-
Mars “Mars Archives volume three: N.N. End”
いよいよMars祭りも終盤になってきました。アーカイブの最終章第3弾は”N.N. End”です。この作品は少し遅れてリリースされましたが、Marsのメンバーで、このシリーズのキュレーションをやっているMark Cunningham の言葉を借りると、1978年6月にBrian Enoがプロデュースした”No New York”がリリースされていますが、その時には既に方向性を変えていて、同年12月リリースのMars EPに向けて、よりディープで、より実験的で、より抽象的な方にシフトしていたそうです。本作品のA面は、Max’s Kansas Cityでの7月12日でのライブ録音です。No New Yorkの曲も演っていますが、よりダークな方にアレンジし直していますし、また新曲も演奏されていまます。同年8月中旬でのIrving Plaza (既に紹介済み)でのライブではまだ新曲は披露されてはいませんでした。そして、同年12月のEPリリースの直前に行ったMax’s Kansas Cityでのラスト・ライブでは披露していましたが、録音されたテープは歪みまくって酷いものであったので、それをこのアーカイブには加えることが出来ず、その7月12日のライブ録音を使ったと言うことみたいです。その際.に”Fractions”や”Outside Africa”と言った新曲もまたその頃になると、NYCの地下音楽シーンにはダンス・ミュージックやクラブ・ミュージックが浸透してきたのも要因だったとのこと。A面もB面もラジカセで録音されてますし、それ程、違和感はないので、両方ともこのアーカイブに入れたとのことです。それでも、特にB面は聴きどころですね。 A1 “Puerto Rican Ghost”はやや粘着質な各楽器の絡みでショート・ヴァージョンになっています。A2 “RTMT”は呪術のようなVoが、縦方向に律動する楽曲の中を通り抜けるようなアレンジになっています。A3 “Cairo”は割とタイトな演奏ですが、やはり短目のアレンジ。A4 “Fractions”は新曲で、録音の為かもしれませんが、機関車の様なミニマルな曲です。やはり短目。A5 “Tunnel”はこれまでの録音の中で最も殺気立っているように聴こえます。特にSummerのVo❗️A6 “Hairwaves”はいつもよりも重た目の演奏で、不穏な曲調になっていますが、曲は短くなっています。“Outside Africa”も新曲で、意外とバックの演奏はミニマルですが、雰囲気としては、もう混沌の海の中、或いは幻覚を催すような熱帯夜で、Chinaが叫んでいるかのよう。 では、B面にいきましょう。B1 “N.N.End”は壊れた掃除機のようなギターのノイズの中で、Sumnerの引き攣るようなヴォーカリゼーションが悲鳴をあげている様です。とするとMarkがトランペットかな? B2 “Scorn”は、Nancyのドコドコしたトライバルなドラムに象などの野生動物の鳴き声のようなトランペットらしき音が主役になつています。B3 “Monopoly”淡々としたドラムにツインVoが呪文の様にも聴こえてきます。それにしてもNancyのドラムは味があるなぁ。B4 ”Immediate Stages of the Erotic”では、アンプに繋いであるシールドを指で触った時のノイズ音でリフを作り出している実験的(?)な曲。もうGもBもVoも成立させない「アンサンブル」の如しで、Drsだけで辛うじて「楽曲」になっているようです。 A面の今までもレパートリーはどれも短めにアレンジしてしてありますが、B面のリハーサル・テープではもはやバンドと言う概念を覆すかどうかの瀬戸際でせめぎ合っているかのような危ういバランスで演奏されています。バンドが解散することになるのも然もありなんと言うところでしようか? いやーこんなにMarsばっかり聴いてると、頭、おかしくなりそうです。でも、この作品は後期Marsの貴重な記録なので、Marsファン(っているのかな?)は必聴ですよ❗️ Recorded Live On Cassette At Max's Kansas City - July 12, 1978 A1 “Puerto Rican Ghost” (1:26) A2 “RTMT” (1:57) A3 “Cairo” (2:40) A4 “Fractions” (2:17) A5 “Tunnel” (3:18) A6 “Hairwaves” (3:21) A7 “Outside Africa” (2:14) Rehearsal Cassette - December 1978 B1 “N.N. End” (2:55) B2 “Scorn” (3:04) B3 “Monopoly” (3:32) B4 “Immediate Stages of the Erotic” (5:15) https://youtu.be/9dZRKya5xdY?si=Dqf12Wm0hdNTA58_ [full album + bonus tracks https://youtube.com/playlist?list=PL8dshfU__G3W-bZ1vFHb5hBnsN8TGxlAk&si=QY-BU1720jPPloMK [BandcampのURLです] https://marsnowave.bandcamp.com/album/mars-archives-volume-three-n-n-end #Mars #MarsArchivesVolumeThree:N.N.End #N.N.End #NoWave #NoNewYork #SumnerCrane #ChinaBurg #MarkCunningham #NancyArlen #Fractions #OutsideAfrica #Scorn #Monopoly #ImmediateStagesOfTheErotic
No wave Feeding Tube Records / Negative Glam 不明。Dr K2
-
Mars “Live At Artists Space”
私の大好きなNo Wave Band、それがMarsです。これは、No Waveの教科書的コンピ”No New York”を聴いた時に、訳が分からず、本当に頭で理解することが最も困難であったバンドだからです。確かにJames Chance & The Contortionsはカッコいいんですが、Marsは最後まで理解出来なかったけれども、どこか頭の中にこびりついていたサウンドを奏でるバンドだからです。メンバーはSummer Crane (Vo, G), China Burg (G, Vo), Mark Cunningham (B, Vo), Nancy Arlen (Dr)と言う当たり前のような4ピースのバンドにも関わらず、出してる音楽は殆ど「音楽」とは言えないものであった訳で、後々になって、彼等はVelvet Undergroundに近い立ち位置にいたのだなと思えるようになりましたが、Marsはそれを無意識的に演っていたんだと思います。まあ、ここら辺のことは、語り出すと止まらなくなるので、ここら辺にしておきますが、本作品は1978年5月6日に、NYCのArtist’s Spaceで行われたライブを、2種類のカセットレコーダーで録音したものをそれぞれSet OneとSet Twoとして収められているアルバムです。Set OneはNakamichi 550で、Set Twoはバイノーラル録音機の模造品で録音されています(それ程変わらないようにも思えますが、Set Twoの方が生々しいかな?)。曲は名曲”3E”のような初期の曲から”Tunnel”や”Puerto Rican Ghost”のNo New York期までの持ち歌が収められています。珍しくノリの良い”3E”で始まり、激しいぶつかり合いの”Cats”〜ややダウナーな11000 Volts”へ。更には緊張感マックスの有名曲”Helen Fordsdale”へ。未発表曲(?)で彼等の独特のアンサンブルが聴ける”Cairo”から、これまたギターとは思えない”Tunnel”。そして鬱々たる雰囲気の強い”Hairwaves”からのツインヴォーカルが特徴的で皆んなバラバラなアンサンブル”Puerto Rican Ghostで締めています。やっぱり、最高のAnti-ensembleですね。よだれが出てきます。曲目は良いのですが、Set oneとSet twoが録音違いだけなので、少し、マニア向けかもしれませんね!それでも聴きたい方は是非! Set One A1 “3e (Fragment)” A2 “Cats” A3 “11000 Volts” A4 “Helen Fordsdale” A5 “Cairo” A6 “Tunnel” A7 “Hairwaves” A8 “Puerto Rican Ghost” Set Two B1 “3e” B2 “Cats” B3 “11000 Volts” B4 “Helen Fordsdale” B5 “Cairo” B6 “Tunnel” B7 “Hairwaves” B8 “Puerto Rican Ghos https://youtu.be/AupQ2LHbmWs?si=EHWzPEY06Z6M1e1k #Mars #LiveAtArtistsSpace #FeedingTubeRecords #NegativeGram #LiveRecording #LiveAlbum #SumnerCrane #ChinaBark #MarkCunningham #NacyArlen
No wave Feeding Tube Records / Negative Glam 不明。Dr K2
-
Mars “Mars Archives volume one:China to Mars”
Brian Enoがプロデュースしたことで世界に衝撃を与えたコンピレーション”No New York”の中でも、更に衝撃的だった4人組Mars。近年、発掘音源が出されてきており、これも1977年のライブ音源。まだこの頃はヴェルヴェット・アンダーグランドと影響を感じることができる演奏だが、ここに各パートが合わせることを拒むような彼等の方向性を見出すことも可能。なお、メンバーの内、DrのNancy ArlenとVo/GのSamner Craneは病死している。これはわざわざスペインのレコード店から直で購入した。 Side A China名義 (February & June 1977) A1 “Cry” A2 “No Idea” A3 “Can You Feel It?” A4 “Big Bird” A5 “Red” A6 “Look At You” A7 “E (Early Version)” Side B Mars名義 (September 1977) B1 “Cats” B2 “Cry” B3 “3E” B4 “Plane Separation” B5 “Compulsion” B2 Mars “Cry” https://youtu.be/60fbb724HJU?si=0UiwhlBbXOHjq-00 B4 Mars “Plane Separation” https://youtu.be/XTwKq0ZzjRg?si=_t-Yllm20YawqFGQ B5 Mars “Compulsion” https://youtu.be/WduJVYKb8Kw?si=JTenj7AHihiMDuIl #Mars #MarsArchivesVolumeOne:ChinaToMars #NoNewYork #FeedingTubeRecords #NegativeGlam #China #LiveAlbum #LimitedEditions #800部 #LiveRecording #EarlyRecording #NoWave #ConstanzaBurg #ChinaBurg #MarkCunningham #NancyArlen #SumnerCrane
No wave Feeding Tube Records / Negative Glam ¥3000くらい?Dr K2