-
K2 & Grunt “Gears And Shafts”
いよいよ1000枚目です。今回は、1980年代初頭より活動を開始している日本のノイズ・オリジネーターの1人、わたくしK2と、今やフィンランドどころか北欧否、欧州のパワー・エレクトロニクスの筆頭にもなっているGruntのコラボ・スプリット・アルバム”Gears And Shafts”を紹介します。実は、この作品は、自分の音楽が初めてLPになった作品なんです。なので、思い出深いアルバムですね。それぞれのバイオグラフィーを簡単に書いておきます。K2は私のノイズ・ユニット名のことでありますが、簡単に言うと大きく3つの活動時期に分けられます。第一期(1983-1986年)のメール・アート期、第二期(1994-2002年)のメタル・ジャンク・カット・アップ・ノイズ期、そして第三期(2005年〜現在)の電子音ノイズ期で、更に前期(2005-2017年頃)はミキサーによるフィールドバックノイズ時期と後期(2017年頃-現在)はモデュラーシンセによる電子ノイズ時期です。まあ、時期によって、音源が大きく異なっており、それぞれの時期の中でももう少し分けられますが、まあザックリとこんな感じと思っていて下さい。一方、Gruntの方は、フィンランドのパワ・エレの総本山Freak Animal Recordsの創設者Mikko Aspaのソロノイズ・ユニットで、彼自身は1993年にGrunt名義で活動を始め、今までに100作近くのアルバムをリリースしています。また、その活動は多岐に渡り、パワ・エレ以外にブラック・メタルやデスメタル、ノイズ・コア、パンク、Oi!、RAC、スラッジ、グラインドコア、インダストリアル、ハーシュ・ノイズ等々まで関与し、また、Freak Animal Records以外にも、Northern Heritage, Lolita Slavinder Records, Institute Of Paraphilia Studies及びIndustrial Recollectionsのサブレーベルを運営するだけでなく、Sarvilevytレコード店も経営、Special Interestsと言う雑誌も発刊しています。そして、Grunt以外にも、Alchemy Of The 20th Century, Clinic Of Torture等と言った名義での作品発表以外にも、1人ブラックメタルClandestine Blaze, 1人ポルノ・グラインドコアCreamface, 違法児童ポルノ・ノイズNicole 12, 1人ノイズコアNihilist Commando, 1人ドゥームStabat Materと言ったユニットもやっており、一貫して、「違法な音」/「異端な音」を追求して、現在に至ります。そんな中でリリースされたコラボレーション・スプリット作品なのですが、当時はまだ音源をデータで送ることが出来なかったので、郵便で送り合っていました。A面がGruntの送ってきた音源を使って作製したK2の曲が2曲、B面がK2が送った音源を使って作製されたGruntの曲が3曲となっています。それで、内容ですが、K2側は、時期的には、第二期に当たりますので、2曲共、多量のメタル・ジャンクを部屋中に配置し、それをを2本のマイク及びFriktorと称する自作楽器(?)を通して録音、更にそれらの音源と変調しまくったGruntの音源(主にスクリーミング等や電子音)を粉々にしながらアナログMTRを用いて、カットアップ・ミックスしています。結果、つぎはぎだらけのフランケンシュタインのようなラウドなノイズ作品に仕上がっています。普通、曲名付けるんですが、何故か2曲とも”Untitled”になってしまっています。一方、B面のGrunt側は、1曲目が、K2のガシャガシャとしたメタル・ジャンク音が流れる中、その上にGruntのMikko Aspaのディレイの掛かった高音スクリームが漂うように被さってくると言うハーシェント(ハーシュだけどアンビエントっぽい)なノイズ曲、2曲はスクリーミング・ヴォイス全開のパワ・エレな仕上がり、そして3曲目は、ハウったヴォイスとK2のメタル音が融合したコラボ曲で締めています。こちらも全曲”Untitled”です。久しぶりに聴いて、結構良くて、ビックリしましたよ。そんな訳で、懐かしのスプリット作品を紹介しました。限定200部なので、今となっては入手困難かな? *この作品はYouTubeに上がっていないので、それぞれの同時期の別の動画を貼っておきます。 K2 “Panelliniki Antartiki Organosis” (1997年:C-30) https://youtu.be/Hi5qNBOhj6c Grunt “Someone Is Eatching” (1998年: C-60) https://youtu.be/H9kxtsNtkgY #K2 #Grunt #GearsAndShafts #FreakAnimalRecords #KinkyMusikInstitute #SplitAlbum #Collaboration #Japanese #Finnish #PowerElectronics #NoiseMusic #Noise #MetalJunks #HarshNoise #CutUpMix
Harsh Noise / Power Electronics Freak Animal Records 無しDr K2
-
Einleitungszeit “L'Accouchement Des Machines Humaines"
出ました!チェコが世界に誇るパワー・エレクトロニクスの第一人者Einleitungszeit(「アインライトゥンクスツァイト」と発音?)の第7作目の作品です。このグループについては殆ど情報が無く、メンバーは 始めは、Richard Norg, Robert Hnát, Martin Jarolím, Patrik Palkovičとありましたが、やがて前2者(Richard とRobert) だけになったみたいです。活動も1994年頃から2008年までみたいです。不確実なデータしかなくてすいません。 それで内容ですが、Broken Flag直系のパワーエレクトロニクスと言うかインダストリアルな音で、片面1曲ずつ長尺の曲が収められています。不明瞭な茫漠とした煙のような電子音楽とメタパーによる重いリズムから成る曲で、所々に邪教の声明のようなヴォイスが聴かれますが、メインではないです。寧ろ、電子音とメタパー中心ですね。長い曲だからどうかなぁ?って思っていたのですが、意外にすんなり聴くことができて、良質なパワ・エレ系インダストリアルと思います(やっぱり、ヴォーカルが前面に出ていないとパワ・エレとは言い難いかな?)。兎に角、メタパーの使い方が秀逸で、そこら辺のアレンジに才能を感じますし、曲の構成力も素晴らしいです。解散(?或いは活動休止)してしまったのは惜しいグループですね。アルバムも10作程出ているので、良かったら、聴いてみて下さい。オールド・スクールのインダストリアルを体験してみて下さい。 “Entrecuisse utilise” https://youtu.be/N9h9GWq7IUA #Einleitungszeit #L'AccouchementDesMachinesHumaines #FreakAnimalRecords #EntrecuisseUtilisé #LeCorpsDisparait! #Industrial #PowerElectronics #MetalPercussions #RichardNorg #RobertHnát
Industrial / Power Electronics Freak Animal Records 不明。Dr K2
-
Aube & Grunt “Loom Hatching Doom/Fresh Image For The Car Meechants”
こんなのが、1990年代には出てましたよ!と言う訳で、日本のノイズ・デザイナー(故)中嶋昭文さんのAubeと今やフィンランドのパワエレの重鎮でもあるMikko AspaのGruntとのスプリット・ミニアルバムです。もう私が敢えてバイオグラフィーを書くまでもなく、両者とも有名ですが、少しだけ。Aubeは中嶋昭文さんがやっていたソロノイズ・ユニットで彼のステージネームでもあります。彼は元々、工業デザイナーで、よく知られているのは、一つだけの音源(例えば、水の音とか蛍光灯の微弱な音とか1VCOとか、、、)を使って、様々な加工を施して(デザインして)、ミニマルですが、、思いもやらぬ音楽を作製していました。またKraftwerkのコアなファンでもありました。そして、自身のレーベルG.R.O.S.S.からAube自身の作品は元より他のアーティストの作品もリリースしてますが、それらはかなり凝った装丁でパッケージされているのが特徴です。残念ながら、彼は2013年9月25日に54歳と言う若さで亡くなっています。一方、GruntはフィンランドのMikko Aspaのソロノイズ・プロジェクトで、所謂、電子音をバックに叫び声を被せると言う典型的なパワー・エレクトロニクスを1993年から続けており、その立ち位置はフィンランド・ノイズの元締めと言ったところでしようか。自身のレーベルFreak Animal Recordsから、Gruntやそれ以外のアーティストやグループの作品をコンスタントに今まで出し続けているいます。本作品もジャケのデザインは中嶋さんで、リリースはFreak Animal Recordsになっております。 それで本作品について紹介したいと思います。Aubeの方は、Gruntの送ってきた「金属音」のみを使っており、1曲3部構成になっております。ズーンと来る低音のパターンに次第に色々な音が重ねられ、クライマックスに達した瞬間に次のパターンに。と言うことで3部構成になっていると思います。スタイリッシュかつドラマティックなミニマル・ノイズで、聴く者を圧倒します。ここら辺はAubeの得意とするところだと感服した次第です。一方、Grunt側は録音日が曲名になっている5曲が収められており、電子音にディレイの聴いた叫び声が被ると言う典型的パワー・エレクトロニクスです。Mikkoのヴォイスは北欧のプラックメタルとの類似性があるようです。また、最後の曲はギター(?)のアルペジオで締めます。しかし、このようなスプリットはこの時代だったから可能になったと思われ、今後はこの手の組み合わせは難しいでしょう。正に奇跡の一枚ですね。皆さんも見つけたら、即ゲットですよ!ジャケの紙がペラペラなのがちょっと残念ですね。 本作品の曲ではないのですが、別のスプリットがありましたので、そちらを貼っておきます。 Aube “Dispersive granule” https://youtu.be/pjEvS5sSfgM Grunt “Global Construction” https://youtu.be/q88L3_IFbRc #Aube #LoomHatchingDoom #Grunt #FreshImageForTheCatMerchants #SplitAlbum #Minimal #Noise #PowerElectronics
Noise Experimental / Power Electronics Freak Animal Records 不明Dr K2