia Mayer”でプレイしますが、直ぐに、Death CultのドラマーRay Mondoに交代しています。今度は、ベースのRobertが1983年終わりに、別バンド結成の為、脱退します。そう言うことから、新ラインナップとして、Andi (Vo, G), McLeay (G), Cam Campbell (B), Kevin Matthews (Drs)で心機一転、活動を始めます(なお、せっかく加入したRay Mondoはシエラレオネ人だった為、国外追放になっています)。そして、1984年にはMcLeay (G)が脱退したキッカケで、バンド名を、Andi Sex Gang & the Quick Gas Gangと改名して、1985年に、アルバム”Blind!”をリリースしています。アルバムではギターはまだMcLeayが弾いていますが、この後のツアーでは、CrisisのLester Jonesが参加しています。そして、その後、バンドは解散してしまいますが、米国での人気の再燃を受けて、1991年にリユニオンしており、現在も活動中とのことです。 それで、本作品”Song And Legend”の内容ですが、先述のように、SGChにとって最初で最後のスタジオ録音です。そうですねー、全体の印象としては、ドカドカとタムを多用する手数の多いドラムと曲をリードするベースが各曲の中心な成している感じかな?それに、AndiのVoは初め聴いて時に女性?と思わせる中性的な感じでしたね。あとB面には逆回転やディレイ処理やらされまくっている実験的な曲も含まれているのも興味深かったです。まあ、見た目は、顔は白塗りでツンツンしたスパイキーなヘアスタイルなので、ゴスと言うか、日本で言うヴィジュアル系みたいな先入観もあるかも知れませんが、音楽そのものは、久しぶりに聴いたモノとして聴き応えがありました。なので、ゴス或いはポジパンを聴いてみたければ、一聴の価値があると思いますよ❗️ A4 “Sebastiane” https://youtu.be/QvReaU_21cY B2 “Killer K” https://youtu.be/xyHMA-WUS5E A2 “German Nun” https://youtu.be/n8DabLYAQ-I #SexGangChildren #SongAndLegend #IlluminatedRecords #GothicRock #PositivePunk #PostPunk #AndiSexGang #DaveRoberts #TerryMcLeay #RobStroud
Positive Punk Illuminated Records 不明Dr K2
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Lemon Kittens “The Big Dentist”
Lemon Kittens、やっと手に入れました❗️Lemon Kittensは異端の歌姫Danielle Daxと後にShock Headed Petersを結成するKarl Blakeのデュオで、1970年代末に英国ReadingでKarl BlakeとGary Thatcherで、1978年4月に結成されましたが、GaryはデビューEP ”Spoonfed + Writhing”をリリース後、脱退しています。その後、Ian Sturgess (G, Perc), Mike Barnesもメンバーなったりしていますが、結局、メンバーは落ち着かなかったようです。この頃は、Danielle Daxはジャケ画を書いたりしていましたが、次第にLemon Kittensは、KarlとDanielleのデュオ体制になっていきます。そして、1980年にNurse With WoundのレーベルUnited Diariesから名作”We Buy A Hammer For Daddy”をリリース。翌年には12㌅EP”Cake Beast”を同じレーベルからリリースし、1982年にIlluminated Recordsより本作品であるセカンド・アルバム”The Big Dentist”をリリースします。その後、2人はそれぞれの活動の為、分裂し、Danielleはソロで、KarlはShock Headed Petersとして活動を続けていき、Lemon Kittensとしてはこのアルバムで終了しています。 それで、本作品ですが、まずタイトルの付け方からして独特のセンスで、直訳すると「でっかい歯医者」となります。本作もデュオで作製されており、Danielle Dax (Vo, G, Sax, Kbd, B, Sequencer, Synth, Flute, Perc, TR-808)とKarl Blake (Vo, Dr, G, B, Tapes, Kbd, Clarinet, Sequencer, TR-808)で、プロデュースはDanielle DaxとKen Thomasが行なっています。何かぎこちないリズムやシーケンサーと、ノイジーなギターやキーボード(主にエレピ)、サックスなどの音が絡み合う実験色の強い「ポップ・ミュージック」ですが、一筋縄ではいかないのが、Lemon Kittensですね。とても音程が取れなさそうなバックの演奏に無理くり乗っけたヴォーカルが尋常じゃないです。また、意外とKarlの曲、特にヴォーカル曲が多いですね。それはそれで面白いです。基本的には本作は歌物の体裁を取っていますが、寧ろ、作詞が先に出来て、後から音を足していったかのような曲の作り方では?と妄想しています。丁度、以前紹介した、Pere UbuのDavid Thomasのファースト・ソロ・アルバムのような構造ですが、こちらの方がよりポップです。しかも「異形」のポップミュージックです。これを読んで気になった方は、是非とも聴いてください❗️ https://youtu.be/_pnZ5sssm6g #LemonKittens #TheBigDentist #IlluminatedRecords #KarlBlake #DanielleDax #ExperimentalPop #AvantPop
Experimental Pop Illuminated Records £39.99Dr K2
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The Nocturnal Emissions “Viral Shedding”
Nigel AyersとCaroline Kを中心にノイズ・インダストリアルをやっていたのが,このThe Nocturnal Emissions (以下NEと略す)であり、彼等の5枚目のレコードアルバムが、この”Viral Shedding”です。本作て、大々的にディスコのリズムを取り入れたスタイルに移行しています。また、曲間が敢えて分かりにくくしてあるのも、彼等らしいです。NEのバイオグラフィーは前回書きましたので、そちらを参考にしてください。 それで、この5thアルバムは、今までの曖昧模糊としたノイズを垂れ流していたスタイルから、大きく方向転換し、ディスコのリズムを大々的に取り入れたことです。しかも、泥臭いディスコ調のドラム(マシン?)とシーケンスに絡まる様に、マニアックなテープ操作やら打楽器とシンセ音等のサンプリング、深いディレイのかかったヴォイスやらが挿入され、何やら怪しい雰囲気になっています。どちらかと言うと、アフリカンな印象です。最初聴いた時の記憶では、もっとめちゃくちゃなメタパーが使われていたと思ったのですが、今回,聴き直してみて、意外に使われていないことに気付きました。一見、随分と音楽的なった印象ですが、そこはそこ、情報心理戦に長けたNEだけあって、何だか不穏な雰囲気は受け継がれています。それは曲のタイトルにもよく反映されてます。私にとっては、多分、NEの中で、一番ポップで、好きなアルバムですね。そんなNEですが、一度、体験してみて下さい。 [Full album] https://youtube.com/playlist?list=PLQG1T2urtWPoe5V8swUbAK8MaW-Ug7r7Q #TheNocturnalEmissions #ViralShedding #IlluminatedRecords #Disco #Industrial #Noise #AfricanRhythm
Industrial, Noise Illuminated Records 不明Dr K2