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Choffatia isabellae
Species :Choffatia isabellae Age :中期ジュラ紀カロビアン location:フランス/モントイユ=ベレ アンモナイト亜目ペリスフィンクテス科のアンモナイト。 ペリスフィンクテス上科は性的二形を形成する種が多く、そのミクロコンクはラペットを形成する。 ※性的二形=雌雄で別の形態をとる種 ※ミクロコンク=性的二形を形成する種の小型(雄) ※ラペット=住房先端の装飾 そして何故か頭足類の他グループに比べてラペットの保存率が群を抜いて高い。 住房の先端についた繊細なラペットは本来破損しやすい。 それどころか住房自体が破損しやすく、幾つもの隔壁に支えられた隔室部の殻だけが保存された標本のほうが多い。 生前の外殻が頑丈だったのか、生息→死後集積→化石化まで保存されやすい環境に居たのか理由は謎。
化石 2014年頃 ジュラ紀Arato510
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Subgrossouvria cf. retrorsa
Species :Subgrossouvria cf. retrorsa Age :中期ジュラ紀カロビアン location:フランス/モントイユ=ベレ アンモナイト亜目ペリスフィンクテス科のアンモナイト。 ペリスフィンクテス上科は性的二形を形成する種が多く、そのミクロコンクはラペットを形成する。 ※性的二形=雌雄で別の形態をとる種 ※ミクロコンク=性的二形を形成する種の小型(雄) ※ラペット=住房先端の装飾 国内ミネラル業者の中では大手のショップから、Perisphinctes sp.として購入したけど明らか違う。 ペリスフィンクテス属はリブがハッキリしており、ミクロコンクでも9㎝くらいある比較的大型の種。 当時の国内事情はペリスフィンクテス科ならアレもコレもペリスフィンクテス属という雑同定のショップが殆どだった。 当時ノービスどころか頭足類ハマりたてのビギナーだった私は、違和感を覚えて調べた。 ペリスフィンクテス科の本場、フランスのWebサイトの標本を参考にした。 ペリスフィンクテス科は同属別種はおろか別属でも酷似したモノが多く。 サイズ 巻きのキツさ リブの濃さ コンストリクション(くびれ)のパターン 等々の微細な違いで判別。 オマケにコンストリクションは同種内でも個体差がある様子で大変だった記憶がある。 最近、見直してみたけど同じ結果だった。 10年くらい趣味放棄してたせいで、眼識がまったく磨かれていないので当然か。
化石 2014年頃 ジュラ紀Arato510
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Valanginites nucleus
Species :Valanginites nucleus Age :前期白亜紀バランギニアン location:ドイツ/シュテムヴェーデ アンモナイト亜目、オルコステファヌス科のアンモナイト。 こう見えてペリスフィンクテス上科。 ゴニアタイトやセラタイトにも存在する球形フォルムの殻。 頭足類随一の形態的多様性を誇るアンモナイト目に居ないわけがない。 そんなインボリュート(若殻巻きを飲み込んだ巻き)した属種の中でも、この標本は特にキツ巻きでヘソが全くない。 しかし、ヘソがあったり細かく深いリブが刻まれていたりする別形態の個体が同種として流通している。 個体差と言うには差が激しい。 よくあるアマチュアの勘違い浸透現象で、複数の種が同種として扱われてるのだろうか。 それか、ペリスフィンクテス上科なので性的二形を形成する属種なのかもしれない。 ※性的二形=雌雄で別の形態をとる種 鉄球の様なこのフォルム。 私がフランス在住時にハマっていた、ペタンクという鉄球を投げるスポーツをやる度にこのアンモナイトを思い出していた。 ※ペタンク=ビリヤードっぽい感覚でプレイするスポーツとゲームの中間的なカルチャー。 それ程、質感・サイズ感共に鉄球っぽい握り込む手に馴染む形態アンモナイト。
化石 2014年頃 ジュラ紀Arato510
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Pseudaganides cf. aganiticus
Species :Pseudaganides cf. aganiticus Age :後期ジュラ紀キンメリッジアン location:ドイツ/バイエルン ノーチラス上科シュードノーチラス科。 ノーチラスの中ではセノセラスの次くらいに流通が多い。 Pseud=『偽』の名を冠してるけど、パクリ元のアガニデス属というゴニアタイトのが遥かにレア。 縫合線が曲がりくねりつつ間隔が狭めで、ノーチラスにしては隔壁が少し複雑化してる。 縫合線が複雑なノーチラスといえば新生代のアツリア属が有名だけど、そのアツリア属の先祖種とはたぶん別系統。
化石 2014年頃 ジュラ紀Arato510
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Belemnopsis bessinus
Species :Belemnopsis bessinus Age :中期ジュラ紀バトニアン location:ポーランド/チェンストホバ 極小べレムナイトのロストラム。 べレムナイトはバクトリテス目から分化して発生した鞘形亜綱のイカに似た生物。 イカの様な2本の触腕はなくフックがついた触手を10本持っていた。 有殻頭足類特有の殻は内部に外套膜に内包している。 べレムナイトの内殻は 後:ロストラム 中:フラグモコーン 前:前甲 大きく3つの部位に分かれている。 フラグモコーンは従来の有殻頭足類と同様に、ガスが充填されている隔室、連室細管、初期室などの特徴があり、魚で言うところの浮袋の役割をしている。 その前に軟体部を支える内部骨格の役割を果たす前甲 後ろにオモリとなるロストラムがある。 ロストラム/フラグモコーン/軟体部 重量 /浮遊器官 /重量 という形態で浮遊器官の前後にオモリをぶら下げる様な形態をとる事により、姿勢の安定を実現している。 姿勢制御器官であるロストラムは方解石でてきているらしく化石として非常に残りやすい。 三葉虫の眼しかり、生物が方解石生成するってビックリだよね。 因みにイカの先祖だと言及しているニワカ仕込みのマニアが稀にいるけど別物。 鞘形亜綱の初期分化系統はガチプロ研究者ですら、明確に解答出来ない程散らかっておりよくわからない。 一つ言えるのはだいぶ初期に様々に分化して分かれていると言う事。 引用資料:Belemnites originated in the Triassic--A new look at an old group
化石 2014年頃 ジュラ紀Arato510