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Daraelites elegans
Species :Daraelites elegans Age :前期ペルム紀アーティンスキアン location:カザフスタン/アクトベ アンモノイドいちの地味メン。 ゴニアタイト目から分化したプロレカナイト目の仲間。 地味だけどアンモノイドの子孫繁栄の繋ぎ役となる重要なグループ。 プロレカナイト目は単純な縫合線を持つ初期ゴニア型から生まれた。 更に進化を重ねて、縫合線を徐々に複雑化させて沢山の山と谷を形成する、このダラエリテス属が生まれた。 そして縫合線の谷に切れ目が入った種、つまりセラタイト型縫合線を持った種を生み出す。 ※縫合線≒外套膜の形状痕跡。つまり外套膜の凸部に複数の突起が形成された種がセラタイト目と言う事。 ダラエリテス属が、セラタイト目の始祖ゼノディスカス科の種を生み出す。 ビギナーが見れば、なんの変哲もない小さく地味で目立たない標本。 だけど、前提知識を持って観察するれば見方が変わりアジのある標本に見えてくる。
化石 2014年頃 ペルム紀Arato510
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Waagenia subinterrupta
Species :Waagenia subinterrupta Age :前期ペルム紀アーティンスキアン location:カザフスタン/アクトべ カザフスタン産のペルム紀ゴニアタイト。 ゴニアタイトらしいインボリュート(若殻を巻き込む形で成長)した巻き。 ゴニアタイトとは思えない細かな縫合線を有するサイクロロバス上科の仲間らしく、本属もゴニアタイトにしてはかなり細かな縫合線を有している。 殻形成プロセスについてザックリとした知識しかないけど、 有殻頭足類は外套膜から何やら分泌して殻を形成するらしい。 そして、縫合線は外套膜の跡。 つまり外套膜の形態を反映していると言われている。 縫合線の波は外套膜のウネリを 縫合線の谷にある刻みは外套膜ウネリの凸部先端の棘装飾を意味する事になる。 縫合線の特徴をゴニアタイト型などと分類するクッソ古い悪習のせいで、 ビギナーにはゴニアタイト=単純な縫合線と思われてる。 セラタイトやアンモナイトに先駆けて、外套膜を発達させた一群がいたと言う事実。 頭足類狂としては、少しでも古生物かじってる人には知って欲しいな。
化石 2014年頃 ペルム紀Arato510
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Metacoceras sp.
Species :Metacoceras sp. Age :前期ペルム紀アーティンスキアン location:カザフスタン/アクトべ ノーチラス目タイノセラス科。 中心がゆる巻きになっており、外殻に棘がある。 タイノセラス科は概ね中心が巻いておらず、外殻に装飾のある属種が多い印象。 この標本では観察できないが、更に成長すると緩く解ける。 巻きだけならオルドビス紀~シルル紀のタルフィセラスライクな巻き方をしてる。 巻き方が似ていても、ノーチラス目を生み出したオンコセラス目とタルフィセラス目はオルドビス紀初期に分化しているので系統的にはかなり遠い。 カザフスタンと言えばペルム紀頭足類の名産地! しかし、ゴニアタイトやプロレカナイトに対してノーチラスの産出は少なく、メタコセラスもレア。
化石 2014年頃 ペルム紀Arato510