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マッハGoGoGo ミュージックファイル Round-1
タツノコプロが自動車レースをテーマにバタ臭さ満点で描いた1967年の名作アニメのサントラ。音楽担当は「光る東芝の歌」や『鉄人28号』の「正太郎マーチ」、『サザエさん』のBGMで有名な越部信義。タツノコ関係だと『みなしごハッチ』、『樫の木モック』、『けろっこデメタン』いや、本当の代表作は「おもちゃのチャチャチャ」、「朝いちばん早いのは」、「あらどこだ」、「ちかてつ」、「勇気一つを友にして」といったNHK関係の童謡か。なにしろ『おかあさんといっしょ』のメイン作曲家を40年以上に渡って務めていたのだから、良い子なら体に越部節が染み通っているはず。更に80年代には日本コロムビアの人気シリーズ<DIGITAL TRIP>にも参加、『未来警察ウラシマン』、『聖戦士ダンバイン』、『宇宙刑事シャリバン』等を手掛ける(これらがほとんどCD化されていないのは実に残念極まることである)という八面六臂の大活躍。このアルバムは、うっかり八兵衛こと元スリーファンキーズの高橋元太郎によるカバー版ではなく、ボーカル・ショップの歌、しかもマッハ号がオートジャッキでジャンプする「びよんびよんびよん」みたいなSEもミックスされた放映バージョンを収録した「分かってる」名盤。それにしてもマッハ号のデザインは神がかりの美しさ。
アニメ vap 2002年大吉GUY
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モンスター・クラブ・コンパイル -ゴジラ・ガメラ・ギララ 史上最大の音楽決戦!-
帯に「モンスター・ムービー・レア・グルーヴ・バトル!!」とあります。「50~70年代のSFXならぬ昭和特撮サウンドが鼓膜を直撃するカルトコンピレーション」というわけで、これは隠れた大名盤。いや、これを隠れたままにしておくなんて、日本音楽界の一大損失です。とりあえず、各小学校に一枚は常備するよう手配して、子どもたちを洗脳……もとい教育しなければなりません。 「昭和特撮サウンド」などと言うと、例の伊福部昭のマーチ等を想像されるかもしれませんが、まったく違います。もちろん、あれはあれで燃えるんですが、このアルバムでは、怪獣なんて雰囲気は全然感じ取れません。勇壮な戦闘音楽もありません。悲劇的なメロディーもありません。流れてくるのは、ジャズ、ゴーゴー、サーフミュージック、サイケデリックロック(この名前自体が懐かしい)が唸りまくる、究極のラウンジ・ミュージック。ただただ快感、このままトリップしてしまいそうです。 「昭和特撮」の映画音楽というのは、実に多様で、実に贅沢だったのだなぁと改めて感動してしまいます。イカス音楽というものがどういうものか知りたかったら、このアルバムをお聞きなさい。さすがは泣く子も黙るVAPのミュージック・ファイル・シリーズ、期待どおり、いや、期待以上の素晴らしい選曲でマニアのツボを刺激しまくります。最早サントラなどという枠を飛び越えて、全世界に問うべき人類の至宝です。 『ゴジラ』シリーズでは、一段低い評価しかされていない真鍋理一郎の仕事、こういうところではなかなか聞けない、いずみたくの仕事、本当に素晴らしいものです。『宇宙大怪獣ギララ』のブロックで流れる激しいチェンバロは、ちょいとスゴイですぜ。 特に「ギララのロック」(台詞なしバージョンなのが少々残念)、「大巨獣ガッパ」、そして『ゴジラ対ヘドラ』の「かえせ!太陽を」なんて歴史に残るトチ狂ったボーカル曲を連続で聞かされた日には、曲に身を委ねる以外、何をする気も起きません。ギララの永六輔(!)、ヘドラの監督でもある坂野義光の作詞センスが光りに光っています。それにガッパの美樹克彦(実は、この人、私の小学校の大先輩だったりする)の伸び、艶のある声はどうでしょう!さすが「大嫌いだ、白い雲なんて」「バカヤロォォォォォッ!」の美樹克彦、怪獣映画の主題歌だからといって、まったく手抜きはありません。 五社協定(後に六社)なんて何のその、映画会社の垣根も取り払って、東宝、松竹、大映、日活から(あら、新東宝はともかく、東映がありませんね)、レアな佳曲が目白押しです。おまけに、各作品の完全盤アルバムが発売されている場合は、どこの会社のものであろうと関係なく紹介するという太っ腹なところまで見せています。他者を儲けさせるようなことしていいんでしょうか。ここんとこ、ちょっと心配ですね。更に、御覧のジャケットをはじめ、水野久美をフィーチュアしまくったアート・ワークも素晴らしすぎるほどに素晴らしい。騙されたと思って聞いてみていただきたい。とにかく聞いてくれ!いいから聞いてくれ!今すぐ聞いてくれ!
サントラ vap 1996年大吉GUY
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特捜最前線 MUSIC FILE
VAPの名物シリーズ、MUSIC FILEの「伝説のアクションドラマ音楽全集」の1枚として発売された『特捜最前線』のサントラ。こだわりのVAPらしく、1986年発売のポリドール盤とは曲が被っていないのが凄い。両方聞けば、木下忠司の名曲が、ほぼコンプリート! ただ、どうせなら、全オープニングナレーションを入れてほしかったとか思う(一部は1995年発売のvol.2に入ったらしいが、そこまでマニアじゃない私は買ってない)のは、VAP相手だからこそのワガママか。高島幹雄ってのは凄い人ですよ。
サントラ vap 1994年大吉GUY
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ディープ・サントラ・ファイル 激闘!黄金の大捜査線!!
これまたVAPのコンピ盤で、「プレイガール」「女必殺拳」「ザ・ゴリラ7」「ザ・ボディガード」「大追跡」なんかを収めたアルバム。菊池俊輔だの山下毅雄だのの名曲が流れまくって、テレビドラマ黄金時代が蘇る。最近のドラマって、BGMがあんまり耳に残らないのよね。タイアップみたいな主題歌じゃドラマは盛り上がらんよ。
サントラ vap 1996年大吉GUY
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ディープ・サントラ・ファイル 豪華!オールスター夢の競演!!
「キイハンター」、「アイフル大作戦」、「バーディ大作戦」に混じって「男はつらいよ」とか「釣りバカ日誌」とかが入ってるのがよく分からんが、この時期のVAPだからこその素晴らしいコンピ盤。お徳用ってのは、こういうアルバムのためにある言葉だと思う。
サントラ vap 1996年大吉GUY
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ルパン三世’71 MEトラックス
マスターテープが紛失している『ルパン三世』1stシリーズのBGMを聞きたい! という良い子たちの声にこたえて、サントラの鬼、高島幹雄(ミュージック・ファイル・シリーズの企画担当者)がMEテープ(BGMと効果音が入ったもの)を編集、可能な限り復元するという、想像するだけで気の遠くなる作業を敢行、落涙必至、問答無用の大名盤を完成させた。山下毅雄によるBGMはもちろん、サントラでは邪魔なはずのSE(効果音)がイイ味出してて逆にグー。靴音とかドアの開閉音とか、今のアニメとは違って、かなり個性的な音で、あの時代の、緑ジャケットのクールガイ・ルパンの姿がありありと蘇る。「このCDでしか聞けない」って惹句は伊達じゃない!
アニメ vap 1999年大吉GUY
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ウルトラ・クラシカル・コンパイル -ネオ・ロマンティシズム'66~'74-
ウルトラシリーズから、クラシック・テイストで、シンフォニックでバラードなBGMを集めたアルバム。宮内国郎、冬木透、日暮雅信が作曲した『ウルトラマンレオ』までのシリーズから選ばれているものの、実質的には冬木透のアルバム。大雑把に言うと、宮内はジャズ、日暮は現代音楽、そして冬木はクラシック・テイストの曲に特徴があるわけで、ウルトラシリーズに感じられるスケールの大きさ、ある種の格調の高さは、冬木による音楽のおかげと言っても過言ではない。
特撮 vap 1996年大吉GUY
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ウルトラ・クラブ・コンパイル ~グルーヴ! 円谷ヒーロー!!~
当時のシネジャズ・ブームに乗った、円谷作品のコンピレーション・アルバム。宮内国郎、冬木透、冨田勲、玉木宏樹、小山恭弘の作品から選ばれているが、『マイティジャック』、『恐怖劇場アンバランス』のクラブ、バーの場面用の音楽を書いた冨田勲が素晴らしい。特に『マイティジャック』のクラブJ用のBGMは、私がこよなく愛するビブラフォンも入っていて、まさにジャズそのもの。『ウルトラマン』のオープニングに出てきたバルタン星人の影絵を使ったジャケットもオシャレ。
特撮 vap 1996年大吉GUY
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ウルトラマン・決戦ミュージックファイル
宮内国郎、冬木透、日暮雅信によるウルトラシリーズのバトル・ミュージックを集めたコンピレーション・アルバム。特に『帰ってきたウルトラマン』以降は、固定された演出パターンに合わせて、防衛軍の戦い~ウルトラマン登場(変身、登場シーンのSEが嬉しい!)~ウルトラマン苦戦~ウルトラマン勝利という流れで収録されているので、ドラマを追体験しながら聞ける名編集。ただ、『ウルトラファイト』のコーナーを設けるくらいなら(どうせ流用曲ばっかりなのだから)、タロウのBGM増量と、『ザ・ウルトラマン』と『ウルトラマン80』の曲も収録してほしかった。
特撮 vap 1995年大吉GUY