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サイコ・キラー/トーキング・ヘッズ 米国プロモーション用シングル盤
エルヴィス・コステロがそうであるように、デビッド・バーンもまた「パンク」なるカテゴリーからは大きく逸脱した才能を有するアーティストでしょう。トーキング・ヘッズ後期から末期には、およそパンクとはかけはなれた名曲を発表するわけですが、この曲はあまりに有名な初期の代表曲。79年に入手しました。アコースティック・ヴァージョンも収録され、ピクチャー・スリーブがあることは購入の決め手になったのは言うまでもありません。ジャケットに写る男とはサイコ・キラー本人で、そのシャツには被害者の血染めの掌紋がついているのだと気づくまでには、どういうわけか大変な時間がかかりましたが笑。「ストップ・メイキング・センス」でのバーンのソロによるヴァージョンもとても面白かったのですが、やはりここでの、ティナ・ウェイマスの不穏なベースから始まる不安定かつ神経症的なスタジオ・ヴァージョンは素晴らしい。ニューヨーク・パンクを代表する一曲でしょう。#talkingheads
ロック 7" Single サイア揖斐是方
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A VERY STONEY EVENING / CROSBY-NASH
「何これ?修学旅行?」常連客と話していた店主・藤原夫人は、学生服で現れた田舎の高校生を、あからさまに嘲笑したものです。70年代中頃、そんな客はお呼びじゃなかったんですな新宿レコードは。非常に肩身の狭い思いをしながら、その時に買ったのが、当時米国発売されて間もない「ウィンド・オン・ザ・ウォーター」でした。クロズビー・アンド・ナッシュのセカンドです。当初は嫌いではなかったものの、次第に「鯨を救え」のトーンが鼻についてきて手放しました。勿論それはその後の、暗愚な日本人に救鯨の大切さを教示するための有難い「ローリング・ココナッツ・レビュー」の恥辱(笑)につながっていくわけです。そしてクロズビー・アンド・ナッシュに関してはファーストと、ここにあげた二作があれば十分ではないかとの結論に至りました。やはり70年代に入手した海賊盤「ア・ベリー・ストーニー・イヴニング」はタイトル通り、クロズビーのぶっ飛びぶりがうるさいのですが、選曲・歌と演奏・音質どれもが素晴らしいアルバムです。以前に所有していたのはもっと気の利いたジャケットでした。そして後年、このブートレッグが名作なのはご本人達も知るところとなったのでしょう、「アナザー・ストーニー」と銘打って、ほとんど同じ選曲からなる類似ライブ盤を公式リリース。先に評判をとった海賊盤の存在があり、それに対抗する形で公式盤があとから出るというパターンは昔からありました。これもその一例でしょう。 ただし、厳密にいえばオリジナルの二枚組海賊盤のほうがやや選曲面で勝ります。#csn&y #davidcrosby #grahamnash
ロック LP, Album CD TMOQ揖斐是方