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兵庫県のヒスイ輝石
もう10年以上前までは、大きなヒスイが川に落ちてましたが、最近は、滅多に拾えなくなってます。数年前には、ヒスイではありませんが、パラゴナイト~金雲母系の大きな放射状結晶の入ったアルビタイト (200kg位) を見付けて、教育委員会に通報したら、直ぐにレッカー車で保護してくれました。 1枚目は、白いヒスイ輝石の塊。 2枚目は、繊維状の見えるヒスイ輝石の塊。周囲には蛇紋岩が付いている。 3枚目は、その拡大。 4枚目は、アルビタイト中に、ヒスイ輝石の結晶が、花が散るように散在する物。 5枚目は、4枚目の拡大。 6枚目は、新産地の金雲母アルビタイト中の球状ヒスイ。肉眼でも微かに繊維状を確認出来るし、切断する時の硬さは、正にヒスイ。 これらの標本から、ヒスイの成因を推定出来る物と思ってます。こう言う小さな産地こそが、客観的証拠の宝庫です。
雲根誌21 鉱物編 兵庫県 2010年以前SilicifiedZone
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狐石 2021-02-04
蛇紋岩に関係のある緑色の石。普通はニッケルを含む石英と考えられ、珪ニッケル鉱と呼ばれていると思う。しかし、たいていはクロムイオンによる発色で、大した鉱物ではない。しかし、右の石は、石英よりも強靭で玉髄質なのかもしれない。ヒスイよりも、色が濃く、ヒスイの代用になるレベルの石。これは、兵庫県産。左の石は、糸魚川市姫川の川原産。
雲根誌21 鉱物編 兵庫県と新潟県 2015年頃SilicifiedZone
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球状のヒスイ輝石 2021-02-04
金雲母を含むアルビタイト中の球体。繊維状の部分も観えるので、ヒスイ輝石の可能性が高い。 この石を切断する時に、この球体部分は、ヒスイの様にものすごく硬かった。いずれ、分析の予定。
雲根誌21 鉱物編 2010年 兵庫県養父市大屋町SilicifiedZone
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球状蛇紋岩 2021-02-04
球状蛇紋岩と言うのは、あまり聞いたことが無いので、世界初なのかも知れない。これは直径が6㎝程度だけど、直径が50㎝程度のものある。構成鉱物も色々で、分析の準備中。ヒスイ輝石のもあるかも知れないと思う。
雲根誌21 鉱物編 日本国 2015年SilicifiedZone
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石灰岩を貫く鉱脈 明延鉱山 2020-09-24
スカルン鉱床は、石灰岩等、炭酸塩岩に接近したマグマから金属成分などが供給され、生成したとされている。しかし、その交代作用の機構は未だに示されておらず、一種の熱水鉱床だとも言われている。 この標本は、石灰岩を熱水鉱脈が貫いているが、ほとんど石灰岩に影響を与えていない。交代鉱床の成因を否定する証拠に成り得る標本。
雲根誌21 鉱物編 明延鉱山 2017年SilicifiedZone
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山サンゴ 三重県多気郡多気町丹生 2020-09-18
三重県丹生のトーナル岩中の裂罅空洞に産する山サンゴです。山サンゴは霰石から出来ています。生成原因は、裂罅空洞内の減圧のため、ゲル状の炭酸カルシウムが、小孔から引っ張り出された結果と考えています。 2枚目の標本は、参考標本として、滋賀県高島市のマンガン鉱山で2013年頃に採集した捻じれた長柱状の石英です。成因的には、山サンゴと同じと考えてます。
雲根誌21 鉱物編 三重県多気郡多気町丹生 2006年頃SilicifiedZone
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脱水しない濁沸石
京都府京丹後市の「濁沸石」と「剥沸石」です。大きさは、実体顕微鏡の視野は直径が5㎜です。 濁沸石と言えば、空気中で脱水し、容易に粉末化するので、水中保存するのが常識になってます。ところがここの濁沸石は、乾燥しても粉末化する事は無く、水晶のように、何時までも無色透明のままなのです。 脈状の産状を示すものは分解し、ここの様に閉鎖空間に産するものは分解しないのだそうです。分析機器を持たない我々には、濁沸石だと信じる他は有りません。 封筒状の結晶は、共産する剥沸石です。
雲根誌21 鉱物編 2020年8月 京都府京丹後市SilicifiedZone