-
Codoceras indomitum
Species : Codoceras indomitum Age :シルル紀(漂礫) location:ドイツ/ベルリン オンコセラス目のノーチロイド。 名前が紛らわしいけど、有名アンモナイト十選に入るであろうカドセラス属ではなく、『コ』ドセラス属。 年代も形態も全く違うので、ビギナーの方でも誤認はないだろうけど念押しで伝えておく。 紛れもないオウムガイ類である。 標本の年代にSilur/Geschiebeと表記されていた。 シルル紀を意味するドイツ語の後に続く、Geschiebeという見慣れない単語。 何処かの国固有の地質層序表記(世や期)かと思って調べたら違った。 漂移や漂礫と訳せるみたいだけど、日本語に訳しても聞き慣れない地学の専門用語。 漂礫ってのは氷河によって遠方から運ばれた岩石のことらしい。 別の土地で地層形成、化石化したモノで生前はシルル紀のベルリンに生息してたわけじゃないってことだね。 漂礫なのでシルル紀内での細かい時代(ウェンロック、ラドロー等)までは追えない模様。 岩質はチェコのプラハ盆地産のシルル紀層の標本にそっくり。 そっち方面で化石化して運ばれて来たのかな。
化石 2023年8月 シルル紀Arato510
-
Elrodoceras sp.
Species :Elrodoceras sp. Age :後期シルル紀ウェンロック location:スウェーデン/ゴットランド アクチノセラス目のノーチロイド。 アクチノセラス目を特徴づける蛇腹状の連室細管が観察出来る。 電気や通信系のケーブルを保護するFEP管の様にも見える。 殆どタイプ属として雑に同定されて流通してる。 論文で調べて産出年代と形態を考慮したところエルロドセラス属が一番近い様に思えた。 無脊椎化石の収集家で知らない者はいないであろう資料のノーチロイド編を参考にしている。 半世紀も昔に編纂された資料なので、情報が古すぎて正確性は欠くと思う。 連室細管ばかり出回るアクチノセラスにおいて、泥岩質の隔室跡が観察できる貴重な標本。
化石 2023年8月 オルドビス紀Arato510
-
Phragmoceras sp.
Species :Phragmoceras sp. Age :中期シルル紀ウェンロック下部 location:スウェーデン/ゴットランド ディスコソルス目のノーチロイド。 巻いているタイプの有殻頭足類の大半が背側に巻くのに対して、本属は緩巻きではあるものの腹側に巻いている。 あと、縦の成長倍率が非常に高いのにも関わらず、横の厚さがないので全体的に薄型の印象を受ける。 極めつけは殻口の真ん中がピッタリと閉じて両サイドが開いており、総じて奇妙な形態のオウムガイ類。 閉じた殻を挟んで前後に海水をジェット噴射するための漏斗と 触腕を出すための殻口がそれぞれ個別に開いている。 圧を受けて部分的に変形がみられたり外殻の欠損があったりと保存状態がよろしくないものの、全体のフォルムは観察できる。 なにより特徴であるすぼんだ殻口が、奇跡的に保存されているので割と良い標本。
化石 2023年8月 シルル紀Arato510
-
Discoceras sp.
Species :Discoceras sp. Age :中期シルル紀ウェンロック下部 location:スウェーデン/ゴットランド タルフィセラス目のノーチロイド 巻き中心部に礫と共にお仲間の死骸が詰まっており観察しずらいけど ときにはルーズに ときにはタイトに 左右も微妙に蛇行しつつ巻く 変則型のジャイロコニック(緩巻き)な異常巻きオウムガイ類 気まぐれとも思える巻き方は 白亜紀ノストセラス科のアンモナイト ムラモトセラス属に少し似ているのではないでしょうか 細かくも深い細肋が綺麗に保存されており状態も良好です 文句なしのミュージアムクラス標本です!
化石 2023年8月 シルル紀Arato510