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ゴジラVSビオランテ
ゴジラ映画、引いては怪獣映画の一大転機となった作品でしょう。シミュレーション路線でテンポよく進むストーリーはツッコミどころが多いにも関わらず快調。これを特撮とは無縁のジャンルで名声を築いた大森一樹監督が作ったという事に意義があります。ジャンルの知識がないからこそ『娯楽映画』の一つとしてピュアに接する事ができたのでしょう、天晴れな出来です。
特撮 東宝ビデオ 1990年代CRASH AND BURN 場外劇場
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メカゴジラの逆襲
人生で初めて映画館で観た映画がこれでした。とにかく閉じた閉塞感あふれる映画で開放的な前作とは対照的。チャンピオン祭りのゴジラはヒーロー路線なのでとかくゴジラが苦戦する展開が続きますが本作は相棒がいないのでまさに大苦戦。こうして考えるとVSシリーズのゴジラ無敵路線が子供受けしたのも良くわかります。
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怪獣大戦争
東宝特撮映画の怪獣映画路線とSFスペクタクル路線の合体ですが盛り沢山の脚本のわりにこじんまりとした印象もあります。X星人は魅力的なのですがミステリアンの焼き直しでもありますし、新怪獣も無し。そう思ったのか間をあまり空けずに「怪獣総進撃」でリメイクしています。ニック・アダムスは怪獣に遭遇した後、本国ではシービュー号で恐竜に追われてました。
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キングコング対ゴジラ
個人的に昭和の怪獣対決映画の東の横綱だと思う作品で異論を挟む人も少ないでしょう。全てが娯楽に全振りされた展開は痛快そのもので退屈する暇はありません。元はウィリス・オブライエンの「キングコング対フランケンシュタイン」だったのは有名ですが結果的にゴジラにキャストを変更して大正解。未だにこれを超えるカードはありません、それを最初に切った東宝は凄い一方で怪獣対決映画に縛られる事にもなった事も忘れてはいけません。
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マタンゴ
東宝特撮映画の中で一番ドロドロした異色作、「吸血鬼ゴケミドロ」と並ぶ極限状態の人間を描いた怪奇映画の名作でしょう。人間の本性をえぐるストーリーのためタイトルのマタンゴはラストのみの登場なのが勿体ないですが脚本の力で押し切ります。肝心のマタンゴの着ぐるみが恐怖感に欠けるのでとことん出し惜しみしたのは正解でしょう。これを見てからはキノコを食べるときは「先生、美味しいわよ~」がすっかり定番になってしまいました。
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ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦! 南海の大怪獣
子供の頃テレビ放送が無く怪獣図鑑でその怪獣の造形の良さと一気に新怪獣3体という豪華さに見たい見たいと思っていた映画でした。そしてレンタルビデオでようやく視聴出来て最初の感想は「詐欺…」でした。3体の怪獣が戦っているスチールが有名なのでまさか決戦にゲゾラ不参加とは思いませんでした。ではガニメとカメーバはというとどっちもリーチ不足で地味な仕上がり。一つ一つの特撮場面自体はよくできているのですが地味。また本編も妙に真面目に撮っているので「南海の大決闘」のようなテンポも無くやはり地味。海外怪獣映画のようなノリを狙ったのでしょうが個人的には好きなのですが失敗作なのかもしれません。
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キングコングの逆襲
本編と特撮のバランスが良くこの時期の怪獣映画では秀作だと思います。東宝がキングコングの権利を喪失する前にもう一本と製作したものですがその際の「キングコングの外観は原典に似せてはならない」が解除できたのか初代キングコングのアニメーション用モデルに似せて着ぐるみを作成してますね。コング対ゴロザウルスの一連も含め円谷英二のキングコング愛が伝わります。その一方東京タワーでの対決はシチュエーションはいいのですが着ぐるみの限界が出ていて現在のCG技術で自由に飛び移るコングが見てみたい一戦です。
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宇宙大怪獣ドゴラ
日本の怪獣映画としては怪獣自体はもちろんギャング映画との合体というストーリーも異色。ただやはり炭素とダイヤモンドだけという接着剤は弱すぎた。宣伝用スチールでは派手に暴れているのに実際には食事しているだけというまるで後期昭和ガメラ並みのギャップも悪印象。でもそれら欠点を補って余りあるのがダン・ユマの『インチキ外人』演技です。この手のキャラは見てて癖になりますが平成ゴジラのチャック・ウィルソン以降出てこないのが残念。個人的には海外の怪獣映画っぽくて好きです。
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空の大海獣ラドン(初回発売版)
言わずと知れた名作、最初は「放射能X」のような巨大虫怪獣映画と思いきやより巨大なラドンの登場という構成はは見事でリアルタイムにネタバレ無しで見れていたらさぞ驚いたことでしょう。ラドン登場を機に『暗』から『明』、『狭』から『広』へとコントラストの変わりっぷりは爽快です。日本映画で初めて北米のボックスオフィスに名を連ねた大ヒット映画で公開年における米国SF映画ジャンルではトップでした。今でも海外人気が高いのはこのため。
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惑星大戦争
何と言いましょうか、正直スカプラな映画なんですが好きなんですよ。初めて出した同人誌も本作でした。「海底軍艦」をくさしておいて何故この映画を褒めるとお思いでしょうがいい意味で駄目な映画なのが良いのです。分かり易く言うと褒めようとすればするほど貶し言葉になってしまうと言えば分かって頂けるかと。しかし時間が無いからこそでしょうが「スターウォーズ」に便乗していながら見事なまでにスターウォーズらしさが微塵も感じられないのが真似しようとしても出来ない芸当です。
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海底軍艦(再発売版)
メジャーであり人気の高い作品ですが自分には刺さらなかった映画です。この時代の娯楽映画は強い主役が最後に圧倒的強さを見せて一気に悪役を倒すのが定番でしたが(例 用心棒)本作の場合轟天号が強すぎるて見せ場が胃に溜まらないしハラハラもしないし、何よりムー帝国皆殺しのやり過ぎに引いてしまい素直に楽しめませんでした。もちろんデザイン面を始めとするビジュアルの魅力は認めますが娯楽のツボが合わなかったようです。
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妖星ゴラス(初回発売版)
東宝特撮ではある意味本作が一番ではないでしょうか。どうせホラを吹くならこれだけの大ぼらを吹きたいものです。特撮的には南極ジェットパイプ建造シーンが素晴らしい、破壊でなく建造を見せ場にした映画というと「トンネル」という24時間で大西洋横断海底トンネルを作るというゴラスに負けず劣らずの大ぼら映画を思い出してしまいます。なおトイレを我慢している時は本作のBGMを頭に浮かべるとますますピンチになれます、お試しあれ。
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宇宙大戦争(初回発売版)
「地球防衛軍」の姉妹編であると同時に欧米では穿いて捨てるほどあるのに日本ではほぼ唯一の「月世界到達映画」でもあります。宇宙を意識した特撮映画は多いのですがストレートな『宇宙探検』になると皆無なのは、昭和の現実では宇宙開発に大きく後れを取っていたからでしょうか。ところで話は変わりますが高校生の頃に深夜放送された際に何と『宇宙大戦争』シーンをカットしたバージョンが放映されました。「SFレーザーブラスト」どころではない酷いカットで担当者は何を考えて編集したのやら…
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地球防衛軍(再発売版)
東宝特撮を語るにおいて「ゴジラ」と並んで外せない重要な作品です。だからこそ至る所で語りつくされているので話す内容もありません。ただ個人的には『いつの間にか人類が侵略者の技術を追い抜いている』という侵略戦争物ではあまり類例の無い、というか反則技の逆転方法の作劇が大人になってから見るとちょっともにょりますね。
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ガンヘッド
サンライズがタンサー5に次いで製作した特撮にして『世界初の巨大ロボット映画』という触れ込みでした。結果は1989年の邦画でワーストの興行成績で色々と」リアルタイム世代には複雑な想いがある映画です。ただそれでも公開から何十年経ってもソフトやムック本にプラモが発売される根強い人気があるのは何故でしょうか。それはロボットのガンヘッドの人徳によるものだと思います。ナイトライダーのK.I.T.T.と並ぶよい意味での人間臭い性格が痘痕の多いこの映画を憎めない物にしているのだと思います。
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