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Austinoceras sp.
Species :Austinoceras sp. Age :中期シルル紀ウェンロック location:スウェーデン/ゴットランド 胃薬のロゴみたいなフォルムをしたオンコセラス目のノーチロイド。 ドイツで地質調査員の認定を受けているセラーからOncoceras sp.として購入。 オンコセラス属は中期オルドビス紀の属なので明らか違う。 そのため自分で同定した。 ※詳細はラボ欄のブログ記事に記載 ズングリとしたシルトコーン(曲がり殻)で殻口がすぼみ傾向にある。 欠損しがちな若い殻まで保存されている貴重な標本。
化石 2024年2月 シルル紀Arato510
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Trochoceras sandbergerii
Species :Trochoceras sandbergerii Age :シルル紀 location:チェコ/クッヘルバート ルトセラス科のノーチラス。 ジャイロコニック(ゆる巻き)で太めのリブを持つ。 この標本は中心が母岩に隠れたり折れたりで観察できないけど、コイル状に巻く珍種。 上から観察すると成長による左右のズレが確認出来る。 トロコセラスの語源は古代ギリシャ語で車輪を意味するトロコロイドから来ているらしく、本属の巻き方は幾何学で言うところのトロコロイドという形状らしい 本来、デボン紀の属らしいけど何故かシルル紀産になっている。 オルドコレクションのため詳細不明。
化石 2024年2月 シルル紀Arato510
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Phragmoceras aff. broderipi
Species : Phragmoceras aff. broderipi Age :中期シルル紀ウェンロック location:スウェーデン/ゴットランド ディスコソルス目のノーチロイド。 フラグモセラス属といえば ・殻口の中心がくびれている。 ・横幅に対して縦の成長倍率が高い、比較的薄型。 ・新しい時代の頭足類とは逆(腹側)に巻いている。 ・ゆる巻き〜申し訳程度に曲を描いた極ゆる巻き。 等々、いろいろと奇妙な形態のノーチロイド。 この標本も、そんなフラグモセラス属の特徴をほぼ踏襲しており、母岩が邪魔だけど特徴的なクビレた殻口も覗かせている。 ※ちゃんとプレパレーションすれば、しっかり見えそう。 しかし巻きについて、ギリギリ隙間を残したゆる巻きではあるものの、フラグモセラス属にしては巻き過ぎ。 情報を漁って、素人が精一杯つかんだ情報で一番巻いているフラグモセラス属の種は P. broderipi この標本はそれよりも更にゴリゴリに巻きを描いている。 属名と種小名の間に付いてるaff.とは、フラグモセラス属のbroderipiって種に似てるけど、新種かもという意味。 Phragmoceras sp. として売られてた標本に対して私が勝手に付けた笑 aff.は恐れ多くてアマチュアが勝手に付ける事は、まず無いらしい。 しかし、あえて使わせてもらう。 そして本職の古生物学者からツッコミ(回答)を頂くための挑発でもある。
化石 2024年2月 シルル紀Arato510
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Cyrtoceras cf. plebeium
Species : Cyrtoceras cf. plebeium Age :後期シルル紀ウェンロック location:チェコ/ベロウン オンコセラス目のノーチロイド。 全体的に小型の属。 シルトセラス属の名産地、チェコのプラハ盆地産。 名産地なら流通が多いのかというと、答えはノーだ。 チェコ産の頭足類化石がそもそも流通しない。 コレクターの自慢写真で目にする標本が、軒並みプラハ盆地産ってだけで買える状態で流通してる事は滅多にない。 シルトセラス属に限らずプラハ盆地はオルドビス紀、シルル紀のノーチロイド天国。 だけど、どうやら採石場を閉鎖させて国が保護してるらしく、コレクター品の流出に期待するしかないのが現状。
化石 2023年12月 シルル紀Arato510
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Codoceras indomitum
Species : Codoceras indomitum Age :シルル紀(漂礫) location:ドイツ/ベルリン オンコセラス目のノーチロイド。 名前が紛らわしいけど、有名アンモナイト十選に入るであろうカドセラス属ではなく、『コ』ドセラス属。 年代も形態も全く違うので、ビギナーの方でも誤認はないだろうけど念押しで伝えておく。 紛れもないオウムガイ類である。 標本の年代にSilur/Geschiebeと表記されていた。 シルル紀を意味するドイツ語の後に続く、Geschiebeという見慣れない単語。 何処かの国固有の地質層序表記(世や期)かと思って調べたら違った。 漂移や漂礫と訳せるみたいだけど、日本語に訳しても聞き慣れない地学の専門用語。 漂礫ってのは氷河によって遠方から運ばれた岩石のことらしい。 別の土地で地層形成、化石化したモノで生前はシルル紀のベルリンに生息してたわけじゃないってことだね。 漂礫なのでシルル紀内での細かい時代(ウェンロック、ラドロー等)までは追えない模様。 岩質はチェコのプラハ盆地産のシルル紀層の標本にそっくり。 そっち方面で化石化して運ばれて来たのかな。
化石 2023年8月 シルル紀Arato510
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Polygrammoceras sp.
Species : Polygrammoceras sp. Age :後期シルル紀ラドロー location:スウェーデン/ゴットランド オルソセラス目のノーチロイド。 細かい条線がキレイに保存された良質な標本。 流通するノーチロイドの殆どが直角タイプのオルソセラス類。 直角タイプは流通が多いけど、実のところの個人的な所蔵量は少ない。 理由は単純。 流通してる殆どのモノは、鬼磨きされたり、ボロボロだったり、産地情報をロストしてしまった様な標本と呼び難いオキモノ。 折れやすい形状から、標本として流通しているモノも大多数が小型で品質が低い標本で、需要も低いためいつでも入手可能。 その結果、収集プライオリティが低くなり所蔵が少なくなる。 そんなオルソセラス事情において、一線を画す標本がコレ。 これ程キレイに保存されたオルソセラスは他に見たことがない。 直角ゆえに折れやすい形態の中ではサイズ感も申し分なく、貝形類の付着もポイントが高い。
化石 2014年頃 シルル紀Arato510
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Trimeroceras sp.
Species :Trimeroceras sp. Age :中期シルル紀ウェンロック location:スウェーデン/ゴットランド、イヴェルケン オンコセラス目トリメロセラス科のノーチロイド。 有名なゴンフォセラス属の近縁。 近縁だけあって形態的に類似しており、短小なブレビコニックとすぼんだ殻口部を持つ。 本属は若年殻が多少湾曲してるという特徴がある。
化石 2024年1月 シルル紀Arato510
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Phragmoceras sp.
Species :Phragmoceras sp. Age :中期シルル紀ウェンロック下部 location:スウェーデン/ゴットランド ディスコソルス目のノーチロイド。 巻いているタイプの有殻頭足類の大半が背側に巻くのに対して、本属は緩巻きではあるものの腹側に巻いている。 あと、縦の成長倍率が非常に高いのにも関わらず、横の厚さがないので全体的に薄型の印象を受ける。 極めつけは殻口の真ん中がピッタリと閉じて両サイドが開いており、総じて奇妙な形態のオウムガイ類。 閉じた殻を挟んで前後に海水をジェット噴射するための漏斗と 触腕を出すための殻口がそれぞれ個別に開いている。 圧を受けて部分的に変形がみられたり外殻の欠損があったりと保存状態がよろしくないものの、全体のフォルムは観察できる。 なにより特徴であるすぼんだ殻口が、奇跡的に保存されているので割と良い標本。
化石 2023年8月 シルル紀Arato510
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Discoceras sp.
Species :Discoceras sp. Age :中期シルル紀ウェンロック下部 location:スウェーデン/ゴットランド タルフィセラス目のノーチロイド 巻き中心部に礫と共にお仲間の死骸が詰まっており観察しずらいけど ときにはルーズに ときにはタイトに 左右も微妙に蛇行しつつ巻く 変則型のジャイロコニック(緩巻き)な異常巻きオウムガイ類 気まぐれとも思える巻き方は 白亜紀ノストセラス科のアンモナイト ムラモトセラス属に少し似ているのではないでしょうか 細かくも深い細肋が綺麗に保存されており状態も良好です 文句なしのミュージアムクラス標本です!
化石 2023年8月 シルル紀Arato510