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谷川美音「リフレインの向こう側 08」
これが漆の作品だとは信じられないというのが最初の印象だった。太いペンで試し書きした筆跡を起こしたような形は、漆芸と聞いて浮かぶイメージからは大きくかけ離れている。けれど、よくよく見て見ると細部まで丁寧に作られていて、漆の持つ美しさをはっきりと実感できる。 ちなみに裏面には磁石が仕込んであるので位置を合わせて画鋲を刺せば壁に設置できるという簡単さ。ここでも細やかな仕事ぶりが発揮されている。
リフレインの向こう側 08 谷川美音 「ART OSAKA 2017」2017.7.7-7.9 Finch Artsあさはらやあま
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飯田美穂「imaginary image(クリムト)」
一目見て豊田市美術館が所蔵するクリムトの「オイゲニア・プリマフェージの肖像」がモチーフだと分かるのだけれど、顔が「∵」になっている。背景も筆致には勢いがあり、全体として解像度が低くなったような印象を受ける。けれど、どこか引き込まれるものがあるから面白い。 フェアの会場にはたくさん作品が並んでいてなかなか選べず、作家が気に入っていると話した作品をいただくことにした。翌日また会場にお邪魔したら赤丸がたくさんついていて盛況だったのには驚いた。そして翌年だったか、作家が参加した京都のフェアの入場券にこの作品の画像が印刷されていて、それは驚いたけれどもうれしかった。
imaginary image(クリムト) 飯田美穂 「ART OSAKA 2018」2018.7.6-7.8 Finch Artsあさはらやあま