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The Sodality “Beyond Unknown Pleasures”
今回は久々にパワー・エレクトロニクス(通称パワ・エレ)を紹介します。イタリアのThe Sodalityのファーストアルバムです。この作品に関わったメンバーは、Paolo Bandera, Luca Di Giorgio, Bruno Richard, Eraldo Bernocchi, Andrea Cernotteですが、Discogsを見ると、EraldoとAndreaの名前しか掲載されていません。実際,1987年に結成したのはAndreaの呼びかけで集まったメンツと言うことになりますし、彼が「イタリアにもパワ・エレあり」と意気込んで,レーベルAquilifer Sodalityも立ち上げていますから。私はここら辺のパワ・エレは詳しくはないので,知ってる人は教えてください。また、1985年から、Paolo BanderaとEraldo Bernocchi及びLuca Di GiorgioはSigillum Sと言うバンドを組んでノイズ活動はしてきており、また、Pauloは、The Sodality以降も、Sshe Retina Stimulants名義(SsheはSuper Sonic High Energyの略です)でソロ・ノイズ活動を継続していきます。また、 Paolo BanderaとEraldoは、Andrea ChiaravalliをサポートしてIugra-Thorにも関わっています。これらの人脈図からすると,The Sodalityはその前後のイタリアのパワ・エレを担ってきた強者達がいた重要バンドと言うことになります。しかしながら、このバンドは1枚のLPと1枚のCDRそして2枚のシングルしか出してはいません。本作品はそんなThe Sodalityのファーストアルバムになります。音的には、重厚でrawなシンセ音をベースに、時に呟くような、また時に叫ぶようなエフェクト・ヴォーカルが乗ってくると言う,典型的パワ・エレ・スタイルで押し切っています。多分,英国のWhitehouseのエピゴーナンだったのでしょう。また、このバンドは元々が、Andreaの「性に関する精神病理」に基づいて結成されていますので、恐らく,歌詞もそう言う内容だと思います(ヴォーカルが聴き取れないので、良く分からない)。この頃でしようか、世界各国にこのようなパワ・エレ・スタイルが席巻したのは。聴いてる分には、これはこれでかっこいいと思いますが、オリジナリティと言う面ではさして目新しいことは無いようにも思えます。短命でしたが、重要なバンドなので、一度,聴いておいた方がいいでしょう。 “I Can’t Stand A Bitchy Chick” https://youtu.be/BBUjzRAFLJs “Beyond Unknown Pleasures” https://youtu.be/qjjFBsuN6MY #TheSodality #BeyobdUnknownPleasures #Italy #PowerElectronics #AquiliferSodality #PaoloBandera #EraldoBernocchi #EraldoBernocchi #AndreaCernotte
Noise, Power Electronics Aquilifer Sodality 不明Dr K2
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Atrax Morgue “Overcome”
死は何故にヒトを引き寄せるのか❓と言う命題を実践していたイタリアのAtrax Morgueの作品 ”Overcome”の登場です! Atrax Morgueはイタリア人Marco Corbelliのソロノイズ・ユニットの名前です。このMarcoは1992年に音楽活動を始めますが、本当に2007年5月6日に首吊り自殺してしまいます。また、彼は生前には自身のレーベルSlaughter Productionsを運営し、自身のAtrax Morgue以外も含めて100タイトル以上の作品をリリースしています。 また、Atrax Morgueとしても、国内外のレーベル(Self Abuse RecordsやRelease, Old Europa Cafe, RRRecords, Crowd Control Activities及びArs Benevola Mater)から多数のCDをリリースしています。しかしなから、彼は死を選びました。それは誰よりも死について考え、またその在りようを作品にしてきた彼の答えだったのかもしれませんね。 それで、本作品の内容ですが、単調な低音を響かせるモノシンセの持続音或いはパルス音から成る,極めてストイックな電子音楽であり、故に強靭な意志を感じざるを得ません。そこに,人間の苦悩や痛みを絞り出す変調ヴォイスが被さり、より一層の殺伐とした風景(音像)を描き出しています。一音入魂、彼は命を削って、曲を作っていたのかもしれませんね。因みに,彼の死後、2020年に同国イタリアのUrashima(浦島)が本作品をリイシューしています。正にM.B.から脈々と続く、極私的なデス・インダストリアル・ノイズの系譜を感じます。皆さん,一度は聴いてみた方が良いかもです。 A-4: “Blackish Water” https://youtu.be/X6y5rAWaS0Q B-2: “Chill” https://youtu.be/rvhQtPcSC2o #AtraxMorgue #Overcome #Death #Industrial #MarcoCorbelli #SlaughterProductions #Italy #Suicide
Noise, Power electronics Slaughter Productions 不明Dr K2
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Ramleh “A Return To Slavery”
とうとう出ました❗️英国が産んだパワー・エレクトロニクス(パワエレと略す)の代名詞Ramlehの登場です。Ramlehと言えば、彼等自身のレーベルBroken Flagにも言及しなくてはなりませんね。Ramlehは元々、Gary MundyとBob Strudwickとで、1982年に英国で結成されますが、翌年にはBobの代わりにJerome Cleggが加入します。そしてこの頃に作られた作品が本アルバムになります。Ramlehは1984年に活動停止しますが、レーベル活動は継続していき、多数のカセット作品をリリースしていくことになります。その後、何度か活動を停止したり、再開したりして、それに応じて音楽スタイルも変わっていくのですが、現在のラインナップはGary Mundy (Vo, G, Kbd, Electronics) Anthony di Franco (B, Kbd, Electronics) 及びStuart Dennison (Dr)と言うバンド編成になっています。それで、本作品についてですが、初期の名作と言われた”A Return of Slavery”(本来はRamlehとLibertarianとのスプリットアルバムでした)と当時シングルとしてリリースされた”The Hand of Glory”の抱き合わせの編集版として、英国のHarbinger Soundからリイシューされたものです。先ずは、この時期のRamlehは徹底したイメージ戦略を行なっており、ジャケ写には病理解剖の写真や焼死した人の写真或いはナチ関係の人物写真などを度々使ってきており、まあ、時期的には、WhitehouseやSutcliffe Jügendなどと同様のアプローチをしています。音楽的には、一言で言うと、ディレイのかかったアジるヴォーカルとマイクロフォンのフィードバック音に扇情的なシンセによる不明瞭な電子音が加わったパワエレの典型的なスタイルです。歌詞は訳が無いので分かりませんが、恐らく、死とかナチとか死体とか殺人とかなんかのネガティブな内容であろうと想像します。海外のノイズ・ミュージックのステレオタイプですね。この頃は、こう言うタブーを犯すような題材に溢れていましたから。そんなRameshを一度は聴いてませんか?彼等のネガティブ・パワーを生きる活力にできるかも。 https://youtu.be/PR-UItEugrw #Ramleh #BrokenFlag #AReturnOfSlavery #TheGandOfGlory #PowerElectronics #HarbingerSound
Noise, Power Electronics Harbinger Sound (Broken Flag) 不明Dr K2