ミツウネアワビ
世界一奇妙なアワビと言っても過言ではないでしょう。一体どう進化したらこのスタイルになったのか…
「三つ畝」と言いますが、それぞれの畝の印象もかなり異なります。一番内側の畝は、鱗片状の彫刻列が数本巡っており、太い綱に似た印象です。二本目の畝は孔列が突出したものですが、横から見ると甕のような形をしています。三本目は外縁部が盛り上がって結節列を作ったもので、この他の種では見られません。
そしてダメ押しのように、縫合から一本目の畝にかけて、かなり強い襞が伸びています。英語名はおそらくここから来ているのでしょう。また、螺塔がアワビにしては高く、横から見ると次体層は半分浮き上がっていて、私には低気圧の雲が連想されました。
多い種ではないものの「ものすごく珍しい」とまではいかないようで、このくらいのサイズなら意外と手軽に入手可能です。
6cm
Haliotis scalaris
西オーストラリア ロットネスト島
Wiwaximaminashi