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Stanisław Szpinalski : Chopin / Scherzo No.2 in B-flat minor, Op.31
Stanisław Szpinalski (1901-1957)は、1927年第1回ショパン国際ピアノコンクールで2位入賞したポーランド出身のピアニスト。優勝者オボーリンのオーソドックスなスタイルに対し、19世紀的なロマンティシズムを感じさせるピアニスト。47歳という若さで急逝したこともあり、LPやライブ録音も含めて、極めて録音が少ない。なかでも、このMUZA78rpm盤は重要なコレクターズアイテムである。後年のHMV盤よりも、シュピナルスキの良さを捉えている点でも重要だ。 #レコード #レコードコレクション #ショパン
SPレコード MUZA 1949年夏目 久生
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Manuel Infante : Daquin & Mendelssohn
スペインの作曲家マニュエル・インファンテがピアニストとして残した貴重なレコード。このOpéra盤の他に、パテ縦振動録音のエッチング盤に1枚残されていることが確認されている。音質からすると、このOpéra盤はパテ盤からのダビングではないかという疑問が付き纏う。 何故なら同じくパテ縦振動盤からダビングされたRudolph GanzやEthel LeginskaなどのPathé Actuelle(Needle cut)盤の音質とかなり類似しているからだ。 コレクター向けの骨董品だが、こういうレコードこそ愉しみもひとしおである。こっそりと愛でたい。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード Opéra 1910年代夏目 久生
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Auguste de Radwan : Chopin / Ronance ~Concerto No.1 in E minor, Ip.11
レシェティツキの門下となりパリで活躍したポーランド貴族のショパン弾き、オーギュスト・ド・ラドワン(1867-1957)。ド・ラドワンは、神童としてコンサートデビューを果たし、幼少期に開催したある慈善演奏会の聴衆の中には何とショパンの婚約者だったマリア・ヴォジンスカがいた。コンサート終了後、ラドワン少年の元に1人の老貴婦人が近寄って来て、「あのワルツは、ショパンが私に贈ってくれたものなのよ。」と伝えられたそうだ。 1933年頃、仏ウルトラフォンに録音されたこの一連のセッションは、ラドワン愛用のエラールが使用されており、古き良きポーランドのショパン演奏を偲ぶことが出来る貴重な資料となっている。 このレコードは、Sakuraphonレーベルの”Pupils of Leschetizky Vol.1”に世界初収録した。 #レコード #レコードコレクション #ショパン
SPレコード France Ultraphone 1930年代夏目 久生
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Vincent d’Indy のピアノ自作自演盤
フランスの作曲ヴァンサン・ダンディ(1851-1931)のピアノ自作自演SOレコード。この10インチ盤の他に12インチ盤も仏HMVに残している。ダンディのピアノ曲は今日ではあまり取り上げられないが、「旅の絵画」などとても美しい曲集だと思う。作曲家自身のピアノ演奏を低く見る人もいるが、技術よりも作品解釈を聴くことが重要である。しかし、ダンディに於いてはピアニストとしての腕前だけでも充分に愉しめる。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード Fr. HMV 1920年代夏目 久生
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Nicolai Orloff のアセテート盤
モスクワ音楽院とセルゲイ・タネーエフに学んだロシア・ピアニスト、ニコライ・オルロフ(1892-1964)のアセテート盤。恐らくラジオ放送からの録音で、冒頭にはショパン「子守歌」の断片が収録されている。 オルロフは英国DeccaにSPレコードを、晩年には数枚のイタリア録音LOレコードを残したが、シューベルトを聴けるのはこのレコードだけだと思われる。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード アセテート録音 1940年代~1950年代夏目 久生
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Dadine Sutherland : Rubinstein / Valse Caprice
英国のFrancesco Berger(1834-1933)の弟子であるSutherlandによる美しいレーベルのOdeon盤。 サザーランドは数枚のレコードを1900~10年代に残したきりで、その経歴はあまり分かっていない。しかし、演奏は同門のGertlude Mellerと同様に即興性に溢れた素晴らしいものばかり。このレコードも長年探してようやく手に入れたもの。 師のベルガーは、チャイコフスキーや小説家のディケンズなどとの交流の記録が残されている。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード Odeon 1900~1910年頃夏目 久生
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Eduard Risler : Saint-Saëns / Valse nonchalante, Op.110
フランスの誇る伝説的なピアニスト、エドゥアルド・リスレル(1873-1929)が1917年仏パテ社に残した数少ないレコード。中でもこのレコードは、同時代にまだ活躍していたサン=サーンスの名曲を取り上げており、有名な自作自演のレコードよりも細やかな表情が素晴らしい決定盤だ。 因みに当時のパテは縦振動録音方式を採用しており、再生するには特別なセッティングが必要となる。また音質は通常の横振動録音よりも貧弱な場合が多い。 #レコード #レコードコレクション
SPレコード Pathé vertical 1917年夏目 久生