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Conrad Schnitzler “Con 84”
もう聴く方が追いつかないです。Conrad Schnitzler先生の1984年作”Con 84”の再発盤です。今回は、PCでシンセをコントロールしてのアルバムらしいです。曲名は最早、記号のような数字とアルファベッドからなり、それぞれの曲に意味付けとか思いはなく、単に抽象的な楽曲があるだけということなんでしょう。また、彼の音楽を「カメレオンのようなカモフラージュだ」と言う意見はありますが、それに対して、ライナーを毎回書いているAsmus Tietchensは「寧ろ逆で、彼の音楽はどこに隠れていても、彼の音楽だと直ぐに分かるし、カムフラージュの意味はない」と断言しています。これで納得しました❗️確かに❗️そうなんですよ、強烈な個性が音楽に封じ込まれています。またTietchensは「彼はカモフラージュの天才でもある。それは彼はいつも予測不可能なことを予測しようとしているからだ」とも述べています。う〜む、何となく分かったような?かな。しかしながら、時期によって最新の機材を取り入れて音楽を作ってきました。この俊敏なところはそうかも知れませんね。今回も、電子音楽なのは変わりませんが、PCによって制御されているのに、何故かSchnitzlerの手癖みたいなものを感じます。曲調は、それ程多くない電子音がチェンバロのように流暢に流れていくようなものなのですが(B面は音の絡みはもう少し複雑です)、その無機質な(或いは潔癖症な)抽象性は明らかに彼のものだと確信できます。しかもドラムマシンなどは使っておらず、シークエンスのキレでリズミカルな要素を補っています。しかも、PCによるシーケンスだからなのか、レイテンシーが無く、各音がジャストのタイミングで鳴らされているのも特徴ですね。そう言う意味での「無機質さ」です。何回となく聴き直してみると、これはちゃんと譜面にしたクラシック音楽みたいなものでは?と思えます。音の絡み方や音色なんかがもうクラシックなんですよ(現代音楽ではない!)。そんなお茶目なSchnitzler先生の音楽を聴いてみませんか?面白いですよー! “X18 # (1+2)” https://youtu.be/yrRVDGlk0GE [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lJfVYVALEAZZipXogBYb0_Dklj_1XpzwU #ConradSchnitzler #Con84 #BureauB #Reissue #ElectronicMusic #Experimental #Synthesizers #ComputerMusic #1984 #Reissue #Remastering
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Gen Ken “Beyond My Ken”
Gen KenことKen Montgomeryを紹介しましよう。元々、1980年初頭に、米国NYCのEast VillageにGeneratorという小さなレコード・ショップを運営しながら、電子音楽を始めています。その後、1989年にNYCで初めてのサウンド・アート・ギャラリーとして、Generatorを再度やり始め、1992年まで続いています。その間にも彼は、多くのアーティスト達とコラボをやっており、その後も、多数、リリースされています。因みに、彼はGen Ken以外にもGen Ken Montgomery やEgnekn Montgomeryと言った名義で作品をリリースしています(Gen Kenの”Gen”は最初のレコード・ショップのGeneratorの頭3文字から取られています)。そんな彼は、特に、Conrad Schnitzler等とのコラボ・ワークも数作出しており、電子音楽界(そんなものがあるかどうかはさておき)の一部では有名なアーティストです。また、1987年に、彼は、David PrescottとConrad Schnitzlerと共にGenerations Unlimitedと言う電子音楽レーベルも立ち上げています。それで、内容なんですが、A面は片面一杯使った1曲のみ、それに対してB面は短い曲が、9曲も入っていると言うアンバランスさ。どちらも明瞭なリズムは殆ど無く、アブストラクトな電子音が空中を舞っているような音楽で、中々、掴み辛い音楽なのですが、その反面、色んな解釈ができるようにも思えます。特にA面は彼のアブストラクトさが現れた良い曲だと思います。またB面もそんな長尺な曲の一部のサンプルように聴くことが出来るのでは?とも思え、そう言う聴き方もできるのだなあとも思えます。因みに、本作は独逸ベルリンのCon Studioで録音され、スペインとEsplendor Geometricoのレーベルからリリースされており、彼の立ち位置を理解する上で興味深いものと考えられます。電子音楽とインダストリアルの狭間を覗いてみたい方には良いアルバムだと思いますので、是非聴いてみて下さい。 “New Age Machines” https://youtu.be/q8vQ4-ETQKc #GenKen #BeyondMyKen #DiscosEsplendorGeometrico #AmericanArtist #GenKenMontgomery #Experimental #ElectronicMusic #Abstract #NoiseMusic
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Duet Emmo “Or So It Seems”
皆んな、知ってるかな?Dome + The Normal =Duet Emmoってことを❗️ つまり、Domeって言うのは、英国ポストパンクバンドWireのBruce C.GilbertとGraham Lewisがやっていたインダストリアルな実験音楽ユニットで、The Normalって言うのは、Mute RecordsのオーナーDaniel Millerのソロユニットで、最初のシングル”Warm Leatherette”でワンマン・エレクトロ・ポップをやってましたね。その二つがコラボ・合体したのが、Duet Emmo (このユニット名はDOMEとMUTEの文字を入れ替えたアナグラムだそうです)と言う訳です。もうこれら2つに関しては、これまで、度重ね紹介してきましたので、ここでは省略します。私の持っているのは、LP(白盤)+片面のみのLP(こちらも白盤)から成る再発盤となります。A面はMiller色が強いようですが、B面はDome色が強いです。前者では、ドラムマシンのキックやシーケンスによるベースラインがはっきりと録音されており、どちらかと言うとMiller寄りのトラックですね。またヴォーカルも入った曲もあるし。一方、後者では、独特の音色のギターあるいはベースの変調音を使っての茫漠とした曲が並びます。時にMillerによるシンセ音が混ざってきます。その様子は「音楽」というより「建築」と言った方がしっくりきますね。C面は、再発に当たってのボーナストラックみたいですが、両者の良いところが絶妙のバランスで程良くMIXされていますね。タイトルも”Heart of Hearts (Or So It Seems)”で裏ジャケ写との関係性があると思います。これが元々のコラボのきっかけになったのでは無いか?と想像します。両者ともクセが強いので、どんなもんかな?と思っていましたが、見事にバランス良く配置されており、隠れた名盤と言えますね。この音源以外に、本作品からシングルカットされたシングルがあるだけですので、今回の再発を機に入手しては如何でしようか? 特にMute好きな人には堪らん作品になっていますから❗️ https://youtu.be/Dv6cRzHDHEI #DuetEmmo #OrAsItSeems #MuteRecords #BruceC.Gilbert #DanielMiller #GrahamLewis #Dome #TheNormal #Collaboration #ExperimentalMusic #Abstract #Industrial
Electronic Experimental Music Mute Records 5514円Dr K2