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3式戦「飛燕」1型乙…244戦隊/本部小隊 安藤伍長機(45号機)
244戦隊本部小隊、安藤 喜良 伍長の45号機、この作り比べシリーズの第12番目(未完成品等を含む)、こちらは3式戦の「乙」型です。 「乙」型は、初期型の甲型が機首の12.7mm(ホ103機関砲)2門、両翼に7.7mm(89式機銃)2門だったのを、4門全てを「ホ103」の12.7mmに強化した改善型でした。(引き込み式の尾輪を固定式に変更) なお、後にこれでも威力が足りず、両翼の機関銃をドイツ製のマウザー20mm砲に改善したのが「丙」型になります。 安藤伍長機は、全身まだらの迷彩に、機首から胴体半ばにかけて赤い電光が、その下に機首から尾翼下まで一直線に白いラインが引かれ、隊の数あるカラーバリエーションの中でもデザインが派手な一機です。 本部小隊なので尾翼は赤、白い戦隊マークが描かれています。 安藤伍長はこの45号機で昭和20年1月9日の迎撃戦闘において被弾、成増飛行場に不時着して本機は修理工場行きとなります。 その後、他機に乗り換えて戦線に復帰、昭和20年1月27日、戦隊長の僚機として出撃した際、千葉県船橋市上空で敵B29編隊に突入、体当たりで敵機を撃墜するも自機もろとも墜落、戦死されました。 この日、小林戦隊長も体当たり(事故)で落下傘降下で生還しますが、帰宅後に部隊からの伝令により僚機・安藤伍長の戦死の報を聞き、“がっくりと肩を落とし…(中略)…布団に顔を伏せた…“と、戦隊長夫人の小林千恵子さんの手記「ひこうぐも」の一節に書かれています。 安藤伍長の戦死の数日前、小林戦隊長は安藤伍長からマフラーを貰い受けており、安藤伍長の戦死後はそのマフラーを身に着けて出撃していたそうです。 (※修理に時間を要したこの45号機は、後にみかづき隊に回されました。) 模型はファインモールド社の乙型、デカールはLifelike社の45号機用をチョイス。。 ピトー管を真鍮部品に交換。 【模型製作メモ】 機体: 下地=Mr.サーフェイサー(グレイ) (キャノピーは、専用のマスキングシートでマスキング) 先に、パネルごとのコントラストで、TS-90シルバーリーフ 次に別の一部のパネルを、TS-83メタルシルバー その後、それらのパネルをマスキングし、機体全体の塗装は AS-12シルバーメタル(以上、全てタミヤのスプレイ) 機首上面:ファレホ フラットブラック(筆塗) フラップ:タミヤエナメル明灰白色(筆塗) 尾部:タミヤエナメル赤(つや)←デカールのためにツヤで塗装 機内:タミヤアクリル・カーキ 着陸灯内部:NATOブラック、灯火パーツは内側から電球部をザグり、シルバーを塗布。 プロペラ:タミヤエナメル フラットブラウン(筆塗) タイヤ:タミヤエナメル タイヤブラック(筆塗) デカール:Lifelike (デカール貼り後、水性つや消しクリアスプレー)
ファインモールドT. S
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3式戦「飛燕」1型乙…244戦隊/震天制空隊 板垣軍曹機(73号機)
244戦隊の体当たり専門部隊「震天制空隊」の 板垣政雄 軍曹の73号機、244の飛燕作り比べシリーズの第11番目、3式戦の「乙」型です。 「乙」型は、初期型の甲型が機首の12.7mm(ホ103機関砲)が2門、両翼に7.7mm(89式機銃)が2門だったのを、すべてホ103の12.7mm×4門に強化した改善型でした。(引き込み式の尾輪を固定式に変更) なお、後にこれでも威力が足りず、両翼の機関銃をドイツ製のマウザー20mm砲に改善したのが「丙」型になります。 板垣軍曹は、体当たり専門の震天制空隊の一員として、昭和19年12月3日および昭和20年1月27日の2度、B29に体当たりし、僚機の中野軍曹と同じく2度とも生還した強運の持ち主でした。 後に震天制空隊は廃止されますが、強運の板垣軍曹は本部小隊に配属され小林戦隊長の僚機を務めます。(終戦時、総飛行時間740時間) 震天制空隊の標準塗装で、垂直尾翼と水平尾翼が真っ赤に塗装されており、戦隊マークではなく、搭乗者のイニシャルがカタカナで「イ」とペイントされています。 中野軍曹の16号機ではすべての機銃が撤去されていたそうなので、もしかすると、この73号機も武装撤去だったのかもしれません。 記録写真を見ると、板垣軍曹は震天制空隊でこの73号機のほか、全身濃緑色に迷彩された14号機にも搭乗しています。(14号機は、機首上面の防眩色のブラックがハゲハゲになっており、胴体はキャノピーと異なり地色のシルバーのまま…、いつか製作してみたい1機です。) 本モデルですが、いま気付いたのですが、塗装が途中でした。 プロペラのスピナーの先端を白く塗らないと、また、キャノピー後方のアンテナも茶色くぬらないといけないのを忘れそのままでした。いつかやろう…。 模型はファインモールド社の乙型、デカールはLifelikeから板垣軍曹機用をチョイス。 ピトー管を真鍮部品に交換。 【模型製作メモ】 機体: 下地=Mr.サーフェイサー(グレイ) (キャノピーは、専用のマスキングシートでマスキング) 先に、パネルごとのコントラストで、TS-90シルバーリーフ 次に別の一部のパネルを、TS-83メタルシルバー その後、それらのパネルをマスキングし、機体全体の塗装は AS-12シルバーメタル(以上、全てタミヤのスプレイ) 機首上面:ファレホ フラットブラック(筆塗) フラップ:タミヤエナメル明灰白色(筆塗) 尾部:タミヤエナメル赤(つや)←デカールのためにツヤで塗装 機内:タミヤアクリル・カーキ 着陸灯内部:NATOブラック、灯火パーツは内側から電球部をザグり、シルバーを塗布。 プロペラ:タミヤエナメル フラットブラウン(筆塗) タイヤ:タミヤエナメル タイヤブラック(筆塗) デカール:Lifelike A/C #8 (デカール貼り後、水性つや消しクリアスプレー)
ファインモールドT. S
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3式戦「飛燕」1型丙…244戦隊/そよかぜ隊 隊長 生野大尉機(88号機)
244戦隊の第1飛行隊「そよかぜ隊」の隊長、生野文介 大尉の愛機、88号機です。 模型のこの作り比べシリーズの10番目、この間に、244戦隊ではない製作4番目の2型改と、未完成作りかけの9号機のマルサン製キットがありまして、本機は我が家の製作シリアルナンバー10です。 この生野大尉の88号機の写真は多数残っており、浦安上空で撮影した編隊飛行中の素晴らしい記録写真をはじめ、様々な角度から実機の姿を見ることができます。(※本ページに、大日本絵画刊「飛燕戦闘機隊」の写真を掲載しています。現在のTDLの上空あたりの空撮です。) 本土防空戦を生き抜いた生野大尉は、戦後に航空自衛隊に入り栄進を重ね、1973年2月に1空佐で防府北基地の第12教育飛行集団長に、最終的に空将補に昇進され1975年に退官されました。 マウザー砲を搭載した丙型、迷彩は施されておらずジュラルミンの地肌に、機首側面から胴体後部にかけて赤い電光が走っており、胴体後部の赤帯、尾翼の戦隊マークも赤と、シンプルながら印象深いデザインの一機です。 もともとこの機体には迷彩が施されていたようで、後に軽量化?のために緑の塗料は剥がされ金属地肌になりましたが、帆布製のエルロン翼面にしみ込んだ塗料がそのまま残っています。(キット純正のデカールで、そのあたりがきちんと再現されています)(※その後、再度全身を迷彩が施されたようです。その状態で、終戦後に廃棄されている88号機の写真が残っています。) 本モデルはファインモールド社の丙型、デカールもキット純正です。 ピトー管を真鍮部品に交換。 【模型製作メモ】 機体: 下地=Mr.サーフェイサー(グレイ) (キャノピーは、専用のマスキングシートでマスキング) 先に、パネルごとのコントラストで、TS-90シルバーリーフ 次に別の一部のパネルを、TS-83メタルシルバー その後、それらのパネルをマスキングし、機体全体の塗装は AS-12シルバーメタル(以上、全てタミヤのスプレイ) 機首上面:ファレホ フラットブラック(筆塗) フラップ:タミヤエナメル明灰白色(筆塗) 機内:タミヤアクリル・カーキ 着陸灯内部:NATOブラック、灯火パーツは内側から電球部をザグり、シルバーを塗布。 プロペラ:タミヤエナメル フラットブラウン(筆塗) タイヤ:タミヤエナメル タイヤブラック(筆塗) デカール:キット純正(デカール貼り後、水性つや消しクリアスプレー)
ファインモールドT. S
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3式戦「飛燕」1型丙…244戦隊/そよかぜ隊 石岡伍長機(43号機)
このシリーズの完成第3号機、ここまでは同じ作り方(塗装要領)で作っています。 飛行第244戦隊長の第1飛行隊「そよかぜ隊」の石岡 幸男 伍長機(43号機)です。 ドイツから輸入したマウザー社製20㎜機関砲を両翼に装備した「1型丙」型、左右の翼から強力な20㎜砲の砲身(銃身)が突き出しているのが特徴です。(ファインモールド社製1/72の丙型キット) 全身迷彩に機体前半分に控えめに赤い電光があしらわれており、機首のプロペラスピナー先端の黄色い目印、胴体後部の赤白の帯が特徴です。 石岡伍長は、一時期は戦隊本部小隊に所属し小林戦隊長の僚機を務めるなど、戦隊長からも信頼を置かれていた飛行士でした。 迷彩塗装ですが、こんなややこしい柄をエアブラシで描く技量はないので、ファインモールド社ご自慢の迷彩デカール(丙と乙に付属の柄違い2種)を駆使し、切った貼ったで戦隊長の295号とは違う柄にして仕上げています。 ということで、こちらも缶スプレーと筆塗で完成。 【模型製作メモ】 機体: 下地=シルバーサーフェイサー、タミヤAS-12アルミシルバー(缶スプレー) フラップ:タミヤエナメル明灰白色(筆塗) 機首上面:ファレホ フラットブラック(筆塗) キャノピー:タミヤエナメル シルバー(筆塗) 機内:タミヤアクリル自作機内色(筆塗) プロペラ:タミヤエナメル フラットブラウン(筆塗) タイヤ:タミヤエナメル タイヤブラック(筆塗) デカール:キット付属の迷彩デカールを切った貼ったで… デカール貼り後、半つやスプレー→つや消しスプレー
ファインモールドT. S
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3式戦「飛燕」1型丙…244戦隊/戦隊長 小林少佐機(295号機)
このシリーズの完成第2号機。(作った順に載せていきます) 昭和19年11月、24歳で244戦隊の戦隊長として着任した小林 照彦 少佐機(295号機)です。小林少佐は当時の陸軍で最も若年の戦隊長でした。 ドイツから柳船(封鎖突破船)で輸入したマウザー社製20㎜機関砲を両翼に装備した「1型丙」型、左右の翼から強力な20㎜砲の砲身(銃身)が突き出しているのが特徴です。 小林少佐率いる244戦隊は、対B29迎撃戦で戦果を挙げ、小林戦隊長も何度か撃墜されるもその都度生還し、体当たり(意図的なものではなく、事故だという説です)でのB29撃墜を含め、生涯で12機の撃墜スコアを誇るエースの一人でした。(この295号機が体当たり時の乗機であったといわれています。) 戦後は航空自衛隊のパイロットとしても活躍、残念ながら昭和32年6月に浜松基地で事故により墜落、殉職されました。最終階級、2等空佐、享年36歳。 模型はファインモールド社製1/72の丙型キットで、真鍮挽物の20㎜マウザー砲身と、戦隊長のフィギュアが付属している限定品でした。 【模型製作メモ】 機体: 下地=シルバーサーフェイサー、タミヤAS-12アルミシルバー(缶スプレー) フラップ:タミヤエナメル明灰白色(筆塗) 尾翼:タミヤエナメル 光沢レッド(筆塗) 機首上面:ファレホ フラットブラック(筆塗) キャノピー:タミヤエナメル シルバー(筆塗) 機内:タミヤアクリル自作機内色(筆塗) プロペラ:タミヤエナメル フラットブラウン(筆塗) タイヤ:タミヤエナメル タイヤブラック(筆塗) デカール:キット付属純正品 デカール貼り後、半つやスプレー→つや消しスプレー 増槽は、タミヤアクリルXF‐71「コックピット色(日本海軍)」をエアブラシにて
ファインモールドT. S