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A VERY STONEY EVENING / CROSBY-NASH
「何これ?修学旅行?」常連客と話していた店主・藤原夫人は、学生服で現れた田舎の高校生を、あからさまに嘲笑したものです。70年代中頃、そんな客はお呼びじゃなかったんですな新宿レコードは。非常に肩身の狭い思いをしながら、その時に買ったのが、当時米国発売されて間もない「ウィンド・オン・ザ・ウォーター」でした。クロズビー・アンド・ナッシュのセカンドです。当初は嫌いではなかったものの、次第に「鯨を救え」のトーンが鼻についてきて手放しました。勿論それはその後の、暗愚な日本人に救鯨の大切さを教示するための有難い「ローリング・ココナッツ・レビュー」の恥辱(笑)につながっていくわけです。そしてクロズビー・アンド・ナッシュに関してはファーストと、ここにあげた二作があれば十分ではないかとの結論に至りました。やはり70年代に入手した海賊盤「ア・ベリー・ストーニー・イヴニング」はタイトル通り、クロズビーのぶっ飛びぶりがうるさいのですが、選曲・歌と演奏・音質どれもが素晴らしいアルバムです。以前に所有していたのはもっと気の利いたジャケットでした。そして後年、このブートレッグが名作なのはご本人達も知るところとなったのでしょう、「アナザー・ストーニー」と銘打って、ほとんど同じ選曲からなる類似ライブ盤を公式リリース。先に評判をとった海賊盤の存在があり、それに対抗する形で公式盤があとから出るというパターンは昔からありました。これもその一例でしょう。 ただし、厳密にいえばオリジナルの二枚組海賊盤のほうがやや選曲面で勝ります。#csn&y #davidcrosby #grahamnash
ロック LP, Album CD TMOQ揖斐是方
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椿説弓張月/三島由紀夫
また今年も今日が来たので、1969年11月に横尾忠則のジャケットで発表された三島由紀夫のセカンド・アンド・ラストアルバムを。三島自身が一人で声色を変えて何役もこなした自作の朗読パフォーマンスで、没後半世紀余、歴史的・文化的な価値は損なわれるどころか、ますます高まっていると思います。が、繰り返して聴く気が起きないのですな、どうも。後年、ジャケット改悪でシーデー・リイシューされたとて、それでも聴けない笑。当たり前だが、本物すぎて、どうしても馴染めないのです。ただ、兜をかぶっているのではなく、兜にかぶられている態の先生の写真と横尾アートだけが印象に残るばかりなのでした。かかる日になどて三島は英霊となりたまいし。そんなフレーズが浮かぶ憂国忌です。#三島由紀夫 #横尾忠則
歌舞伎 LP, Album CD コロムビア揖斐是方
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小沢昭一の小沢昭一的こころ。サイン入りLP
小沢本人の歌唱による諸作の中ではやはり本盤が一番良いのではないでしょうか、毎日聞こえてきたあのメロディーと氏の軽妙な語りを覚えている方も多いとおもいます。あの番組「小沢昭一的こころ」のテーマ・ミュージックに歌詞をつけて歌っているのが「明日の心だ」。収録曲中の白眉は酔生夢死の無頼の生きざまを歌った永六輔作詞の「アレ野垂れ死に」と、小沢作詞、今村昌平補作詞、黛敏郎作曲の「エロ事師の歌」(当然野坂作品の世界で)。これは映画に使われた楽曲なのかもしれませんが。得意のハーモニカが炸裂、戦後の昭和を築いてきたオトーサンたちのペーソス、ノスタルジア満載の好盤です。1993年に仕事でご一緒した際にいただいたサイン、不愛想で感じの悪いオヤジだったのを記憶しています。笑い。#永六輔 #黛敏郎 #今村昌平 #野坂昭如
歌謡曲 愛唱歌 LP, Album CD コロムビア揖斐是方
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祝 サー・リチャード・スターキー 生誕81年
ドラマーの鑑、どうかいつまでもお元気でと祈らずにはいられない人物。これら五枚はなぜかいつまでたっても リマスター再発はされないのですが、して下さい。#beatles #ringostarr
ビートルズ LP, Album CD ポリドール RCA揖斐是方
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Visions of a Trespasser/S.T.Mikael
いまやもう誰もこの人のことは口にしなくなりました。しているのかもしれませんが、あまりそういう話は聞かない。スエーデンの一人サイケデリアフリーク。これは彼の89か90年頃の確かファーストです。500枚限定のセカンド・エディション、シーデーの方はジャケットをちょっと変えて「The Unknown」というアルバムとの二枚組。 己の内側に淀む鬱積した想念をうんざりするほど叩き込んだ、一人多重の権化みたいなヤリスギサイケですが、二十年ぶりくらいに思い出しましたので。#psychedelicrock #アナログ
サイケデリック・ロック LP, Album CD Xotic Mind揖斐是方
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土方 巽の『バサバサ』
恐怖奇形人間でのみ記憶され、語られる舞踏家。その意味では可哀想。オリジナルLP盤と再発のシーデー。氏の語りには確かに求心力、訴求力が備わっていました。ただ、怒っていた。非常に。表現者の原動力が怒りであることは多々あるけれど、この人物も典型だったのではないでしょうか。葬式の香典返しとして配布されたレコード。#暗黒舞踏 #恐怖奇形人間 #アスベスト館 #アナログLPレコード
スポークン・ワーズ LP, Album CD プライベート盤揖斐是方