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Pere Ubu “Carnival Of Souls”
忘れた頃にやってくる。そうです、あのPere Ubuの何枚目(リリースが多過ぎる。単独アルバムとしては25枚目?)かのアルバム”Carnival Of Souls”を、今回は紹介したいと思います。Pere Ubuのバイオグラフィーは、以前から書いていますので、それらをご参照下さい。今回のメンバーは、David Thomas (Vo, XioSynth), Michele Temple (B), Darryl Boon (Clarinet), Steve Mehlman (Drs, Perc, Roland Drum Pad, Back-Vo), Gagarin (Digital Electronics), Keith Moliné (G), Robert Wheeler (EML Electrocomp 101, Theremin, iPad)の7人です。まあ、何か凄い担当楽器になってますね。それで、このアルバムの内容は、A面が7曲、B面が6曲、収録されており、その内、”Strychnine”と言う1分程度のギターのリフを変調した音や短波ラジオの音が、5曲分含まれていますが、その意義/意味はよく分かりませんでした。因みに、このアルバムは、レーベルFire Recordsの30周年記念にも含まれているようです。それで、内容なんですが、もうA1 “Golden Surf II”からして、ぶっ飛ばしていて、ノリノリで、カッコいいです。A3 “Drag The River”ではクラリネットの飄々たる旋律とドコドコしたドラムが曲を盛り上げます。A5 “Visions Of The Moon”ではマーチのリズムにオルガンやシンセのコードが淡々としていますが、途中で乱入するギターと電子音がカッコいいです。A7 “Dr. Faustus”はThomasのヴォーカルもそうなんですが、何か不穏なものを感じ、初期の頃の「病んだ」感じがします。それで、B面に行きます。B2 “Bus Station”もThomasのヴォーカルとMehlmanのドラムが凄いですが、これはStephen Hagueによって録音されています。続けてB3 “Road To Utah”ではギターのリフが印象的で、オルガンのコード進行がThomasのヴォーカルの呟きに似た歌を引き立てます。またクラリネットも良い塩梅です。そしてまたまた続いてB4 “Carnival”ですが、ジャケの絵を想像させるようなThomasのある種不気味なヴォーカルの上を、電子音とクラリネットが漂流しており、不協和音が美しいです。B6 “Irene”はアメリカン・バラード調の曲で、しっとりとこのアルバムの最後を締めます。今回、思ったのは、初期の頃のように、敢えての不協和音や痙攣ギターなんかは直接使わずに、全体としてはゆったりした雰囲気の中に、何か「毒」を仕込んでいるのでは?と感じました。また、クラリネットが結構良い仕事をしていますね。それと、これだけ電子楽器を使っているのに、全然、エレクトロニックにならないで、「生楽器」的にまとめているのは凄いですね。やはり、David Thomasがプロデュースもやっているのと関係があるかも。これからもPere Ubuは聴き続けます。 A1 “Golden Surf II” (4:10) A2 “Strychnine 1” (1:05) A3 “Drag The River” (4:01) A4 “Strychnine 2” (1:00) A5 “Visions Of The Moon” (3:33) A6 “Strychnine 3” (1:01) A7 “Dr. Faustus” (4:22) B1 “Strychnine 4” (1:01) B2 “Bus Station” (4:28) B3 “Road To Utah” (4:20) B4 “Carnival” (5:01) B5 “Strychnine 5” (1:00) B6 “Irene” (4:13) B2 “Bus Station” https://youtu.be/xz5_kGXlJeQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_n3Qx30mDfINOsGocvndaQU8C6zo_56VzQ #PereUbu #CarnivalOfSouls #FireRecords #16ThStudioAlbum #Avant-Rock #ArtRock #StrychnineInterludes #Clarinet #DavidThomas #MicheleTemple #DarrylBoon #SteveMehlman #Gagarin #KeithMoliné #RobertWheeler
Avant-Rock / Art Rock Fire Records 不明Dr K2
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Rocket From The Tombs “Black Record”
君は知っていたか?あのPere Ubuの前身バンド、Rocket From The Tombs (RFTTと表記する)を❗️RFTTは、米国オハイオ州Clevelandで1974年中盤から1975中盤まで活動していましたが、その後も2003年くらいから、時々リユニオンはちょこっとしたりしていました。1974年6月16日にRFTTほClevelandのヴェニューで初ライブを行なっています。その時のメンバー、Crocus Behemoth (Vo, B), Kim Zonneville (B, Vo), Glenn “Thunderhand” Hach (G,Vo), Tom “Foolery” Clementという編成でしたが、メンバー間のイザコザから、所謂よく知られている編成に代わります。David Thomas (Crocus Behemoth), Peter Laughner, Craig Willis Bell (Darwin Layne), Gene O’Connor (Cheetah Chrome), Johnny Madansky (Johnny Blitz)です。その後、RFTTは3つに分裂します。一つはCheetah ChromeとJohnny BlitzはVoにStiv Batorsを加えて、Frankensteinを結成、このバンドは後にDead Boysになります。諸パンクですね。2つ目はPeter LaughnerとDavid Thomasは、Tim Wright(B)を加えて、より実験的なバンドPere Ubuを結成しますが、Peterは長年のアルコール摂取とドラックのやり過ぎで、急性膵炎で亡くなります。そして3つ目は、Darwin Layneほコネチカットに移り、Saucersを始めたそうです。RFTTは所謂、プロト・パンクとかアヴァン・ガレージとか言われてきましたが、録音物をちゃんと残しておらず、好事家たちが、ライブ音源やデモテープからのブートレッグを時々出したりしていました。その中で、2002年にSmog Veil Recordsがブート音源をまとめてCDとした”The Day The Earth Met The Rocket From The Tombs”を出しており、これが縁になって、RFTTは正式にリユニオンを果たします。Crocus BehemothことDavid Thomas (Vo, Musette, Duotronic), Cheetah ChromeことGene O'Connor (G)それにDarwin LayneことCraig Willis Bell (B, Vo)のオリジナルメンバーと他にTelevisionのRichard Lloyd (G)とSteve Mehlman (Dr)も加わります。本来ならPeter Laughnerも加わるところでしたが、彼の体調が悪くRichard Lloydが抜擢されました。2004年にSmog Veil RecordsとMorphiusは”Rocket Redux”を2003年のラインナップで録音してリリースします。その後、David Thomasは2006年に、ちゃんとバンドをリユニオンして、新しい曲でUSツアーをするとアナウンスして、2006年夏にツアーやっています。2011年9月13日にアルバム”Barfly”をリリースし、ツアーもやっていましたが、Richard Lloydがツアー前に脱退し、また、2011年12月30日にCheetah Chromeがバンドを抜けることに。オリジナル・メンバーはDavid ThomasとCraig Willis Bellだけになってしまいました。そうして2015年11月に本作品”Black Record”がリリースされた訳です。 このアルバム”Black Record”では、Crocus Behemoth (Vo, Musette, Duotron), Gary Siperko (G,Vo), Buddy Akita (G), Craig Bell (B, Vo), Steve Mehlman (Dr)で、ゲストにLament Thomas (Vo, back-Vo, tambourine), Lawrence Caswell (back-Vo), Chris Kulcsar (Synth, back-Vo)が参加しています。新録のようですが、名曲”Sonic Reducer”も演っていて、もうそれだけでも涙が出ますね。しなしながら、他の曲もガレージ色が強くて、中々カッコいい曲が目白押しです。Pere Ubuから捻くれた実験性を薄めで、よりストレートなロックン・ロールの粉末をまぶしたとでも言うか、まあ、カッコいいです。しかし、David Thomasが歌うと、全て彼のキャラで持っていかれますね。凄いアクの強さだと思いますよ。そんな彼等RFTTの2015年のアヴァン・ガレージ・ロックを聴いてみませんか? “Sonic Reducer” https://youtu.be/xdvd8um2dx4 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nrWr1iYQ_r7v44V-ZiEuQLtbaD08TeAoU #RocketFromTheTombs #BlackRecord #FireRecords #PereUbu #DeadBoys #CrocusBehemoth #CraigBell #AvantGarageRock #SteveMemann #SonicReducer
Avant-Garage Rock Fire Records 1999円Dr K2